日本シリーズ第3戦感想(2023年10月31日)

何とか勝てて良かったのだが、宇田川と平野に勝たせてもらった試合であり、ベンチワークは最悪。大いに反省すべき。本来はすんなり快勝と行きたかったが、無駄に投手も使ったし、明日の試合に宇田川と平野が使いにくい。確かに1勝は取ったが、「1勝0.4敗」くらいの重みがある。

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●スタメン・ベンチ入りについて

頓宮がファーストスタメンだったのは超朗報。ただ、ファーストが埋まったところで、中川(センター)がスタメンだったのは、非常に意外だった。相手が左投手先発だったこともあったかもしれないが、私だったら野口を起用した。

安達がベンチ入りしたのも朗報だが、スタメンで無かったところを見るとやはり万全ではないのか。

颯一郎がベンチ外だったのは、非常にショック。試合前練習ではマウンドを確かめていたそうだし、アクシデント以外に考えられない。

●審判について

ここまで3戦やって、どの球審もストライクゾーンが狭い。狭いといっても、ありえないくらい狭いのではなく、ルールの基準であり、私個人的には本来的にはこれくらいで良いと思っているくらいだ。

それでも、ここでまず言いたいのは、「シーズン中と違いすぎるぞ」ということ。おそらくは、阪神もオリックスも投手が良いから、シーズン中のように広めにとったら点が入らないのでは、などという判断が働いているのではないだろうか。

次に言いたいのは、「カウントや状況によってジャッジがぶれるな」ということ。基本狭いのに、突然広くなる。捕手のフレーミング云々の範囲を超えている。日本シリーズの舞台で、もう少し信念を持ってやってほしい。私の言い方としては、「ここまでの3試合で、本当のプロの球審は今のところいない。」

●東のピッチングについて

まっすぐが好調時のものではなかったが、全体的に良かった。特に、ツーシームが良かったのかな。ただ、スライダー(120キロ台の球)をあまり使えていなかったし、全体的に配球が単調。

右バッターのインコースをあまり使えていなかったし、ちょっと第1戦から若月のリードが良くない。結果論ではなく、良くない。同じボールを続ける割合も高いように見える。「同じボールが続く可能性が高い」という情報があるだけで、それを待たれて痛い目に合う確率が高まる。

東のピッチングに話を戻すと、もうちょっとまっすぐを軸にして球威で押しつつ、色々な変化球を使って的を絞らせない投球の方が良かったと思う。(・・・配球の話になってしまった。)

●投手継投について

今日の試合で一番不満なのが、投手継投。まず、5回81球の東を代打のタイミングでもなくただ降板させたのは、完全に理解できない。球威が落ちていたようにも見えないし、何より颯一郎がベンチ外なので、東には6回を(できれば7回も)投げてもらいたいところ。

まず小木田というカードを切り、7回に山岡にスイッチ。山岡を使うことになる時点で、大悪手。第1戦のピッチングを見て、どうして勝ちゲームの大事なところで、今の山岡を使おうという発想になるのか。

その山岡を点を3点取られるまで代えなかった。私だったらランナーを3人も出したところで交代する。

山岡に変えて宇田川を出したが、打順を入れ替えずに次の回にチャンスで回って来るかもしれないところに入れたのも、意味不明。

●4回:頓宮のホームラン

ここからは、点を取ったシーンについて触れていこう。

1打席目も良い感じで捉えていたので、期待が大きい打席だった。2ボールから、ツーシーム?フォーク?を2球続けてまっすぐのタイミングで空振りした後、その直後に来たまっすぐを完璧に捉えた。

2アウトだったので、ホームランを狙う場面で、よく狙いを貫けた。ホームランを打ってほしい場面なので、そのチャンスを捨てなかった点でも納得。

●5回の3点

先頭の紅林が追い込まれてからの外に逃げるボールに食らいついてライト前。今年の紅林はこれができるようになって、一気に信頼度が高まっている。(ちなみに、紅林が6番起用だったのも私には謎。)

次の若月が2ボールになったところでエンドランを仕掛けて成功し、0アウト1塁3塁になった。若月の打球を見た瞬間、私はゲッツーだと思ったが、セカンドの横を抜けてセンター前に抜けていったのは運が良いと思った。本当は、ライト方向に打ってほしい(打たなければいけない)ところだ。

次の廣岡の打席が、試合の分かれ目のひとつだったと思う。内野が下がって1点OKの陣形をとるのだが、ここでショート正面のゴロとなった。これも打球を見た瞬間、ゲッツーだと思ったが、1塁がセーフになった。ここでゲッツーとならなかったのは、率直に言って非常に助かった。(廣岡のランも良かったのだが、ちょっと守備的にもどうだったのかな、と思った。)

おかげで、次の9番の東にバントでランナーを進めるという役割が生じた。実際にバントを試みてこれもゲッツーになるようなバントだったが、投手(伊藤)の悪送球でアウトを取られなかった。

次の中川は凡退。(なにも不思議のない結果。)

2アウトになって、宗の打席が良かった。2球で追い込まれて、ちょっと期待薄の雰囲気が漂ったところをよく粘った。で、この打席については私はかなり期待していた。前回の試合の感想で、「手の動きが無くてちょっと良くない」ということを書いていて、今日の試合も割とそうだったのだが、粘るにつれて手の動きが出てきた。だから、甘いボールを捉えたのは全くの不思議ではなかった。

●6回の攻撃

頓宮が綺麗に捉えてのレフト前、マーゴが四球。マーゴは第2戦での代打走者一掃2ベースもあったし、なんともつかみどころがなく阪神バッテリーも少し攻めづらそうにしている。

で、そのあとの紅林に送りバントさせるのは、私は好きではない。打線の中でもかなり期待値の高い打者にバントをさせるかね?ということ。

結果としては、無事に犠牲フライで1点を取れたのだが、そこまでしてランナーが3塁にいる状態にしたかったのなら、実際に点が取れなくてもいいから、セーフティースクイズの構えをするとか、バッテリーを揺さぶって嫌なイメージを植え付けておきたかった。

●7回の攻撃

この攻撃では点が入らなかったが、7回の攻防がゲームの流れを大きく変えた。しっかり振り返りたい。

まず、先頭のセデーニョが3塁線のサードゴロをファールとセルフジャッジして走らず。これは罰金モノ。日本シリーズという最後の最後で、ワンプレーの重みが今までと比べ物にならない中で、よくあんなプレーをしたものだ。明日、ベンチ外でも何の不思議もない。(私が監督だったら、明日の試合前練習で気が緩んでいるような仕草があったら、問答無用でベンチ外にする。)

その後、中川が入って来るボールを綺麗に捉えてのクリーンヒットを打った(あのボールは打てる)ものの、次の宗がバント。ここでのバントはサインだったのか宗の判断だったのかは知る由もないが、悪手だと思う。宗のバッティングを考えたときに、それでバントして2アウト2塁を作ってもね・・・という。

阪神のその場面からの守備は印象的だった。森を敬遠するのではなく勝負に行った。そして、しっかり外野前進の中で内野の間を抜けてのシングルヒットに留めて、ランナーのホーム突入を阻止した。強いチームだと思った。

●9回の平野のピッチング

先頭打者を四球で出したのは明らかに良くない(平野でもこういうことがあるのか)が、その後は流石だった。0アウト1塁で、近本を3-1から抑えたのが非常に大きかった。(進塁打となったが、ここでアウトを取ったのが大きい。)

で、次の1アウト2塁の中野の打席の配球はすごかった。1ボールからインコースにまっすぐを3球続けるとは。完全に裏をかいた。完全に若月の配球の勝利。

その後、森下を四球で歩かせたのはもったいないような気もしたが、甘いボールを投げるくらいなら、という平野のピッチングなので納得。

●明日に向けて

頓宮には引き続きファーストスタメンで頑張ってもらいたい。中盤で代走が出たのも、明日のためだろう。

中川のスタメンは、私は反対(少なくとも、上位打線でなく下位打線にすべきと思う)。色々考えると、スタメン野口の方が良いかなと思う。守備を考えて、渡部もアリ。

レフトはこのシリーズは廣岡で固定で良いと思う。レフト守備も良いし、しっかり振れている。あと、これはチームの話だが、ポジショニングも良かった。

悩ましいのがセカンドだが、やはり私は攻守に安達を推す。

投手起用が、明日は特に難しい。宇田川・平野のベンチ入りの是非から始まり、颯一郎が復帰できるかどうかも重要だ。

勝ち筋としては、福也が7回くらい投げ切って、8回・9回をいるピッチャーで何とかする、という形だ。打線が爆発して大差がつけば一番良いが・・・。

小木田、比嘉、山田、ワゲスパックがどういうピッチングをするかが重要になってくるし、勝ちパターンで阿部を起用することにもなるだろう。また、負けゲームになれば、曽谷や齋藤響介にも投げてもらうことになるだろう。

もし私が監督だったら、なのだが、山本を中3日で中継ぎ(か抑え)で起用する。先発として長いイニングを投げることは、かなり期待しづらいので。何より、腕を強く振ることを思い出してもらいたいので。

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