優勝の余韻に浸りすぎて(と言うより忙殺モードに入ってしまい)投稿が遅れてしまったが、本当に優勝おめでとう!!最後はロッテの結果待ちになったので、少し直後は実感が湧かない部分もあったが、たしかにオリックスは優勝を勝ち取った。
1年を振り返ったときに、十分優勝に値するチームだと胸を張って言える。我々がリーグチャンピオンであると、自信を持って言える。
最後は本当に僅かな差ではあったが「微差は大差」というのはひとつの真理ではあるように思う。あとは、吉田の死球のことがあったので、その意味で無事に優勝できて良かったなぁ・・・という思いが結構強い。(もし優勝できていなかったら、いつまでも複雑な気持ちが捨てられなかったと思う。)
さて、オリックスの最終戦を25日に終えた後、「果報は寝て待て」とか「泰然自若で待つ」のスタンスだと直前の投稿で述べていたが、正直ロッテと楽天の試合は中継をガッツリ見ていた。気になってしまって、居ても立っても居られなかったし、何より優勝が決定する瞬間を見届けたかった。(小深田が8回に勝ち越しタイムリーを打ったときは、興奮のツイートをしてしまった。)
ということで、無事にリーグ優勝ができた今、①優勝の要因、②今シーズンの振り返り、③ポストシーズンの戦略、の3点について語っていきたいと思う。(超長文になる予感)
間違いなく、ここからが本番だ!
■①優勝の要因(何が良かったか)
1.2014年以降のドラフトから多くの主力が生まれた。
2014年シーズンの主力が殆ど残っていないことが、2015年以降の低迷の原因のひとつであると再三指摘してきた。その代わり今、2014年からのドラフトで獲得した選手がしっかりと主力になり、今回の優勝の原動力になった。大体、以下のような感じだろうか。
- 2014年ドラフト:山﨑福也(1位)、宗(2位)
- 2015年ドラフト:吉田正尚(1位)、吉田凌(5位)、杉本(10位)
- 2016年ドラフト:山岡(1位)、山本(4位)、山﨑颯一朗(7位)
- 2017年ドラフト:田嶋(1位)、K-鈴木(2位)、福田(3位)
- 2018年ドラフト:富山(4位)、漆原(育成1位)
- 2019年ドラフト:宮城(1位)、紅林(2位)
その間のドラフト戦略を支えた、福良監督・GM、スカウトチームの功績がまず大きいと言える。
そして、その選手たちをしっかり育成することができたのも、勿論欠かすことができない要素だ。また、高卒、大卒、社会人とバランス良く指名している。ファンとしてもずっと感じているが、目先の勝利だけでなく育成ありきのチーム方針であったことがしっかりと現在の選手層に繋がった。即戦力(仮)ばかり指名していた頃の幼いチームから脱却することができた。その戦略が、我々ファンの夢を叶えてくれた。
そうそう、2017年から舞洲に2軍本拠地等を移転できたことも無視できない。
2.吉田の前後の打順を固めることができた。
3番吉田だけの打線ではなく、1番福田、2番宗、4番杉本と、吉田の前後をしっかり固めることができた。特に、後述するが1番、2番が固まり機能し始めた交流戦頃から、一気にチームが上昇した。1番と2番は永年の課題だった打順だったが、今年に関しては(シーズン終盤はしんどかったものの)不満のないレベルだった。
3.山本の存在が語り尽くせないほど大きい
中継ぎ投手の3日間の3連投が無いまま、シーズンを終えることができた。また、中継ぎ投手だけでなく先発投手も適宜抹消するなどして、リフレッシュを図ることができていた。特に福良政権で酷使を散々見てきたので、その投手運用は我々ファンがずっと望んできたものだった。
だが、それもまずは山本がいたからだ。山本が常に長いイニングを投げ、安定してローテーションを回ってくれたからこそ、これほど余裕を持つことができた。ダルビッシュ、田中以来のスーパーエースだと思う。傑出度で言えば、数十年にひとりのクラスではないだろうか!
また、宮城と田嶋が規定投球回にしっかり到達したことも、見逃すことはできない。5連敗以上の連敗をしなかったことも、主要先発陣の存在が非常に大きい。
こう考えると、2014年前後も金子と西とディクソンを中心に、投手陣を安定させることは十分にできたはずなのになぁ・・・と思う。
4.概ね、様々な選手を起用できた
シーズン序盤は太田、佐野、紅林に固執する場面が目立ったものの、それ以外では投手陣・野手陣と万遍なく起用することができ、調子の良い選手を起用することが概ねできたと思う。
また、外国人選手が計算通りに行かなかった(ディクソンとロメロ退団、ラベロ骨折)中で、残りの選手全員で勝つ!が実践できた。
■②今シーズンの振り返り
○3〜4月:苦しいなかで踏みとどまれた
開幕スタメンは、佐野・太田・吉田・モヤ・ジョーンズ・杉本・頓宮・宗・紅林だった。まあ今から見ても、なかなかにしんどい印象がある。そして、4月いっぱいくらいは、一部のメンバーに固執する起用が目立ったと思う。(佐野・太田・紅林など)
非常にストレスのたまる試合が多かったとは思うが、その中でも4月終了時で借金2の5位と、踏みとどまっていた。この要因は、中継ぎ陣が非常に不安定な中、山本・宮城に加え、山岡、田嶋、山﨑福也、増井のローテーションが概ね安定していたことが大きいと思う。
○5月:徐々に打線が固まってきた
5月中旬まで太田の起用が続き、また山本が3連敗するなどもあり、非常に苦しい戦いが続いた。ただその中で、佐野・頓宮のスタメンが減り、センター福田が固まってきた。紅林は、一定の”中身”を見せてくれてはいたが、成績が残らない中で本当に毎日よく食らいついていたと思う。
5月終了時は借金4の5位で、まだ踏みとどまっている状況だった。宮城が確実に勝ってくれたのがやはり貴重だった。
○6月:一気に首位へ!(11連勝)
6月は飛躍の月になった。交流戦初カードのDeNA戦こそ負け越したものの、その後の5カードは負け越しなく、交流戦は12勝5敗1分の成績で当然ながら優勝した。
そのままの勢いでリーグ戦再開直後もパ・リーグ相手に5連勝し、なんと最終的には11連勝になった!
6月20日には首位になり、他のパ・リーグのチームが交流戦で勝ち星を伸ばし悩んでいたので、一気にゲーム差を縮めることができた交流戦の戦いぶりが大きかった。
特に6月で印象に残っている試合は、交流戦の最終ゲームとなった広島戦。終盤に中継ぎが崩れて同点に追いつかれるという非常にまずい展開だったが、栗林を攻めてサヨナラ勝ちすることができた。結局、今シーズンの栗林はこの1敗のみだったのかな。前日に交流戦優勝を決めた勢いを感じることができたし、リーグ戦再開後も行けるだろう!という自信が湧いてきた。このサヨナラ打を打ったTはキーマンのひとりだったように思う。
○7月:前半戦最後は息切れ
前半戦の終了間際は、非常にしんどかった。前半戦最後の8戦は、2勝5敗1分と完全に勢いが死んでいた。平野、漆原、ヒギンス、張、澤田と炎上が止まらず、とにかく勝てる試合が勝てなかった。さらに、前半戦の最終戦は吉田がスタメンを外れ、暗雲が立ち込めた。(後に、オリンピックで活躍を見せてくれたため一安心はしたが、それでもどこか状態が悪いことは容易に感じ取ることができた。)
このオリンピック期間がなければ、中継ぎを立て直すことができず、優勝できなかったかもしれないとも思う。だが、夏場でどのチームにも投手陣のへばりはあったと思う。
○8〜9月:引き続き、しんどかった
8月13日からの後半戦開幕に向けて、スパークマンとラベロの獲得があり、優勝に向けて勢いがつくはずであった。しかし、ラベロが2軍の試合で死球骨折、スパークマンはイマイチ・・・。(より正確に言うと、スパークマンは調整期間の投球は良かったが、公式戦では期待通りに行かなかった。)しかも山岡の復帰は当面見込めず、先発不足が顕著に懸念された。
8月21日にはバルガスの獲得も発表され、BCリーグからの獲得だったのですぐに登録になったが、すぐに脇腹の故障で離脱した。(起用方法が雑であったと思う。)
結局先発は、山本が大車輪の活躍をし、田嶋と山﨑福也が概ね安定、宮城が休みつつもローテを守り(好投もかなり多かった)、山﨑颯一朗が2回に1回は好投(試合を作る)、竹安も谷間としては十分な投球をしてくれたことで、何とかほぼ6人で回すことができた。
中継ぎも、吉田凌、海田、比嘉の合流により、厚みが非常に増した。
しかし、野手で離脱者が相次いだ。8月23日のT(死球が原因)、9月5日の吉田(走塁での太ももの負傷)、9月7日のAJの帰国(親族の不幸)という主力級の離脱が重なった。
ただし、吉田が離脱していた9月5日〜25日を、17試合中7勝9敗1分でなんとか耐えることができたのが非常に大きかった。紅林の覚醒?もあり、福田・宗・紅林・杉本・Tの5人で何とか点を取ることができたので、最低限の得点能力を維持することができた。
この踏ん張りのおかげで、何とか首位のロッテに3ゲーム差をキープし、吉田が復帰した状態で9月28日からの直接対決3連戦を迎えることができた。(この3連戦を、3連勝か2勝1分で終えることができれば行けるだろうと思っていたが、結果は御存知の通り逆転3ラン×3で最高の3連勝!)
○10月:全体的に投手力で乗り切った
ロッテに3連勝した勢いそのままに、10月1日のソフトバンク戦に勝ち、久々の単独首位に躍り出た。翌10月2日の試合も、先発・山本でしかも序盤から打線が爆発し、このまま10月残り試合を独走できるという手応えを正に実感し、胴上げはいつだろうとワクワクしていたところだった。まさかの死球で吉田の表情が歪み、途中交代となった。中嶋監督の反応を見ても、最悪の事態の可能性で、頭の中がいっぱいになった。
案の定、骨折のニュースが翌朝には見出しになっていた。つかの間の楽勝モードは一気に吹き飛び、「これは真剣にやらないと。」と一気に舵取りの難しい残りシーズンになったとひしひしと感じた。10月10日には、同じソフトバンクから今度は紅林が死球をくらい、当たり方的にも骨折が疑われた。(吉田のときよりモロに当たったように見えた。)しかし、特に骨に異常はなく、1試合休んだだけで復帰した紅林はある意味MVPとも言える。どれだけ怪我に強いのか・・・。
そんな中でチームとしての戦い方が定まらない中、10月12日からのロッテとの最終直接対決に山本をぶつけなかった結果、0勝2敗1分に終わり、2.5ゲーム差が一気に0.5ゲーム差に縮まった。残り試合はロッテが3試合も多く残していたため、ロッテにマジックが点灯する最悪の結果になったが、まだ諦めるポイントでは全く無かった。(が、山本をぶつけるべきだったと強く思われたし、同時に吉田への死球さえ無ければそんなことを考える必要すら無かったのに・・・とつくづく感じたことを思い出す。)
しかしそれでも、吉田が離脱してからの10月3日から10月25日までの16試合で、8勝6敗2分とむしろ勝ち越すことができた。その16試合の平均得点は3.25点と打線を見ると苦しかったが、先発投手が試合を作ってくれたことと、中継ぎ陣(特にヒギンス、平野)の好調が大きな要因だったと思う。もちろん、誰かしら調子の良い打者が打線の中にいて、しっかりと仕事をしてくれたこと、そしてその選手を起用できたことが大きい。最終盤でのラベロの合流も欠かせなかった。
やはりシーズン最終戦10月25日の試合は最高だった。本当はあの試合に勝って胴上げができていたらもっと良かったが、自分たちで勝って決める優勝は来年以降にとっておこう。
○総括:投打の柱が常にいた
投手は山本、宮城を筆頭に、先発投手陣が概ね安定していた。ブルペンは平野という柱がいたし、中盤以降のヒギンスも頼りになった。しかし結局は山本というスーパー沢村賞投手の存在が大きい。
打者は吉田の存在がまず一番だが、杉本が大きな不調の波(と離脱)なく、コンスタントに打ってくれたのが優勝の原動力だったと思う。杉本が規定打席を優に立ってOPSリーグ2位って・・・、去年の今頃だったらとても信じられなかった。
ただし、シーズン143試合を俯瞰したときに、常に最良の起用ができていたかと言うと、決してそんなことはない。シーズン序盤の若手偏重起用、吉田離脱時の紅林3番固執などで勝ち星を落とした感はある。
ただ、これまでの起用に対する不満と違うのは、ベテラン重視ではなかったことだ。若手重視の偏重起用だから、投資という側面もあり、決して無駄ばかりではない。その中で皮1枚の差で優勝という最高の結果を勝ち取ることができた。ある意味で最高のシーズンの戦い方ができたのではないかと思う。
■③ポストシーズンの戦略
10日(水)から、CSファイナルが始まる。その後は日本シリーズも待っている。どのように勝ち上がるか、基本的な戦略を考えたい。
①ローテーションをどうするか?
結論から述べると、私は以下のようなローテーションが良いと思う。
11月10日(水)CSファイナル第1戦 山本
11月11日(木)CSファイナル第2戦 宮城
11月12日(金)CSファイナル第3戦 田嶋
11月13日(土)CSファイナル第4戦 山﨑颯一朗+竹安
11月14日(日)CSファイナル第5戦 山崎福也
11月15日(月)CSファイナル第6戦 ブルペンデー
11月20日(土)日本シリーズ第1戦 山本
11月21日(日)日本シリーズ第2戦 宮城
11月23日(水)日本シリーズ第3戦 田嶋
11月24日(木)日本シリーズ第4戦 山﨑颯一朗+竹安
11月25日(金)日本シリーズ第5戦 山崎福也
11月27日(土)日本シリーズ第6戦 山本
11月28日(日)日本シリーズ第7戦 宮城
最も意識したのは、ロッテとの最後の直接対決3連戦で、左腕3枚をぶつけて1勝もできなかったことだ。短期決戦を考える中でそれぞれの能力を最大に活かすため、目線を変えるために右投手をはさみたく、山﨑颯一朗と竹安の2人で6〜7回を投げてもらうプランを考えた。
2戦目は宮城か田嶋かのどちらが良いのかも非常に迷ったが、最終登板で低めの真っ直ぐの精度が戻っていた宮城がより信頼できると判断した。だが、CS(対ロッテ戦)は相性が良い田嶋を2戦目に持ってきてもいいかもしれない。
②打線をどうするか?
とうとう本日7日、吉田が打撃練習を再開したとのニュースが出た。(酸素カプセル最高や!)
あと3日間でどれだけ調整ができるか不透明だが、ここまで来たらDHで吉田を起用するしかない。当面は軽打だけでよいから、いてくれるだけで打線が見違える。
打順は以下のような案を考えた。
1.宗
2.吉田(DH)
3.杉本
4.ラベロ(左)
5.T(一)
6.安達
7.紅林
8.若月・伏見
9.福田
ポイントは、福田・宗の1・2番コンビの継続はリスクが大きいということ。
- シーズン最終盤の打撃内容を見ていると、上位にこの2名を並べるのは怖い(リスクが大きすぎる)。
- そこで、軽打メインになると思われる吉田を2番に入れた。もし福田も宗も好調なら、初回の攻撃だけ損をすることになるが、2巡目以降は福田→宗→吉田→杉本の流れになる。全体的にリスクを抑えつつ、バランスが良い起用と思われる。
- 要するに、吉田、杉本、ラベロ(私的にはかなり信頼度が高い)とTの打順がひとつ繰り上がるメリットと、福田を1番に置くメリットを天秤にかけたときに、前者の選択になるのではないかという話。
- 左右のジグザグを意識するなら、2番杉本 or ラベロ、3番吉田でも。
- ラベロのレフト守備はもうお祈りしかない。
③基本的な戦略
- 無理して勝ちに行く必要はない。(選手ファーストであるべき。)
→山本や宮城など、本来であれば疲労のケアをしてもらいたい選手が多くいる。登板間隔を詰めることは言語道断だし、彼らに負担をかけてまで優勝を狙うのは絶対に違う。
→もしCS初戦で山本の投球数が抑えられても、中4日でCS最終戦にスタンバイは絶対にNG。 - 終盤の同点はリードの感覚でOK。
→引き分けは、勝ちに近い意味を持つ。CSファイナルの勝ち抜け条件は、アドバンテージの1勝も含めて、「勝利数が多いチーム」(同数の場合は1位球団)であるからだ。以下で見るように、1つ目の引き分けはオリックスの勝ち、ロッテの負けと等価だ。(ただし、2つ目以降の引き分けはそうではない。)
→したがって、同点で試合が終わる(引き分け)は実質的にオリックスの勝利になるわけだから、終盤の同点以上の試合ではオリックスに1点ボーナスがあるようなものだ。(9回打ち切りなので) - ロッテが勝ち抜くためには、6試合中4勝するか、3勝2分、2勝4分以上を残す必要がある。
→つまり、引き分けを0.5勝カウントしたとして、「6試合で4.0勝以上する」というのが条件。 - 逆にオリックスは「2.5勝」が勝ち抜け条件。
→今シーズン、同一の対戦相手に3タテをくらわなかった事を考えると、はじめの3戦で2勝できれば、ほぼ日本シリーズの切符を手にしたと言える。だから、これが目標になる。 - 初戦の山本は「どういうイメージを相手に与えて抑えるか」がポイント。
→スタートダッシュのために初戦を勝つことは勿論だが、その中で相手にどうダメージを与えるかも大事だ。ダルビッシュが西武に投げたときのCSを思い出すが、インコースを徹底的に意識させてはどうだろうか。カットボールとツーシームで、インコースを抉ってほしい。