シーズン約1300イニング分を誰が投げるか?
先発が全体的に不足しているという難題の解決策を、この記事では提示したい。
はじめに2018年シーズンを振り返ると、先発が投げたイニングが825回2/3、 リリーフが投げたイニングが467回であった。つまり、全体の約63.9%しか先発投手がイニングを稼げていない。これは9イニング換算すると、5.75回しか先発が投げていなかった、ということになる。(延長戦も考えると、もう少し先発が投げているはずである。)
さらに、西と金子がいなくなった今、彼らが投げていたイニング(合計262回1/3)を誰が埋めるのか?という問題も解決しなくてはならない。
1.先発投手6枚では足りない
現状、先発投手として名前が上がるのは、山岡、アルバース、ディクソン、榊原、田嶋、東明、松葉、吉田一、黒木といったところだろう。
しかし、規定投球回を大きく超えてイニングを稼いでくれる投手は残念ながら見当たらないので、先発投手が6枚では、中継ぎ陣を酷使に酷使して何とかシーズンを乗り切るようなことになるだろう。
これでは、2020年につながらないし、安定した戦い方も期待できない。
そこで私は、先発投手を7枚、8枚と用意して、全員が薄く広くイニングを負担することを考えたい。
2.外国人先発が3人必要である!しかし・・・。
それでは、7人目、8人目の先発投手を確保するためにはどうしたらよいだろうか?
外国人投手が3人いればいいのだ。(別に、日本人投手でイニングが稼げる投手を補強できればそれでもいいのだが、それは最早不可能である。)
しかし、外国人枠の問題がのしかかる。外国人先発で3枠を使ってしまうと、メネセス、ロメロのどちらかしか登録できない。二人がともに打線に名を連ねていない打線では、打力がまた12球団最低の水準になってしまう。(できれば、マレーロもいて欲しいくらいだ。)
3.外国人先発投手の登録・抹消ローテーションを導入せよ!
3人の外国人先発投手をローテーションすることで、3人で常に外国人枠を2つしか使わないで済むような運用を考えたい。(念の為述べておくと、登録を抹消すると、10日間の抹消期間を経ないと再登録できない、というルールがある。)
案1:3人の外国人先発のうち、2名を登録ローテ
A・B →(A抹消・C登録)→ B・C →(B抹消・A登録)→ C・A → ・・・
カレンダーで書くと、以下のような感じだ。(ここでは、14週分のカレンダーで考えることにする。)
外国人先発2名を中6日で回し続ける場合(14先発×2名)と比べて、
・登板間隔が全体的に空くので、コンディション維持がしやすい(はず)。
・一度の先発で多少は多めに球数を投げることができると思われる。
・外国人の先発数が増える(28先発→32先発)。その分日本人投手の負担が減る。
というメリットが有る。
実際に、日本人投手も含めたローテーションを考えると以下のようになる。
ここでは山岡が常に中6日だが、田嶋、山本、東明に全体的にゆとりが生まれていることが見て取れるだろう。
案2:3人の外国人先発投手のうち、1名を常に登録し、残りの2名をローテ
以下のようなことである。
A・B →(B抹消・C登録)→ A・C →(C抹消・B登録)→ A・B → ・・・
一番良い外国人投手(A)を常に登録し、残りの2名(B、C)を交互に入れ替えて起用する運用である。カレンダーで書くと、以下のようになる。ここでは、A=アルバースとした。
案1と比べて、以下のようなメリットが生まれている。
・外国人先発投手の先発機会が更に増えた。(3名で35先発)
・その分、日本人先発投手の起用に、更にゆとりが増した。
案2改良版:日本人投手の先発枠を増やす
また更に、案2の改良版として、日本先発投手の枠を4名→5名にする案も考えた。(ここでは榊原を追加した。)
この案が、個人的には一番優れていると思う。というのも、
・中6日を基本として回るのは3名のみなので、全体的に負担が非常に少ない。
・上の例でいうと、田嶋、榊原、東明は基本的に、登板後にすぐ抹消できる。
・常時登録する先発投手が4名で済む(アルバース、外国人投手どちらか、山岡、山本)。→その分、打者や中継ぎを充実させられる。
・柔軟性が高い。例えば山本が中6日が厳しくなってきたら、田嶋と入れ替えることが容易にできる。したがって、年間を通せば負担を均すことができる。
・先発が8枚いるので、ひとり18先発で、シーズン110イニング投げれば、880イニング稼げる。という計算が少なくとも楽観的に成り立つ。
・先発投手がダブついているという見方もできる。しかし、2019年のオリックスのように、キャリアの若い投手が多く、圧倒的な先発がいない状況では、ひとりひとりの負担を減らし、万全な状態で登板させ続けることが効果的である。
4.主張(結論)
以上をまとめると、私の主張は以下の通りである。
・いずれかの案を実行せよ。(そのためには、第3の外国人先発投手が不可欠なので獲得せよ。)
・どの案でも、日本人先発投手は少なくとも4枚必要である。
・特に、最後の案が最推奨である。(全体的に負担が少なく、登録人数枠も大きくセーブできる。)
・日本人先発投手は、山岡、田嶋、山本、東明、榊原、松葉、吉田一、黒木らで競争させよ。
・先発競争で漏れた投手には、ロングリリーフ(第2先発)を行ってもらう。(中継ぎの負担軽減)
・ちなみに、外国人先発が4人以上は回転が悪く、コスパが低い。(効果的な運用が組めない。)
もし、春のキャンプに入る前に(=まあ遅くとも1月中旬ごろまでに)、新外国人先発投手獲得のニュースが無い場合は、オリックスの2019年シーズンは無いものと思ったほうが良い。また、2019年シーズンに投手陣にかかる負担も甚大になるので、2020年シーズンも無いものと思ったほうが良い。
また、この案の一番の問題は、「定期的に10日間は抹消」するというローテを、外国人投手が了承するのか、ということだ。そこは何とかするしかない。高待遇さえ変わらなければ、「負担少ないホワイトな環境です」と宣伝できるだろう。
とすると、前日ハムのマルティネスや、前中日のガルシアという、良い先発投手が市場に出ているのでチャンスだと思う。特に、金子や西の流出で支配下枠がスカスカなのだから、3人目の外国人先発投手を獲得しなければ、フロントに対して最近流行りのデモ抗議を行いたいレベルだ。
「2019年のオリックス投手陣の最適運用を考える:外国人先発3枚の必要性(2018年12月10日)」への19件のフィードバック