オリックス打者陣の「目に見えない貢献度」を考える② 〜「最低限率」〜

よく、実況や解説の人が、「ここは最低でもランナーを進めたい」とか「最低でも3塁ランナーをホームに還したい」というが、「最低限」はそんなに簡単なことなのだろうか?というのが発端だ。

というわけで、昨日の投稿:「オリックス打者陣の「目に見えない貢献度」を考える(2018年6月22日まで) 〜打席当たり投球数と併殺打率〜」に続いて、目に見えない数字、第2段:「最低限率」を調べてみた。

「最低限率」とは私が勝手に定義した言葉で、「1アウト以下でランナーが3塁にいる時に、打者が凡退した(アウトにとられた)場合でも、3塁ランナーが得点する確率」である。つまり、犠飛やスクイズやゴロアウトの間のホームインを「最低限」とみなし、「凡退の中でどれだけ最低限ができたか」を測ったものである。

例えば、1アウト3塁の打席が10回あったとして、2安打、1四球、1犠飛、6凡退(うち3回ランナー得点)したとすると、最低限率は 4/7 = 57%となる。(出塁した場合はカウントしないことに注意願いたい。)

忙しい人のために初めに結論を言うと、「最低限」の仕事すらできないことが半分程度あるという認識で野球を見ないといけない。


予想と結果概要

いきなりだが、この「最低限率」が2018年のここまでのオリックスにおいて、どれほどの数字になるか、予想してみてほしい。私は、そうだなぁ・・・30%と予想する。凡退のうち4割が三振だとして、残りの6割のうち半分くらいがなんとか得点できているだろうという予想である。

と焦らすような書き方をしたが、2018オリックスの場合、集計の結果28.9%と求まった。私の予想はほぼ的中といってよいだろう!

しかし、よくよく調べてみたところ、凡退76イベント中、三振はわずかに20回にすぎなかった。そして残りの、打球が飛んだ56イベント中、打点がついたのは22回だけであり、凡打のうち約40%しか打点はついていなかったということがわかった。

※ここで「打点」と書いたとおり、エラー等の間に得点が入ったものは正常にプレーされていたら点が入っていなかった、という観点で得点が入ったイベントとはみなしていない。


結果

以下の表のとおりとなった。6月24日(日)試合終了後までの成績をカウントした。

ここで、新たに「仕事率」という言葉を定義した。これは、「1アウト以下でランナーが3塁にいるときに、ヒット、四死球、打点がつく凡退をする、のいずれかを達成する確率」である。したがって、仕事率が高い選手ほど、ランナーが3塁にいるときにチームにプラスになる何かをやってくれるということだ。


考察

  • 早打ちの選手はケースバッティングが苦手?ロメロ、小谷野、宗、若月、山足、山崎、、、と打席あたりの投球数が少ない選手は最低限率も低いようだ。ただし、大城だけはこれはあてはまらないようだ。
  • T−岡田、吉田が全体的に優秀だ。やはり外野フライが多い選手の方がランナー3塁の時には有効ということの証左だろう。
  • チーム全体の仕事率は、53.0%と求まった。1アウト以下ランナー3塁時に、だいたい半分は悔しい結果に終わる、というのは感覚からそんなに外れていないと思う。
  • ノーアウト2塁からのバントの無意味さがよく分かる。1アウトを献上してランナーを3塁に進めるはいいものの、次打者は47.0%の確率で仕事ができずアウトになる。1アウト3塁の場面を作り出すということは、わざわざ1点だけのために、丁半の博打に賭けるようなものだ。
  • ただでさえ貧打の中、低OPSかつ、ランナー3塁で仕事もできない選手は、攻撃における起用の優先度が低くなってしょうがないだろう。したがって、小谷野、宗、山足、山崎は意図して打席数を抑えるべきであると言える。
  • 宗、山崎の場合は特に、スクイズさせたほうが得点の確率が高いと思える。

しかし改めて眺めてみると「最低限」という言葉は、「最も低いライン」という意味だ。いつ誰が言い始めたか知らないが、よくもまあこんなプレッシャーのかかる言葉を使い始めたな(笑)

打者に「最低限の仕事」を押し付けるのはやめよう。つまり、1打席の結果だけを切り取って、「最低限の仕事すらできない」と打者を批判することは、賢い野球ファンとしては、止めなくてはいけない。

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