甲子園中止への反対意見について思うこと(2020年6月6日)

今年の夏の甲子園大会の中止が5月20日に決定された当時、その決定に反対的な声が少なくなかったと思う。

発表から2週間以上たち、今どのように思っている人が多いのか分からないが、何点かこのブログで指摘をしておきたいと思う。

  • 「大人はよくて、子どもはダメ」論法について

    プロ野球は(無観客で)開幕するのに、高校生がダメなのはなぜか?ということだ。ばっさり切り捨ててしまうと、この考えは論点のすりかえというか、本質からズレていると思う。

    大人はプロ野球選手を指している。野球は彼らの職業で、収入源でもある。だから、できる限り早期に開幕する必要が当然ある。

    一方で、子どもは高校球児を指している。野球はあくまで部活動である。高校生の本分は、高校での教育で素養等を身に付けることだ。もちろん部活動もそこに含まれているが、まず第一には勉学だ。(だから、進級や卒業の判定に学校の成績が使われるのだ。野球で活躍したからテストが0点でもOK、とはならないはずだ。)

    また後述するが、練習ができるかどうかも、全く状況が異なる。プロ野球選手はそれが職業だから何らかの形で練習することができるだろうが、高校球児は練習をすることさえできない状況にある場合も多いと思われる。

    ただでさえ、甲子園での酷使と消耗が従前から激しく議論されていた。にもかかわらず、十分な練習が確保できないかもしれない今の状況で、大会の開催を求めるのは短絡的ではないだろうか。

    だから、「大人はよくて、子どもはダメ」というフレーズは、一見すると説得力がありそうだが、私には全くもってピンとこない。

  • 今現在の球児たちの状況について

    全都道府県で緊急事態宣言が解除されたのは5月25日である。緊急事態宣言下では、一般に、必要最低限以外の外出自粛が要請されていたため、どの学校も野球部の活動を行えていなかったはずだ。(集まって練習をしていた学校があったとしたら、それは問題だろうというのが、私の理解だ。)

    5月25日より後もどうかと言うと、第2波、第3波が想定されている状況で、ソーシャルディスタンスの考えが一般的になり、教室での座席間隔を考えて、分散での登校体制(生徒を2つに分けて、それぞれの登校日を分けるなど)になっているなど、学校によって対策を講じているはずだ。大部分がオンライン授業になっている学校もあるだろう。(もちろん地域によっても違うだろうが。)

    だから、目下の状況(緊急事態宣言なし)でも、少なくとも全体練習はできていないところが多いはずだ。この感染拡大の状況で積極的に全体練習をしようという学校があるとは考えにくいし、仮にすることがあっても平常時と比べて非常に限定的になるはずだ。

  • 甲子園大会を開催することにした場合

    日本一を決める大会だから、当然みんな練習に取り組みたいと思うハズだ。しかし、コロナを考えると、そんなことはとてもできない。こういうジレンマに高校球児たちを陥らせる可能性が非常に高い。

    だから、甲子園を開催するというのは、非常に無責任な判断だと思える。
    別の言い方をすると、「日本一を決める大会をやるから、コロナで大変だろうけど、練習頑張ってね!」という残酷な宣告にならないか?

    もちろんその他にも、地域間の大規模な移動が発生したり、球児に感染者が発生した場合の対応など、課題は山積みである。

 

以上が私の思っていることになる。

 

もちろん、「甲子園をなんとかして実現できないものか。」という考えそのものには賛同する。しかし、高校球児の負担や無理を強いることにならないかと、上述のように思いを巡らせれば、とてもではないが無責任に声に出せるものではない。

だから、「甲子園の代替となる全国大会を!」のように発言している人々に対しては、パフォーマンス的な発言であるように感じるし、あるいは、よほどの名案を持っているのだろうかと思うのだ。

現実的なところでは、都道府県や地方ごとの大会にするとか、そのエリア内の感染状況や各学校での練習状況等を適切に踏まえたうえで、コンパクトな形で実施することが落とし所ではないか。そのうえで、可能なら各大会の優勝校が参加する大会を秋頃に設けるとか、そういう進め方になるだろう。

あと、個人的に強く思っているのは、インターハイ(全国高等学校総合体育大会)の中止が決定した際は、ここまで反対的な声は多くは無かったように思う。インターハイでは、調べたところ30競技が開催されるはずだったとのことで、部員数を考えても甲子園よりも規模が大きく、影響が大きい話であるはずだ。

それなのに甲子園ばかり話題になるのは、それだけ人々の甲子園に対する認知や関心が高いということだと思うが、インターハイの中止には声を上げなかったのに、甲子園の中止には声を大にして反対を唱えるのは、矛盾しているというか、論理的考察に基づかない感情ベースでの議論になっていないだろうか?と感じる。

以上のような私が指摘した内容を踏まえ、責任ある議論が行われることが必要であるはずだ。

今の高校3年生は最後の高校生活になっているわけだし、この世代が活躍できる場を何らかの形で設けることは絶対に必要だと思う。先ほども述べたが、地域ごとの大会を地域の状況を踏まえて実施するなどして、過度の負担にならないような配慮の下、実現をしてもらいたい。

甲子園中止への反対意見について思うこと(2020年6月6日)」への24件のフィードバック

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