無事に勝てた!本当に安心した。スコアはこちら。
スコアは5−1と4点差だったが、見た目以上に紙一重だったと思う。あと、今日の球審は今までのなかで、良くも悪くも、最もシーズン中に近かった。
●スタメン・ベンチ入りについて
主な注目ポイントとしては以下だろうか。
・山岡が第3戦以来のベンチ入り。
・前の試合で打たれた颯一郎と宇田川も無事にベンチ入り。
・杉本がスタメンレフト。
・中川が1番スタメン。
・紅林が今シリーズ初めて3番に。
・DHはセデーニョ。
●山本のピッチング
初回の球を見て、今日もキツイな、と思った。腕が振れてなく、前回同様に球に力が伝わっていない。カーブの投げ方などを見るに、前回よりもリラックスできてはいるが、まっすぐもシュート回転するし、なかなか打者を刺すタイミングにならない。ただ、フォークの球速が150近く出ていたのは良い兆候だと思った。
2回表にホームランで先制点を取られたところ、その流れで連打を浴びて1アウト1・3塁になったが、抑えきったのがまずは大きなポイントだった。8番木浪をインコースギリギリのまっすぐ(シュート回転)で見逃し三振。コース的に最高の球だった。その後、9番坂本に死球を与えた。だが、インコースに投げに行ったフォークがつま先に当たるのは投球としては悪くはない。満塁になって、近本にはしっかりまっすぐで押して、フォークで空振り三振。このフォークは本当に腕が振れていた。
次の3回表。2点取って逆転してすぐの回だ。先頭の中野にヒットを打たれた。先頭に出塁を許したことも当然嫌だが、それ以上にカットボールを打たれたので「しばらくカットボール使えないのだろうなあ」と嫌な予感を持った。次の3番森下は高低を使って勝負して、三振。その次の4番大山を三振に取るわけだが、大山への2球目に投げたまっすぐが、アウトコース低めに大きく外れた(左打者がいたら足元あたりに行く)ボールになった。玄人ぶるわけでは無いが、このボールを見て、今日の山本は行けると思った。最近の山本はなかなか”まっすぐ”が投げられていなかった。腕がコンパクトに使えず、シュート回転してしまっていた。それが、しっかり着地した足を踏ん張った上で、引っ掛け気味のキレイな球筋のまっすぐが行ったので、今までにない兆しを感じた。
次の4回はピンチを迎えた。全然まっすぐを使わずに、変化球をうまく打たれる結果が続いた。2アウト1・3塁で近本に初球投じたまっすぐを捉えられて大飛球になったが、森がフェンスに張り付いてジャンピングキャッチで取ったのを見た瞬間、どれだけ安堵したことか。
打たれた瞬間はホームランも当然のことながら覚悟した。あそこで長打になっていれば逆転されるし、山本も長いイニングを投げられもしなかっただろう。おそらく配色濃厚になっていた。本当に天国と地獄だ。このイニングでは、1アウト1・3塁で9番・坂本の場面での投球が良かった。当然スクイズ、セーフティースクイズなどがよぎるが、バントでもヒッティングでも前に飛ばしにくい球を投げていた。こういう場面で犠牲フライや内野ゴロでも1点を取られなかったのは非常に大きい。(結果は三振。)
その後の山本は基本スイスイと行った。とにかく、まっすぐが良かった。非常にバランスよく力強く投げられていたので、コントロールよく若月の構えにビシビシ決まっていた。良い投げ方をすると、やはりフォークもキレイに落ちる。ひとつ良かった点をここでも挙げておくと、5回あたりからスライダーを時折使っていた。基本、右打者に使うボールなので見る頻度はそこまで高くなかったが、ちゃんと使っていた。スライダーは投げ方的に、体の開きを抑えてくれると思うので、その意味でも良いボールだと思う。
とはいえ、7回はピンチを迎えた。2アウトから、決め球のフォークが上ずり、なかなかアウトが取れなかった。なんとか森下から3アウト目(高めのまっすぐを打たせてのポップフライ)を取ったが、この時点で球数は109球。シーズン中だったら、交代になる球数だろう。
私は、第5戦の感想で山本の完封しかない(心中せよ)と書いていたが、8回以降も続投させるかはフォークの上ずり(とシュート回転)を見ると少し迷う部分もあったと思う。だが、中盤にいい感じのフォームで投げられていたし、真っ直ぐがある程度強く投げられるから、今日の山本なら修正してくれる可能性のほうが高いだろうと思った。また、3点差あったので、もし山本がピンチを作ったとしても、そこからの交代でも間に合うと思った。(また、宇田川を使うことになるが、どうせ変えるなら宇田川しかない。)
8回・9回はある程度修正の利いたボールが投げられていた。日本シリーズ新記録となる14三振は本当に見事!(シーズン中でも、このくらいの球数を放っていたら、1試合でこれくらいの三振を取る試合はもっとあったと思う。)
これで、山本の(日本での)ピッチングは見納めだろうと言われている。最後に勝てて良かったし、ありがとう!
最後だから書くが、カーブを投げるときにグラブを上げるクセは直そう。(一応、私なりのエールということで。)
●中川は復調したと見てよい
2安打に良い当たりの犠牲フライがあったが、本来の打撃にかなり戻ったと見てよい。アウトコースの真っ直ぐを1塁スタンドに強くファールを打てて、インコースのボールに対してしっかり回れる中川はあまり心配いらない。明日も1番スタメンで良い。この復調は非常に大きい。
このあたりの起用が良かったのが、今日の勝因だろう。
●杉本の交代タイミング
第5戦と比べると、だいぶ力強く振れていた。左足の踏ん張りもあった。レフト守備にもついていたが、4回裏の出塁で代走が出た。やはり痛いのだろうなあ。セデーニョの打撃内容が良くなかったので、明日はDH杉本を推したい。(DHでなんとかフル出場してもらえたら・・・。)
●紅林3番と全体の打順
ようやく紅林の打順が上がった。これなら、2番の宗にバントをさせるのも納得できる。
1本塁打に3四球と完璧な活躍だ。まるで正尚だ。(これまでの試合で紅林を下位に置いてバントさせていたこと、改めて勿体ない。)
その裏で、森の打撃が良くない。第3戦あたりから、どうにもタイミングが合わないスイングが目立つ。慣れないライトを守っていることが多いのも影響しているかもしれない。
明日、森のスタメンをいじるという選択肢があるだろうか・・・?
結論としては、ないだろう。宮城が先発だから、第2戦同様に森がスタメン捕手になる。森にバントをさせることは、もっと真剣に考えても良いだろう。
●村上を打った
前回のピッチングは、「ここまでコントロールが良い投手はそうお目にかかれない」と感じるくらいの内容だったが、今日は打線のアプローチが良かったように思う。前回登板も、変化球の精度はメチャクチャ良いわけではなかったが、まっすぐがとにかく四隅(特にアウトロー)に決まっていた。
前回登板と調子自体はそこまで変わらないように思ったが、特にひと回り目の対戦でアウトコースの真っ直ぐを狙ったのではないかと思った。その分、それ以後は外のまっすぐで簡単にカウントを取りにくくして、楽にピッチングさせなかったのではないかと思う。
●明日に向けて
まずは、引き分けもありえるものの、基本は第7戦に総力戦で行くべき、というのが大方針だろう。
先発は宮城だが、宮城だからといって長いイニングを投げなければいけない訳でもない。ただ、実質的に信頼して送り出せる投手が、小木田、宇田川、平野の3人しかいないことは考えなければならない。
第3戦(火曜日)に先発した東を中4日でブルペン待機させるかどうかは、悩ましいところもあるが、私は「待機させるべき」と思う。その理由をまとめると、
・打線がある程度状態がいい。
・阪神が青柳先発ということで、長いイニングを投げられる見込みは大きくはない。
・最後の最後だから、展開によらずどんどん良い投手が出てくる。
・以上から、延長になった場合には、点を取れる可能性が十分にある。
・よって、第8戦の先発の芽を無くしてでも、東をブルペンに入れたほうが良い。(前回は81球しか投げていないし。)
という感じだ。また、延長も含めて点が取れるよう、主力の途中交代はしない方が良い。
ということで、私のスタメン案は以下のとおり。福田の打撃が良かったのが、非常にグッドニュース。
1.中川 センター
2.宗 サード
3.紅林 ショート
4.頓宮 ファースト
5.森 キャッチャー
6.杉本 DH
7.ゴンザレス セカンド
8.野口 ライト
9.福田 レフト
セカンドは西野・安達とも一応は迷うが、シリーズの流れを考えるとマーゴ以外にないだろう。長打もある。
外野(両翼)が一番悩ましいのだが、先発青柳ということを考えて、左打者優先にした。廣岡を代打に取っておきたいのもある。
山本由伸、感動ですね。明日あとひとつ。ともに頑張りましょう。