2022シーズンの布陣・補強を考える(2021年12月6日)

日本一になれなかったのは残念だが、意外と気持ちの切り替えはすんなりできた。

もうキャンプインまで3ヶ月もないので、来年も優勝できるように、「どういう布陣を目指し、どう補強をすべきか」を考えていきたい。

0.大方針

 基本的なコンセプトとしては、「2021は投手に助けられる試合が多かったので、2022はしっかり打ち勝つ試合を増やしたい」ということにつきる。

 山本の負担を可能な限り減らしたいと心から思うし、仮に山本が離脱したとしても、ある程度QS(6回3失点)は期待できる投手陣なので、そういう試合で打ち勝てる確率を高めたい。(田嶋や福也がしっかり2桁勝てるチームを作りたい。)

1.野手について

  • キャッチャー
     2021シーズン序盤は頓宮が中心だったが、捕手としての能力が全体的に低く、伏見と若月が中心となった。守備面ではこの2人は基本的に問題はなく、打撃も壊滅しない程度に打ってくれたので、そこまで不満のないレベルではあった(伏見 OPS .592、若月 OPS .666)。

     補強についてだが、ナシで良いだろう。実は私は、FAとなっている阪神・梅野は非常に魅力的だと思っている。あまりセ・リーグのことは明るくないものの、セ・リーグで一番の捕手ではないかな、と常々思って見てきた。日本シリーズでも捕手の差は絶対にあったと感じたし、そもそもシーズン中も疑問に感じるインサイドワークも多かったので、本音は梅野を獲得したいが、ドラフト3位でも大卒の福永くんを取ったし、見送りとすべきだろう。(福永くんは、それなりに1年目から試合に出ると思う。)

    →補強見送り。

  • ファースト
     補強マストなポジションだと思う。まず、モヤは構想外で全く問題なし。現状では、ラベロとTが候補になるが、ラベロは未だに未知数だ。ハマってもOPS .850くらいかな・・・と思う。Tもシーズンフルで活躍してくれるという安心感は全くないし、最大出力もあまり期待できない。頓宮も、流石に本人も納得してのファースト転向になると思うが、どれほどできるか。(しかし、頓宮の日本シリーズでの打席の内容は、悪い意味で今でも忘れられない。)

     新外国人+{ラベロ、Tのどちらか}の2名で、ファーストとDHをしっかり埋めたいところだ。

    →要補強。

  • セカンド
     何もしなければ安達がレギュラー筆頭ということになるが、病気のこともあるし、紅林ショートのバックアップとして安達のショート起用が必要になる可能性もある。そう考えると、セカンドは太田や宜保にも期待したくなるところではある。太田は、過去2年シーズン終盤には良いバッティングを披露してくれるのだが、今シーズンの開幕当初(とオープン戦)の期待外れさは凄かった。

     福田のセカンド復帰も選択肢としてはあり得ると思うが、セカンドの守備もレベルが高かったわけでは全くない。せっかくセンターになったのだから、私は福田はセンター固定で推したい。また、大城にも期待したくなるが、開幕までに万全の状態で復帰できるとは限らない。

    →何かしら補強したいところ。

  • ショート
     紅林が筆頭候補になる。守備の安定感が大きく増したので、あまり打てなくてもある程度は我慢することができるだろう。打つ方でも、壊滅的なことにはならないと思われるので、基本は紅林を当てにして良いと思うが、怪我だけは予想できない。紅林が離脱したときに、安達がショートになることも考えなければいけない。

    →ショート自体の補強は不要。

  • サード
     基本はゴールデングラブも獲得した宗を信頼してよい。ただ、宗は怪我も多かった選手だし、シーズン中は打撃の波もあった。宗をただ信頼するだけではいけないと思われる。

    →できれば、何かしら補強したいところ。

  • レフト
     吉田がいるが、吉田が離脱したときの代わりがいないという問題はどうすべきだろうか。現状は来田が候補になるが、高卒2年目でまだまだ2軍でしっかり伸ばしたいところではないだろうか(特に守備)。ラベロにも打つ方に集中してもらいたいので、ファースト(DH)に固定したいところだが、ファーストの外国人選手が取れたら、レフトも守ってもらうことになるだろう。

    →吉田を信じるだけだが、ラベロもいるので比較的安心。

  • センター
     福田が基本となる。守備はドラフト4位の渡部くんが(駿太と並んで)入団即チーム1のセンター守備になるだろう。彼を1軍の守備固めで起用したくはなるが、打つ方を伸ばすために2軍で頑張ってもらうべきだろう。(駿太が残留するかどうかにもよるが。)

     ただし、前々から言っているが、福田が1年間安定して活躍してくれることを期待するのは過大だ。

    →できれば補強したい。

  • ライト
     杉本しかいない。杉本が離脱した場合の代わりはいない。

    →杉本を信じるだけ。

  • 野手総論
     FAで獲得したい日本人選手はいない。西川はセンターを守れるなら非常に魅力的だが、おそらく厳しいだろう。

     現在、バレラを獲得調査中という報道があるが、私はドンピシャだと思う。これまでの経歴を見ると、セカンドが中心で、サードも遜色なく守れるようだ。基本はセカンドで起用しつつ、宗に何かあったときにはサードも守れるという、内野の層を一気に底上げしてくれる存在になると思う。決して強打者タイプではないが、ボール球スイング率の低さや、P/PA(1打席当たりの投球数)の高さを見ても、オリックス打線の中で貴重な存在になると思う。メジャー経験もかなりある選手で、年齢はまだ30歳。全力で獲得してほしい。

     バレラに加えて、ファーストを守れる打力の高い選手を1名獲得したい。打線だけを考えれば本当はもう1名獲得したいところだが、打線が外国人ばかりになってしまうのは中長期的によろしくないので、バレラ+新外国人+ラベロで我慢すべきだろう。

     あとは、代打要員でAJが格安で残ってくれるのなら、ぜひ残ってほしいのだけれどなあ・・・。

2.投手について

  • 先発投手陣
     2021シーズンに引き続き、山本・宮城・田嶋・山岡・福也・颯一朗の6枚で回すことになるだろう。ただ、彼らに続く先発投手がちょっと見えない。竹安くらいだろうか。増井はちょっと、しんどいのかなというのが率直なところ。あとは、本田にも期待したいのだがなあ。

     一番の懸念は、オリンピックにポストシーズンに投げまくった山本が来年も活躍できるのか?という点だ。こればかりは分からない。少なくとも、ある程度パフォーマンスが落ちることは覚悟しなくてはならない。(というより私は、ある程度打たれてもいいので球数が少ないピッチングを山本には1年継続してもらいたい。)

     宮城も、まだ複数年活躍したことがなく、どれだけパフォーマンスを維持できるか全く不透明。そう考えると、先発陣も決して盤石ではない。本音を言えば、1人くらい外国人の先発投手がローテに入ってくれると安心感が違うが、中長期的なチーム作りを考えても、外国人投手は中継ぎに回したい。

    →補強なし。

  • 中継ぎ投手
     2021シーズンは”圧倒的な中継ぎ投手”が最後まで居なかった。シーズン終盤のヒギンスと平野の安定感は凄かったが、シーズンを通して見れば、全体的に中継ぎ陣には常に不安を抱えていた。シーズン序盤には抑え不在の時期もあった。また、平野が来年はどうなるかわからない(年齢的にも)。

     ドラフト1位の椋木くんにも期待はかかるが、ルーキーに過度な期待は禁物だろう。ということで、接戦(勝ちパターン)で投げられる外国人投手が2名欲しいところだ。

     個人的には、ヒギンスは残留で、もう2枚中継ぎ投手を補強できればそれで良いと思う。(ヒギンスが退団濃厚というのは、本当にそうなのだろうか・・・)

    →FAの又吉を全力で獲得。さらに、接戦で投げられる中継ぎ外国人投手を1名。

3.総括

 外国人は、ラベロ、バレラ、新外国人野手(ファースト)、ヒギンス、新外国人投手(中継ぎ)、バルガスの6名体制が良いと思う。枠次第だが、中継ぎ投手については又吉の獲得次第で、もう1枚外国人を増やしても良いと思う。

 ただ、来年も延長なしのルールになるのかどうかや、外国人枠5名になるのかが全くわからないので、なんとも考えにくいところがある・・・。はっきり言えるのは、お茶を濁す補強ではなく、確実に期待ができる選手を獲得するのが大事だということ。シーズン中の獲得もありえるわけだし、じっくり構えてほしい。

 FAは又吉に全力で行ってほしい。中継ぎ投手はいくら居ても良い。

 で、こういう補強をすると以下のような陣容になる。

1.バレラ(セカンド)
2.宗(サード)
3.吉田(レフト)
4.杉本(ライト)
5.新外国人(DH)
6.ラベロ(ファースト)
7.福田(センター)
8.紅林(ショート)
9.伏見・若月など(キャッチャー)

先発: 山本、宮城、田嶋、山岡、福也、颯一朗

中継ぎ: 平野、又吉新外国人投手、ヒギンス、富山、吉田凌、山田

  • バレラのサード、ラベロのレフトの起用も視野に入れれば、宗や吉田のDHでの起用(もしくは休養)や、安達や太田の起用も可能になる。センターのバックアップがないのが気がかりだが、そこだけは割り切りになる。(センターで打力の高い選手の補強は難しいと思ったこともある。)

  • 緑色にしたのが新戦力の選手だが、彼らが期待値通りの活躍をしてくれれば相当に良い線だろうと思われる。

  • 先発投手陣は山本次第なので不安。椋木くんの先発起用もありえるかもしれない。

  • 全体的に補強を頑張るという案だが、1軍の選手層が厚くなることで、2軍の選手層もまともにしたいという狙いもある。くどいが、中途半端な選手ではなく、確実に戦力になる新戦力を獲得したい。

  • 個人的には、ここまで報道に出た外国人投手の中ではワゲスパックが一番良いと思うが、先発なのと、圧倒的な決め球が無いので球数がかさむタイプで、見送り案件と思った。(三振は多いが、粘られて三振でしか取れないアウトが増えているという見方。)真っ直ぐのスピードがもっとあると良いのだけれど。

 

2022シーズンの布陣・補強を考える(2021年12月6日)」への1件のフィードバック

  1. 分析ありがとうございます。
    改めて見ると補強ポイントだらけですね・・・。
    大城が復活してくれればショートサードの心配がかなり減るのですが。
    外国人がキーを握る展開になりそうですね・・・

    特に他チームは外国人次第でがらっと戦力が変わりそうなので、しっかり補強してほしいです。
    正直、10月のロッテとオリックスの試合のスタメンで、両軍の6番打者以降は
    とても優勝争いチーム同士の試合に見えないほど悲しいスタメンになっていた印象です。

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