日本シリーズ第5戦感想(2023年11月2日)

昨日の試合感想で、「勝負事をナメてる。」と書いたが、今日も全く同様に思う。最後の終盤で逆転負けをくらうというショッキングな負けだが、何の不思議もない負けだ。

スコアはこちら。采配が普通なら、王手で京セラに戻れたのにね。

なんというか、感想を書く気が起きない。どこから指摘したらよいのか途方に暮れる。

●スタメン・ベンチ入りについて

杉本と颯一郎がベンチに入れたのはまずは朗報だったが、もちろん状態が気になった。で、私が「お、今日は勝てそうかな」と思ったのは山本のベンチ入りを見てだ。私は、第3戦の感想でも書いたとおり、第4戦から山本を中継ぎ起用すべきだと思っていたので、ようやく中継ぎで起用する気になったか、と安心したのだ。

ベンチ入りメンバーを見て嫌な予感になったのは、宇田川が入っていたこと。3連投になるのに、まさか投げさせることがありえるのか、と。ただ、それも山本がいればどうとでもなるので、あまり深刻に考えなかった。

西野がベンチ外だったことも意外だった。甲子園で守らせられないということだろうか。打つ方の調子は良いのに、非常にもったいない。

スタメンの杉本は、第1打席を見て愕然とした。いや、あのスイングでよくもスタメンで使えたものだ。左足の踏ん張りが全くないし、ただの上体でバットを振るだけの選手になっていた。高校生よりスイングスピードが遅い。あの足の状態ではレフトの守備も壊滅的であるし・・・。

●田嶋のピッチングは最高だった

いつもの、序盤さえ乗り切ればあとは中盤・終盤あたりまでスイスイの田嶋だった。真っ直ぐの勢い、キレ、コントロールが良く、変化球もキレがありよく使えていたので、ほとんど打たれる気がしなかった。

まず6回に打席が回りそうなところで「まさか代打を出さないよね」とヒヤヒヤしたものの、打席が回らず続投になり心底安心。7回を投げ終えて83球で、ベンチに帰った田嶋がコーチと握手しているのを見て、愕然。なぜ、自分からリスクを取りに行くのか全く理解できなかった。私には田嶋完投以外には全く見えなかった。中継ぎも酷使している中、こんな希望の光は他にはなかった。

それでも、山本→平野のリレーをするなら、まあ分からなくはないと思って見ていたが、出てきたのは颯一郎。この時点で、私はもう首を差し出した気分になった。

結局、颯一郎が第3戦と第4戦にベンチ外となった”コンディション不良”が具体的に何なのか分からないが、日本シリーズという大一番で投げられないのだから、明らかに状態が万全ではないということだ。その投手を、いきなり復帰登板で終盤の僅差の勝ちパターンで使うかね?そもそもCSの時から調子は良くなかった。(今日の田嶋と病み上がりの颯一郎を比較して、なぜ颯一郎になるのだろう?私だったら、8回表にチャンスで田嶋に打席が回っても、絶対に代えなかった。)

あまりに楽観的な博打采配だ。で、3連打で1点差に迫られて送りバントを経て1アウト2塁3塁の場面で投手交代をするわけだが、そこでも私の最後の希望が打ち砕かれた。なんとしてもゼロで抑えないと行けない場面で、絶対に山本しかありえないと思った。

そこで出てきたのは3連投になる宇田川。もう、めちゃくちゃです。前日の満塁策から、采配がただの博打になってしまった。考えることを投げ出して、無責任に、いる選手に負担やプレッシャーを押し付けているだけだ。

宇田川のボールは、全然来ていなかった。フォークの落ちも悪いし、まっすぐの勢いもない。私が宇田川の投球で見るのは、投げたあとの左足の突っ張りなのだが、もう全然だった。

それでも、状態が悪い中で腕をしっかり振る宇田川の投球は、打たれたものの私は今シーズンの誰のピッチングよりも感動した。場面的に、自分以外にまともに抑えられるピッチャーがいない状況で、疲労困憊の中、本当によく投げた。

あの場面をもし抑えたら宇田川がシリーズMVPかなと思ったが、こうして打たれてもやはりMVPだと思う。それくらい、チームのために力を振り絞ってくれた。

●7回表の中川のライトフライと8回裏の坂本のライトオーバー3塁打

外野前進の中で力ないライトフライを打った中川と、ある程度しっかり捉えて外野の頭を越した3ベースを打った坂本を比較して、私はポッキリ折れた。

(「また中川のことを悪く言って」と連日の私の感想を読んでいる方は思うかもしれないが、私は中川の状態や調子が悪いと言っているだけで、完全に起用する側の問題だと思っている。)

2アウト1塁2塁で外野前進で、なんとしても頭を越す打球を打ちたいところ、中川をそのまま打席に立たせたのが意味不明。普通にセデーニョ(かT)を出せばよいではないか、という。相手投手が石井で、もう私は涎を垂らしているくらいだった。

そういう采配のミスも、田嶋の好投ですべてかき消されるというシナリオを描くしかなかったのだけれどなあ・・・。

●唯一進歩した点

ようやくノイジーに対して、まともな配球をした。具体的に書くのは遠慮しておく。

●第6戦は山本と心中せよ

日本一になるには、もうひとつも負けが許されなくなった。つまり、連勝するしかない。

今日、山本がベンチ入りしていたものの投げなかったということは、第6戦に先発するのだろう。

宇田川を心身休ませたいし、第7戦で必勝を期すためにも、第6戦は山本に完投してもらいたい。もう次の登板機会のことは考えなくて良いわけだから、球数をいくら投げても気にする必要はない。

山本は、フォームを修正できるかが全て。なんとしても思い出せ。

●村上ともう1試合対戦するのか・・・

ここまで様々な阪神の投手と対戦したが、「これは難しい」と思ったのは村上だ。その投手から勝ちをもぎ取らないといけないのかと思うと、良くも悪くもアドレナリンが出るね。

●もう中嶋監督は采配するな!(特に投手継投)

第3戦で東をあまりに早く降板させ、さらに山岡を起用したために宇田川が登板かつ回またぎになり、第4戦も自分から接戦にしに行って宇田川を登板させて、第5戦では相手を寄せ付けていない田嶋を降板させてどうしようもなくなった場面で宇田川を登板させた。

あまりに悪手を続けて、自ら勝つ確率を下げに行って自滅している。見ていて納得できるわけがない。

エラーでもらった点もあり、神様に「勝てよ」と言ってもらえたようなものなのに、自ら死地に足を踏み入れている。日本シリーズという全野球ファンが注目する場面で、こんな采配を見せてしまったこと、恥ずかしくないかね。

日本シリーズ第5戦感想(2023年11月2日)」への1件のフィードバック

  1. あと2戦を勝つことだけ。ベンチが悪い采配が悪い中嶋が悪いはもうええねん。

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