2019年オフの補強・ドラフト戦略についての案(2019年10月3日)

 

私は言うまでもなく、2020シーズンは優勝したいと思っているので、そのための補強について考えたい。特に、具体的な個人名を上げて、具体的にどういった補強をするかを述べることを目標とする。

初めに結論から言うと、補強さえすれば優勝できる。

1.チーム全体としての問題点

前回までの記事で、2019年のオリックスの各選手の成績と問題点は振り返った。

・2019オリックスの成績を振り返る<先発投手編>(2019年9月30日)

・2019オリックスの成績を振り返る<中継ぎ・抑え投手編>(2019年10月1日)

・2019オリックスの成績を振り返る<野手編>(2019年10月2日)

しかし、チーム全体についてのマクロな反省が欠けているので、簡単にチーム全体を総括しておこう。一言で言って、チーム全体として長所が無い。

防御率はリーグ5位、得点は最下位である。得点よりも失点のほうが遥かに多い状況だから、勝率は低いのは当たり前だ。

ピタゴラス勝率を計算してみても、勝率は .436となり、実際の勝率.449とほぼ変わらない。
(当てはめた数式は、この記事を参照いただきたい。)

投手も野手も補強が必要だが、優先度が高いのは、野手だと思う。投手は若手も伸びているし、2018年の酷使の影響で低調だったが2019終盤は調子を上げてきた選手も多い。

山本が2桁勝利できない時点で、野手は穴だらけである。

2.2019シーズンの成績を振り返る:現状分析と補強の方針について

2−1.野手の現状分析

  • 今シーズンの成績を振り返って、DH、捕手、ファースト、セカンド、サード、センター、ライトは他球団に比べて大きく劣っていた。
  • ショートは大城、安達がそれぞれの離脱期間を埋めた。ただ、彼らの来年のコンディションがどうなるかは先行き不透明である。太田、宜保もまだ2軍でじっくり育成したい状況。
  • ライトはロメロがフル出場できれば解決だが、そもそもフル出場した実績もなければ、来年の契約がどうなるかも未定。
  • 中川、宗が内野に専念すれば、ある程度は内野の底上げは期待できそう。ただそうなると外野の層がスカスカになる。

2−2.野手の補強方針について

  • 打てる捕手の補強が欠かせない。頓宮は未知数。また最悪、頓宮はファーストやDHに回しても良い。
  • セカンドは、福田と中川の2人体制ならなんとかなると思う。
  • 宗は結局センターとサードどっちがやりたいのだろうか?(両方?)それに応じてポジションの調整が変わってくる。
  • 宗がセンターなら、中川サード、福田セカンド、西野サブ。
  • 宗がサードなら、福田セカンド、中川どちらか、西野サブということになる。
  • 私としては内野を万全にしたいので、宗サードを推す。
  • その代わり外野(センター)は補強が欠かせない。

2−3.投手の現状分析

  • ディクソンが来シーズンどういう起用になるか分からない。(私は先発派である。)
  • 山岡、山本は来シーズンも活躍が期待できる。実績がある。
  • 榊原、K-鈴木、アルバース、田嶋、竹安、張、荒西はどういう状態か、蓋を開けるまで分からない。
  • 中継ぎは、2020年に良いコンディションが期待できる投手も一定数いる。
  • 具体的には、澤田と吉田一将は心配しなくても良さそう。

2−4.投手の補強方針について

  • 先発はポテンシャルが高い投手も多いが、不確定要素が多すぎる。
  • できれば信頼できる先発がもうひとり欲しい。
  • 先発を補強するか、中継ぎを補強して今の中継ぎから先発に回すかは自由だ。
  • 中継ぎを補強した場合、吉田一将やディクソンの先発転向が可能になる。

3.具体的な補強案

3−1.バレンティン(ヤクルト)

日本人枠というのが何よりデカイ。DHは現時点でスカスカなので、全く邪魔にならない。ちなみに、バレンティンはファーストは守れない。(何度かトライしたが、守備難で失格になったはずだ。)

年齢は来シーズンで36歳だが、成績に陰りは見えず安定している。ブランコとは違う。バレンティンに求めるのは、チームが若手に本格的に切り替わっていくまでの2年間だけチームを支えてくれることだ。最悪の場合、1年契約でも良い。

また、吉田をDHで起用する場合でも、バレンティンをレフトで起用すれば問題は発生しない。何より打点を稼げる選手なので、ドンピシャである。

3−2.會澤翼(広島)

打てる捕手ほどオリックスに欠けているものはない。

若月→會澤になったときの攻撃力の上乗せは何と表現したら良いのだろう。著しい差が出るはずだ。他チームの倍の金を積んででも、全力で取りに行ってほしい。

ベース2.5億円の、打席数や成績に応じてMAX2.5億円の出来高を付けたらどうか。

3−3.荻野貴司(ロッテ)

センターを埋めてくれることを期待。Cランクと噂されているのが何より大きい。

2019年は打撃開眼の年で、ほぼフル出場しキャリアハイの成績(569打席でOPS .842)を残した。打撃はこれまでのシーズン実績からもOPS .700前後は期待できる。盗塁もまだできるし、非常に欲しい。外野が吉田・荻野・ロメロでバックアップに駿太や西村(と宗)がいれば、十分だろう。

2020年シーズンで35歳になるが、2シーズンほどセンターを守ってくれれば十分。

3−4.益田直也(ロッテ)

今オリックスに来たら一番信頼できるレベルの投手になるだろう。何より、投手はいくらいても良い。

上述の通り、ブルペンを補強することで先発に回れる投手も出てくるし、2020年は31歳のシーズンとまだまだ若い。ただし、他の球団との争奪戦になるだろうから、あまり期待しない方が良い。

3−5.バティスタ(広島)

多分、これを考えているのは私くらいなのだと思うが、あのドーピングのバティスタが広島からリリースされたら獲得に動くべきだろう。よろしくはないが、リリースされる前にちょっかい出すくらいの熱意を見せてほしいくらいだ。

広島からリリースされる可能性は結構あると思う。広島に居続けると、ドーピングというレッテルがつきまとうし、本人もチームもやりにくいだろう。何よりこのドーピングの件で広島は批判を浴び続けている。それならば、心機一転オリックスで再起を図らないか!?というアイディアである。きっと、お手頃な待遇で契約できるだろうというのもある。

過去3シーズンでコンスタントにOPS .850オーバーだし、仮にそれがドーピングによるものだとしても、始めから大規模な契約にしなければ、そこまで大きなリスクにはならない。

3−6.ファーストの新外国人

バティスタが獲得出来なかった場合、あるいはバティスタの動向が決まるより前に良い選手との話がまとまれば、ファーストの新外国人選手を獲得したい。現状、ファーストがスカスカすぎて困ってしまう。T-岡田の復活は、当てにならない。

3−7.ちなみに

よくFAで話題になるのがロッテの鈴木大地だが、私は獲得に賛成ではない。確かに内野や外野をどこでも守れて、打力も一定程度ある素晴らしい選手だ。

ただ、そういう選手が来たとして、どれだけの上積みになるだろうか。OPSは例年 .750程度で、今年はキャリアハイの .827だ。現状、セカンドもショートもサードも一応人はいる。もちろん獲得できたら大きいが、他のほうが優先度が高いと思う。

それならば、2人までしかとれないAランク、Bランクは會澤と益田に行くべきだろう。

また、伊藤(DeNA)も捕手として非常に魅力的だが、トレードで出しておいて今更取りに行くなんていうのは、いくら監督が変わっていてもまだおかしいだろう。(個人的にはものすごく戻ってきて欲しいが。。。)

4.理想の布陣

ということで、以上の補強がすべて実現したときの布陣を妄想してみる。

先発ローテ

山岡、山本、榊原、ディクソン、吉田一将、6人目(アルバース、田嶋、竹安、荒西、鈴木優、本田)

中継ぎ

近藤、海田、澤田、増井、K-鈴木、張、山田

抑え

益田

野手

1.荻野(中) (後藤、宗)
2.バレンティン(DH) (吉田、ロメロ)
3.吉田(左) (T-岡田、バレンティン)
4.ロメロ(右) (後藤、吉田)
5.バティスタ(新外国人)(一) (T-岡田、モヤ、頓宮)
6.會澤(捕) (若月、頓宮)
7.宗(三) (西野)
8.中川(二) (福田、西野)
9.安達、大城(遊)

※2番バレンティンで荻野の盗塁をアシスト

妄想

益田が取れれば、このようにディクソンが先発に回れるので、先発ローテーションも十分満足なレベルだろう。

仮にこの打線が組めたら、外人部隊ではあるが、秋山が抜ける西武にそこまで見劣りしないのではないか?投手陣も2019年と同じ以上のレベルで回るだろうし、これは優勝するだろう。(投手は欲を言えばもう1枚欲しい。アルバースの復活を願いつつ、3人目の外国人投手で中継ぎを取ったら理想的だと思う。)

5.現実的な狙い目とドラフト戦略

現実的な目標

バレンティンも會澤も荻野も取れるなんていう、理想的なシチュエーションには実際問題ならない。(優勝を狙うのなら、それくらいやってほしいが。)

私は、現実的なところは

①會澤=絶対取る
②バレンティン、荻野=どちらか取る

というのが目標だと思う。これならば、年間8億円の予算の上積みで行けるだろう。金子も中島もいたときのことを考えれば、それくらいのお金の工面は余裕だろう。

中期的な狙い

ドラフトで有望な選手を取りつつ、頓宮や中川など有望な若手を育成しつつ、①、②の選手で2年をやり過ごして、3年後からの黄金期を狙うべし。

来年の目標としては、鈴木昴、山足、小林、飯田、小島、小田などの、年齢も30前後で伸び代も大きく感じられない選手と若い選手との世代交代を進めることだ。

悪い意味ではなく彼らを2年以内に戦力外にするためにも、新戦力でつないでおき、その間にしっかりと若手を育成することを推したい。また、打線をガチガチに補強すれば、投手陣も全体的に楽ができるだろうし、いいことづくしだと思う。

ドラフトについて

1位は奥川・佐々木・森下の誰かで行って欲しい。(個人的には、奥川くんの一択)

くじで外れた場合や2位以下の指名は、単純に価値の高い選手から指名して欲しいが、抑えなければいけないポイントがある。それは捕手である。今はまともな捕手がほとんどいない状況である。(高城も解雇になった。怪我が重たいのだろうか。)

捕手として私が推したいのは、佐藤都(東洋大)、山瀬(星陵高)、東妻(智弁和歌山)だ。佐藤選手はハズレ1位〜2位、山瀬選手は3位〜4位、東妻選手は4位以下になるのではないだろうか。私はここから2人取ってもいいと思っている。(高校生はひとり)

つまりは若月(と頓宮)の競争相手にすぐなれる選手と、ポテンシャルの大きい高校生が欲しいということだ。

また、全体的な編成やチームの弱点を考えて、同じ評価の投手と野手ならば、野手を取りたい。きっとドラフト上位(1〜3位)では、捕手と打てる大卒野手と縁があるのではないかと思う。おそらく1〜3位のうち、投手1人、野手2人というバランスになるのではないか。

今年のドラフトは10月17日(木)である。今から楽しみだ。

 


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2019年オフの補強・ドラフト戦略についての案(2019年10月3日)」への24件のフィードバック

  1. 管理人さんお疲れ様です。

    戦力補強の青写真、楽しく拝見しました。
    こういうときの考えとして、はなから「どうせ取れない」と決めるのではなく、
    取れるだけ取って理想とするゴールを考えるのは、チームにとってもとても有益だと思います。
    (理想のチームを考えるプロセスが次の布石につながると思います!)

    さて、選手の中で、バレンティンは何が何でもほしい選手ですね!
    日本人枠ですし、お金を積みまくってでも獲得してほしいです!

    現実に戻ると、FAは難しい面もあるかもしれませんが、会沢選手が取れれば最高ですよね。

    吉田正、バレンティン、ロメロ、新外国人(ファーストかサード 李大浩クラスを連れてきてほしい)、
    会沢、まわりを大城、中川、福田、宗で固めればたちまち強力打線です!

    とにかく、中途半端な補強はせず、Aクラス選手に絞るのは大賛成です!
    「来てくれれば誰でもありがたい」的な獲得ではなく、大物に絞ってほしいです!

    「オリックス、成績低迷でも売上高倍 2軍でファン獲得」(日本経済新聞)
    という記事もありますし、売上高はパ・リーグの中でもソフトバンクに次ぐ
    2位グループらしいです。(ホントでしょうかこの記事?)

    たぶん12球団のなかで、一番、「勝つこと」でのファンの伸びしろもあると思うので、
    とにかく勝つために、外国人を含めた積極補強を行ってほしいです!
    FAが難しくても、外国人だけば4人戦力を揃えてほしいです!
    ドラフトも含めて、うまく立ち振る舞ってほしいです。

    1. ピジョンさん、

      バレンティン、めちゃくちゃ欲しいのですが、結構人気のようですねー。
      勝てるということをある程度重視するようですし、厳しいかもですね。。

      會澤も人気高騰すること間違いなしでしょうが、これも一つの戦いですからね。勝って欲しいものです。

      打線はOPS.850以上の選手を5人くらい並べたいですよね。

      中途半端な補強は無用、正にそのとおりですね!
      言い方は悪いですが、一流半はすでに揃っていますからね・・・。

      10年前と比べて売上高が倍ですか。私も記事読んでみました。教えてくださってありがとうございます。
      (10年前といえば、大挑戦の頃ですか。。)

      ファンクラブの収益は確かに大きいと思いますが、あとはドームが自前になってグッズや飲食販売が
      収入になったのも大きいのではないでしょうかね。

      私も、ある程度常勝になればこのチームはもうちょっと注目されるだろうと思います。
      若くていい選手も多いですしね!

      2014年オフのような無能補強は要りませんから、とにかく戦力になる選手を集めてほしいですね。
      外国人4枠をフル活用するのは、絶対に死守してもらいたいです。

      今回のドラフトは福良がGMになって初めてですから、我々ファンも嫌でも緊張しますね。
      (私はどうなるか怖いです。。)

    1. コメントありがとうございます。

      初めに私の結論を述べると、福田秀平選手の獲得はCランクと言えど、見送るべきという考えです。
      以下が主な理由です。

      ・2020年2月で31歳になること(そこまで若くないこと)
      ・出塁率が低いこと(特に、四球が少ないこと)
      ・三振が多いこと(通算でも直近でも約4打席に1三振)
      ・過去2シーズン長打率が素晴らしく、OPSも.800に迫る成績を残したものの、打席数が限られての成績であること
      ・フルシーズン出場してその成績を残す技術は無いように(対戦相手として見ていて)思うこと
      ・特に左投手が苦手と思われること(左投手相手の打席数は37と少ないものの対左打率が.137であること。2018年も対左は同様に成績が悪かったこと)

      各シーズン、通算の成績は以下から参考にしました。
      http://npb.jp/bis/players/11615114.html

      今のソフトバンクでの起用のように、対右投手での起用に限定して出場機会を絞れるのであれば良い補強になるのでしょうが、
      今のオリックスが必要としているのは、そういう選手ではなく軸になれる選手だと思うので、福田秀平選手は除外していました。
      (同じ外野では、ロッテの荻野の選手の方が遥かに欲しい選手と考えています。)

      福田周平との1文字違いコンビの話題性は捨てがたいかもしれませんが。。

  2. こんにちは
    記事を拝見させていただきました
    ファン歴はかなり浅いですがオリックスファンです
    今年のオリックスのドラフトでは捕手は絶対に必要なのでそれ以外で獲得してほしいと思った選手を書こうと思います。

    まずはパナソニックの片山一塁手です。今年のオリックスの課題は打者で一塁はモヤ、DHはロメロか吉田正がやっていましたが、ロメロは怪我がち、モヤも来年は非常に期待は出来ますがどうなるかはわかりません。
    片山選手はパワーは魅力ですがパ・リーグ向き、一塁しかできないなどの評価でパ・リーグ6球団を見ても片山選手が一番活躍できる可能性がある球団はオリックスではないかと考えています。

    二人目は興南高校の宮城投手です。現在のオリックスには山岡投手、山本投手という素晴らしい投手がいます。他にも榊原投手、K-鈴木投手、荒西投手なども来年は今年の経験を生かして欲しいと思っています。
    しかし、彼らは全員右投手であり、左で先発ができる投手は田嶋投手ぐらいだと思います。その田嶋投手も怪我の影響で絶対的なローテーション投手にはなれていません
    宮城投手は将来、オリックスの左のエースになれる可能性のある投手だと考えています。

    最後は履正社の井上選手です。
    オリックスの外野陣は宗選手、西浦選手、西村選手、小田選手など俊足巧打型の選手が多く、貴重なスラッガータイプの杉本選手は伸び悩んでおり、T岡田選手に至ってはFA権の行使の可能性があります。
    将来の4番候補として井上選手の獲得はありだと思っています。

    長文失礼しました。
    (PS:捕手はドラフトで絶対に獲得して欲しいです)

    1. INFINITEさん、

      コメントありがとうございます。

      興南高校の宮城投手は、コントロールの良さとインステップが特徴の好投手ですね。
      球の出どころが見づらそうで、身体もできあがってますし、すぐに二軍で投げれそうですね。
      3位で取れれば、、、というところでしょうかね?
      私が心配なのはインステップで上半身に負担がかからないかな、という点です。
      もし指名出来た場合は、先発としてゆっくり育ててほしいですね。

      パナソニックの片山選手と履正社の井上選手は、抜群の長打センスですね。
      近年、一塁とDHが空き気味ですし、タイプ的にも長打を打てる選手が少ない現状、
      どちらか一人とは縁がありそうですね。(井上選手のポジションはやはり外野でしょうかね?)
      このふたりは、ドラフト4位〜5位で指名したいですね。

      捕手の指名は至上命題ですよね。私は記事にも書いた通り、大卒では佐藤都選手を
      推しますが、実際のチームが特に誰を評価しているのか、気になっています。

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