最近のオリックス(2021年7月11日)

2014年以来の「首位」になって、もう3週間くらい経った。この耽美的な響きを聞くたびに、未だにニヤニヤしてしまう。

ただここのところ、心配事がいくつかある。

まずは、首位浮上の原動力となった打線の状態が少し下がってきているように思う。具体的に、以下の選手たちの打撃の状態が心配である。

・杉本(西武戦での思いっきり引っ張ったHRの後くらいから)
・モヤ(順当に下がってきた)
・西野(彼が打つのと打たないのとでは、大きく違う)
・紅林(ここ2ヶ月くらい言っているが、2軍調整を推す)
・ロメロ(しっかり調整を)

杉本は信じるしかないので、復調を待つのみだ。次に外国人だが、モヤがイマイチなのはしょうがないので、本来はロメロがすっぽり穴を埋めてくれるはずなのだが、ロメロの状態が上がってきていない。西野がセカンドで全く打てなかったのも痛かった。もしセカンドではまってくれたら、ショート安達、セカンド西野という起用が可能になっていた。(そうなっていれば、紅林を2軍調整させやすくなっていた。)今は宜保の活躍に期待だが、周りの状況によらず紅林は2軍で一度リフレッシュ(技術面の見直しなど)をしてもらう方が良いと思う。

そうそう、触れておきたいのが若月だ。最近はスタメンの試合が増えてきたが、「前と比べて良い捕手になった」と色々な場面で感じる。前と比べて、例えばインコースを突く頻度やタイミングが非常に良くなったと思う。若月と伏見の2人のスタメンマスクの候補がいるというのは、なかなかに満足できる。

次に投手陣は、抑えがまず気になる。交流戦期間は絶好調だった平野だが、ここのところはセーブ失敗もあるし、長打を打たれる場面が目立つように思う。張など、良いボールを投げる投手はいるが、9回となるとまた話は別だ。

私の抑え論だが、9回というのはただの1イニングではない。9回を投げる投手でまず必要なのがメンタルだ。プレッシャーにより発揮できる実力が大きく下がり、場合によっては半分にもなってしまう。この下がり具合がメンタルに依る、というイメージだ。だから、例えば6回くらいを投げる投手で防御率が1点台の投手がいるチームがよくあるが、その人に抑えを任せようとは普通ならない。メンタルというのは実績(経験)によりついてくる部分もある。この観点からすると、K-鈴木を抑えで起用しようとすることだけは私は理解できない。

もう前半戦の抑えは、残すところ3試合なのでこのまま平野で良いと思うが、後半戦は誰を抑えに据えるべきだろうか?私の個人的意見は、「基本抑えは平野。たまに澤田。」というものだ。チームとして一番納得がいくのは、やはり平野を出して負けることだと思う。ただ平野ももう37歳だし、連投が増えてくるときついだろうと思うので、分散のためにも第2の抑えを用意しておく必要がある。澤田はまだ登板は少ないものの、制球が安定していてWHIP的にも優秀だし、それなりに経験もある。漆原の投球もしばらく安定していて、かなり信頼できるレベルだがあくまで今は自信を積む段階だろう。(あとは、大穴で増井の抑え復帰もあるか。)

先発については、山岡の離脱は非常に痛いものの、山本、宮城、田嶋、山崎の4枚は十分に満足できる。特に、田嶋の復調は非常に大きい。(この前のヒーローインタビューは非常に印象的だった。)今やオリックスには山本と宮城の左右ダブルエースがいる、というのが通常の見方だと思う。私も今はそう思うのだが、「エースに一番近いのは田嶋」と何年か前に書いたことがある。ポテンシャル的には、田嶋には「困ったときに一番頼れる投手」になってもらいたいと今でも思う。後半戦に向けては山岡の復帰に期待したいが、肘なので無理だけは絶対にしてはならない。

それにしても今年のシーズンは異例だ。後半戦が8月13日からなので、前半戦最後の試合(7/14)から約1か月も空くことになる。この期間でどれだけコンディションを維持・向上できるかが大事になってくる。エキシビションマッチも非常に楽しみだ。(全試合ホームでできるのも、非常に大きい。)

この1か月の間に、AJがホンモノになったりしないかな・・・。あとは新外国人選手(スパークマンとラベロ)にかかる期待が大きい。(ラベロは獲得発表も未だ出ていないし、どうなったのだろうか。)

スパークマンが、先発でも中継ぎでもどちらでも戦力になれば非常に大きい。6月30日には入国したらしいので、エキシビションマッチ(7月27日から)で投球を見るチャンスがあるだろう。

あとはオリンピックだが、山本が先発に中継ぎに「ジョーカー」的な役割を期待されているらしい。オリックスファンとしては、酷使はやめてくれ、というのが一番の気持ちだがそれだけ信用されているのも喜ばしいことだ。

私もかつて、オリンピック優勝のための投手起用等を考えたことがある。以下の投稿だ。
【まとめ】東京五輪の野球の日程と代表メンバーを考える(2020年1月3日)

相当昔(コロナ禍より前!)に書いた記事で、非常に懐かしい感じがするが、その中でも私は山本は先発→中継ぎの役割を当てはめている。試合の勝ち負け(どこで負けるか)によって、日程や急所が変わってくるので、ある程度投手陣の役割には流動性を持たせないとならない。逆に言うと、一番大事なピッチャーにこそ様々な場面で投げてもらう可能性があるということだ。だから、オリックスファンとしてシーズンに変な影響が出ないよう先発固定で使ってほしい気持ちはありつつ、山本が「ジョーカー」として活躍を期待されることも十分に理解できる。

 

(余談)

ちなみに、私は別に日本人がメダルを取ろうが、別に胸にグッと来たりしないタイプの人間だ。結果がどうなろうが、ベストプレーを尽くしてくれればそれで良いと思っている。(メダルのために選手寿命を縮めるような無理だけは、何があっても絶対にしてほしくない。)

またそもそも、「オリンピック」そのものにも興味があまりない。あくまで面白かったり、興味のある競技を観れれば十分というレベルだ。野球についても、「日本を応援」というよりは「日本の選手たちを応援」という感じだ。選手たちにも過度なプレッシャーや使命感は持たず、のびのびと好きなようにプレーしてくれたらよい。税金がかかっているとか、そんな小さなことはどうでもよい。エラーをしたなどの選手を責めることも絶対にしたくない。

オリンピックの開催に関する考え方については、以前の投稿:
 オリンピック開催に反対だ(2021年5月5日)
から全く変わっていない。私が決定者だったら、多分4月頃までには中止の判断を下していたと思う。それは、オリンピックをこのタイミングでやることの意義や必要性が十分に感じられないことがまずあり、それと感染症等によるリスクや混乱を天秤にかけると、どうしても開催することが合理的な判断(妥当)とは思えないのだ。決行するのはもう好きにしたら良いと思うが、「私はもう知りません」という感じだ。また、無観客にするくらいなら中止の方が良かったのでは?と思う。くどいが、私にはどうにも「オリンピックを開催してよかった」とオリンピック終了後に多くの人が思っているような光景は想像できない。

また、この冬の北京オリンピックが開催される見込みなのに日本では開催できないのは好ましくないというプライドは、本当に捨てるべきだ。夏と冬で規模が違いすぎるし、そもそも日本は日本、中国は中国だ。無理なものは無理と割り切って、迅速に英断を下せることは十分に胸を張れることだと思う。

さて、昨日7/10の新規感染者数を見てみると、首都圏(東京都と神奈川県、埼玉県、千葉県)で、日本全国の感染者数の65%程度を占めている。言うまでもなく、人口比を考えても圧倒的に首都圏に集中している。大阪(近畿圏)、愛知、札幌、広島・岡山、福岡など3回目の緊急事態宣言が出されていた他の地域では感染者数は大きく下がっている。

また、東京都の7/10の新規感染者数は950人とのことだが、未だに累計の感染者数でこの人数を超えていない県すらある。4月~6月の緊急事態宣言等を経て、他の地域が大きく感染者数を減らしているのに、オリンピックの開催地である東京とその周辺では全く抑え込めていない状況にある。「東京オリンピックを開催する」などと国などが言うから人々が正しく自粛行動せず感染者数が増えるのかもしれない。(東京でも開催に積極的に賛成な人が、誘致決定時からそこまで多くはないから、共感されにくいこともあるだろう。)

何が言いたいかというと、首都圏は日本全体で考えて感染者数の抑え込みの足を引っ張っていることを自覚すべきではないだろうか。(抑え込めないのなら、言葉は悪いが東京圏で閉じこもっているべきだ。その中でオリンピックをしようというのだから尚更。。)

政府には、もっときちんと目標を示してほしい。私が首相だったら、「全国的に駆逐されたと言えるレベルまで感染をしっかり抑え込むことを目標とする。海外からの入国者についても、一層の検疫を行う。その結果、ワクチンの効果も相まって、数か月後にはコロナを気にしないで済む生活が戻ってくる。」くらいのことを言って、その実現まで厳しい規制をかけ続ける。

オリンピックだけでなく、このコロナ関連の全般的な対応は、全体的にレベルの低さをよく分からせてくれた。特にオリンピックでは、震災からの復興や日本の先進国としての存在感といったテーマは最早感じず、自信を喪失させるだけの結果になっているように思う。メディアがいろいろ煽ったり、何かと小さなことでも問題視して叩くのが好きな国民性も問題であると思うが。

またそもそも、オリンピックの存在意義そのものが揺らいでいることも無視はできない。性的少数派の件が問題になったり、IOCの利権に関する指摘など、国際的なイベントとしての在り方を再考してもよいのではないかと思われる。特に性的少数派の件は、色々なことを思う。性的カテゴリーごとに競技を行うべきとか、それもまたプライバシー侵害になるから性別撤廃で全員が同じ競技をしたらとか、生物学的な性別をベースにしたらとか、ホルモン治療があるとか、もういっそのことオリンピック自体やめたらとか、色々なことが思い浮かんでくる。思うに、現代は多様化しすぎており、全員の人権を尊重することが当たり前になっている(もちろん良いこと)が、その中でオリンピックを競技の公平性を保ちつつ開催することに無理が出てきている。

例えばプロ野球では性別は何も問題にならない。プロ野球選手は全員が男性だが、チームが勝つために、能力の高い選手を集めたらそれが「結果的に」男性だけだった、という話だからだ。プロ野球は、私の知る限り性別を要件とはしていない。オリンピックもそうしたらよいのに・・・とはならない。

 

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