オリックス投手陣の捕手別成績(2018年9月2日まで)「若月・山崎の比較と来シーズンに向けて」

バッテリー毎の成績

9月2日までのバッテリー毎の成績を下の表の通り、まとめてみた。シーズン当初からこのデータはまとめてきており、それぞれ以下のように記事に投稿してきたものだ。

●「伊藤・若月論争」についての考察と検討(2018年オープン戦比較)
● 2018年4月22日時点でのオリックス投手陣の捕手別の成績指標
● オリックス投手陣の捕手別成績(2018年5月19日まで)
● オリックス投手陣の捕手別成績(2018年6月9日まで)
● オリックス先発陣の捕手別成績を考える(2018前半戦データ)
● オリックスの中継ぎ投手陣の捕手別成績を考える(2018前半戦データ)

これまでの記事のデータとの一番の差は、ここにきてシーズンも終盤になり、サンプルが多くなったことで、有意な差が見て取れるようになったことだ。具体的には、若月と山崎のそれぞれバッテリーのときの成績比較(違い)が非常に面白い。(マスクを被ったのは、若月はチーム全体の約60%、山崎は約30%だ。)

1.全体

チーム全体の被OPSは .704という数字になった。そして、捕手毎の割合はイニングで言うと、大体、若月60%、山崎30%、伊藤と伏見10%という内訳だ。

若月、山崎の被OPSはほぼ同じであり、「非常に似たような成績」である。強いて言うならば、山崎の被ホームラン率が高いくらいだが、組んだ投手の差で説明できてしまうレベルだ。

2.先発陣

・若月の方が好相性: 西、ディクソン
・山崎の方が好相性: 山岡
・そもそも若月としか組んでいない: アルバース、田嶋、ローチ
・そもそも(ほぼ)山崎としか組んでいない: 金子

アルバースは全体的に好成績なので若月とのバッテリーを変える必要は無いかもしれないが、田嶋とローチはバッテリーを変えてみることを提案したい。(来シーズンの起用を考えるためにも。)

山崎は、そもそも組んでいない先発投手も多いものの、全体的にあまり相性が良くない。山崎は開幕当初まで2軍だったので、キャンプ、オープン戦で先発投手とはあまり組んでいないことも原因かもしれない。(中継ぎ投手は受ける頻度も高いし、ブルペンで球を受けることもできるだろう。)

3.リリーフ陣

・若月の方が好相性: 比嘉
・山崎の方が好相性: 増井、近藤、吉田、山本、黒木、澤田、山田

かなり顕著に差が出た通り、リリーフ陣は山崎の方が圧倒的に相性が良いというデータになった。考えられる仮説はいくつかある。

  • 山崎は途中交代からの出場が多く、リリーフ陣のリードに集中できている。
  • 若月は速球で押すリードがあまり得意でない。
  • 若月は先発投手のリードで疲れてしまい、中継ぎ投手以降のリードのクオリティが落ちる。

それぞれの要因がどの程度のウエイトで働いているのか分からないが、少なくとも、若月をフル出場させることは避けたほうがよいと言える。また、打撃を考えても、若月は積極的に代打で途中交代させたほうが良い。来シーズン以降も、若月のフル出場を前提としたチームではなく、公平な競争に基づいた起用をすべきだろう。

4.来シーズンに向けての起用について

若月の成長に期待

若月は守ったイニングの半分以上を西、アルバース、ディクソンと組んだ。その3人と組んだときの被OPSはそれぞれ .667、 .643、 .558と優秀だ。しかし、全体の被OPSが山崎のそれとそこまで変わらないということは、それ以外の投手と組んだときの成績が良くないということだ。確かに、中継ぎ陣全般(比嘉除く)との相性は良くないように見え、全体的に速球で押す投手のリードが良くない傾向が見て取れる。

リリーフ陣との全体的な相性の悪さ、また打撃力の低さを考えると、若月には試合途中で代打を送ることが圧倒的に合理的な選択になってしまう。

しかし、西、アルバース、ディクソンとのバッテリーで好成績を残しているのは非常にポジティブな要素であり、来シーズンはさらに多くの投手とのバッテリーで好成績を残し、打撃も向上できれば(OPS .600を打てば十分だと思う)名実ともに正捕手になれるだろう。

逆に言うと、若月がこれらの点で向上できないと、まだまだ捕手はバランスよく併用して起用、ということになる。

シーズン残りは伏見の起用も増やしてほしい

山崎は今シーズン36歳のシーズンで、来年は37歳になる。リードは変わらずとも、打撃や守備で能力が衰えることは大いに有り得る。したがって、山崎がいないと困るというチームでは到底優勝できないだろう。

そこで、自分は伏見の起用を増やしてほしいと思っている。今シーズン、ここまで捕手として守ったイニングは、チーム全体のわずか5%弱であるが、自分には伏見に何か明確な弱点があるようには見えない。上でまとめたデータ上は、伏見がキャッチャーのときの投手成績は芳しくないが、いわゆる敗戦処理的な場面でマスクを被ることが多いので、他のキャッチャーと比べられるような、正当な成績では無いと言える。

打撃力が若月、山崎と比べて圧倒的に優れていることも考え、来シーズンは伏見のスタメンマスクを増やせればと思うのは当然のことだ。したがって、来シーズンへの投資の意味を込めて、伏見の出番をある程度確保してほしい。

 


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