とうとう登録抹消
時間の問題ではあったが、山本がとうとう登録を抹消された。登録69試合中39試合に登板し、実に登板率56.5%を誇っていたことを考えると、まさに酷使が原因である。
抹消の理由
高山投手コーチによると、「大きな怪我につながる前に疲労回復させるためとのことだが、本当に復帰できるのだろうか。黒木の抹消(6月27日)のときも「疲労回復のため」と言っていたが1か月経っても一向に復帰するどころか、二軍での調整登板すらできていないではないか。
黒木も大卒2年目だし、山本に至っては高卒2年目の投手だ。彼らをこのように使いつぶすのは、まさに愚の骨頂であり、切腹してもらいたいレベルで腹が立つ。
1.どれだけの酷使だったか
以下のグラフを見ていただきたい。
一見、非常にごちゃごちゃしたグラフに見えるが、中身はシンプルである。横軸を登板数として、赤太線がシーズン通算の被OPS、赤点線がその登板での被OPS、青線が登板前10日間の投球数、青線の脇に書いてある数字が登板前10日間の登板数である。
青の部分を見れば、酷使の度合いがわかるのだが、特に前10日間の登板数を注視したいと思う。この数字が「5」であれば、前10日間で5登板しているにも関わらず登板しているので、11日間で6登板していることになる。
個人的に、起用の上限ラインを前10日間の登板数「4」に設定すべきであると考える。これは、2日に1登板以下のギリギリのラインだ。これが「5」になると、2日に1登板以上していることとなり、「酷使」であると断定する。「6」以上は考える余地もなく「超酷使」である。
確かに山本の成績推移を見てみると、「5」と「6」の後に、シーズン登録当初にあったような安定感が失われ、成績が悪化している様子が見て取れないだろうか?
2.前10日間の登板数が「5」という酷使ラインを当てはめる
①増井
25登板目前後にあった、5試合連続「5」の後、全体的に成績の水準が下降している。また、一部グラフ上で振り切ってしまっているが、37登板前後で「5、6、5、6」という恐ろしい酷使にあった。案の定、その後オールスター登板もあり、成績が下降している。
②黒木
10登板目の「5」を境に、一気に成績が下降。25登板目の「5」でクリティカルダメージ。酷使に対する耐性は低いと言えるため、先発転向を提言したい。
③吉田
登録されてすぐの「5、6、6」により一気に成績悪化。37登板目前後の「5、6、5」の後に成績悪化。
④近藤
全体的に「4」以上の登板で成績が悪化している。最も慎重に起用しなければいけない選手。先発転向を推奨したい。
⑤澤田
15登板目前後の「5、6」から一気に成績悪化。一度の酷使で取り返しのつかなことになってしまった事例であると思われる。
3.ブルペン入りした回数も本当は加味すべき
序盤で投げる投手ほど、ブルペンで肩を作る回数が多いはずだ。したがって、増井や山本のような終盤に投げる投手と比べて、同じ酷使ラインであっても、黒木、吉田、近藤、澤田のような6回でも投げるような投手には数字以上の負担がかかっていると思われる。
投手コーチはそういった負担を全体として管理していないといけないはずだが、まともに思考が働いているとは到底思えない。
4.先発がしっかりするか、打線が充実しないと、一年戦えない
今シーズンの教訓として、どれだけ中継ぎ陣が充実していても、
- 先発が充実している
- 打線が充実している
のいずれかが実現できないと、勝てないということを学んだ。今シーズンは、先発イマイチ、打線もイマイチと、中継ぎ陣にばかり負担がかかってしまった。また、その負担を軽減するような采配や起用も全くできなかった。
それでは優勝できるわけもないし、Aクラスが精々関の山ということだろう。来年に向けては、先発とリリーフ陣のシャッフルと、打線の補強が欠かせないだろう。
「山本由伸の離脱から酷使のラインを考える(2018年7月29日)」への38件のフィードバック