とうとう来たか!
以前に2019年の投手陣の運用を考えるために書いた記事:2019年のオリックス投手陣の最適運用を考える:外国人先発3枚の必要性(2018年12月10日)にて、その記事タイトルのとおりディクソン、アルバースに次ぐ3人目の外国人投手の必要性について主張した。
その記事の中で、「もし、春のキャンプに入る前に(=まあ遅くとも1月中旬ごろまでに)、新外国人先発投手獲得のニュースが無い場合は、オリックスの2019年シーズンは無いものと思ったほうが良い。」とまで書いたのだが、とうとう昨日(1月15日)に獲得が発表されて、ひと安心である。以前から第3の外国人先発投手の獲得を示唆するようなニュース記事はあったものの、明確に肯定する記事も出ていなく、ここ数日は「まさか獲得しないなんてことはないよね??」と少し懐疑的になっていたが、とにかく良かった。
高身長(196cm)、右の先発、26歳になったばかりと若い、2018年AAAで13勝と期待できる触れ込みが非常に多いが、果たしてどのような活躍が期待できるか?また、それを踏まえてどのようにオリックス投手陣を運用すべきか?という点について考えたい。特に、ディクソンとの比較を行っていきたい。
1.プロフィール
・名前:タイラー・エップラー(Tyler Eppler)
・生年月日:1993年1月5日
・身長・体重:196cm、104kg
・国籍:アメリカ(テキサス州出身)
・右投げ右打ちの先発投手
・経歴:
2011年にNavasota High School(テキサス州)を卒業。高校では野球、バスケットボール、ゴルフをプレーした。
2012年から、Texarkana Junior Collegeにて投手としてプレー。
2013年から2014年は、Sam Houston State (TX) Universityで投手としてプレー。
2014年ドラフトにてピッツバーグ・パイレーツから第6順指名(全体191番目)。
メジャーでの登板経験はなし。
・エピソード:
奥さんの名前はマリッサ(Marissa)で、ドラフトで指名された日にプロポーズしたらしい。
2.成績と特徴
赤字がポジティブ要素で、青字がネガティブ要素である。成績は各種データサイトから引っ張ってきている。
- 2018年のAAA(INT)での成績は以下の通りである。WHIPの順に並べたが、エップラーはどこにいるかというと、下から探したほうが早い。比較的投高のINTリーグにおける数字であるということを頭に入れたほうが良いのと、リーグで下半分ということを考えると、主力級としての活躍は難しいだろう。ただし、「防御率」の順番にすると、上位半分に入る。
(ソース) http://www.milb.com/milb/stats/stats.jsp?sid=milb&t=l_pit&lid=117・イニング数 153回 - 各種指標
・28試合登板、25試合先発
・13勝8敗
・防御率 3.59
・被OPS .735
・WHIP 1.301
・K/9 6.94
・BB/9 2.29(→ K/BB = 3.03)
・HR/9 0.76
・ゴロ率 約41%、ライナー率 約21%、フライ率 約38%。
・ゴロアウト/フライアウト 0.95
・ゴロ率/フライ率 1.10
・引っ張られる打球が多い(全体の約50%が引っ張り方向)
- 対右打者が苦手。
対右被打率 .287、WHIP 1.37
対左被打率 .250、WHIP 1.20
- 得点圏に比較的強い。得点圏で、WHIP 1.06、被打率 .243。
- デイゲームに強い(ナイトゲームが苦手)。デイゲーム時の防御率 2.32、ナイトゲーム時の防御率 4.29。
- 2018年は春先が良くて、夏場から成績が落ちた。春先はゴロアウトが多かったが、段々と減っていった。
- ディクソンのAAA(PCL)での成績と比較すると、一回りランクが落ちるという印象。ほぼ、打高のPCLのディクソンの成績 = 打低のINTのエップラー成績である。また、ディクソンはゴロアウト率が非常に高く(ゴロアウト/フライアウト = 1.62)、K/BB = 3.85とAAAで優秀な成績であったし、メジャーでの先発経験もあった。
- エップラーも、2017年→2018年と成績が向上していること、まだ26歳になったばかりと若いことから、2019年シーズンの向上もある程度は期待できそう。(2017年の被OPS .849から、2018年の被OPS .735まで改善。ただし、一時的なものとする見方もできる。)
3.動画
https://www.milb.com/video/search?q=Eppler より。以下の1本しか見つからなかった。。
◆奪三振のシーン(2017年4月)
https://www.milb.com/video/eppler-gets-fourth-strikeout/c-1282763483
右バッターからスライダーで三振を取るまでの投球。まっすぐのスピードはそこそこ出ていそう。ただ、スピードガン表示が無いのでわからない。
追い込んでからのスライダーが高めに抜けている投球なので、ちょっと良さが伝わってこない印象か。
4.個人的な印象
動画を見る限り(2017年4月の投球だが)、確認できる球種はファストボール(4シーム?)と縦のスライダーの2球種のみ。フォームから見てもあまりたくさんの球種を投げられそうな気配はしない。制球はある程度まとまってはいそうに見える。
ただし、対右打者の成績が良くないことから、右バッターのインコースに真っ直ぐを投げきれないのではないかと予想。この点を改善できれば、活躍が期待できるだろう。
被ホームランも比較的少ない方であり、四球も少ないので、大崩れはしなさそう。
好不調のバロメータはゴロアウト率にあると思われる。ゴロアウトが多ければ、安心して見ていられるという数字が残っている。ただ、球種もよくわからないので、具体的に何がポイントかは分からない。
5.起用を考える
以上の考察でも述べたとおり、エップラーには、ディクソンやアルバースと同等の活躍(ローテーション級)は期待できないと考える。正直、二軍のローテーション投手になってしまうような気がする。
個人的な考えとしては、ディクソン、アルバースと同等の能力を持つ投手を獲得し、外国人先発投手3人を抹消・登録ローテで回し続ける起用をすべきという立場であったので、残念な結果だ。結果として、日本人(先発)投手の負担も大きくなるだろうし、外国人選手の層の厚さ的にも少し不安が残る。しかし、良い意味で私の予想を裏切ってくれることを望む!
・・・これで補強もひととおり終わった訳であるが、Aクラスは厳しいという印象だ。とは言いつつ、キャンプでの各選手の動きを見るまで、期待しておきたいと思う。特に今年のキャンプは実戦が多いらしいので、その点も楽しみだ。
いつも楽しく拝読しています。
今年は西が開いた穴を埋めないと4位でさえ厳しいかもしれないですね。
また記事楽しみにしています。
コメントありがとうございます。どうにかAクラス入れたら絶対今シーズンは盛り上がりますね。
今年のキャンプはなかなか見ることができていませんが、どうにか早く録画を視聴して、記事を投稿していきたいと思います。