交流戦も終わり、そろそろブログをちゃんと更新する日々に戻ろうかなと思う。
ここまでのオリックスを総括すると、上出来としか言いようがない。全てが順調かというと全くそんなことはないが、概ね安定した戦いができている。
明日からは各試合の感想を(なるべく毎日)書いていこうと思うのだが、今日はここまでのシーズンや今後の戦い方について、少し書いてみたい。
●打撃面での嬉しい誤算・嬉しくない誤算
嬉しい誤算の筆頭は、頓宮の大活躍だろう。パ・リーグぶっちぎりの首位打者で、OPSもリーグ1位とは。2年前の杉本の活躍を見ているようだ。
以前は、ストライクの数に応じて、出力(力の入れ具合)が10→8→7くらいのイメージだったが、今は8→6→5くらいの印象を受ける。足の上げ方・下ろし方も非常にソフトで、巧打者のそれだ。
続いての嬉しい誤算は、紅林だろうか。ここまで、200打席弱に立ってOPSが約 .750と、「これくらい打ってくれたらいいのになぁ」と思っていた数字を残してくれている。と言いつつ、私は今の紅林のフォームはあまり良くはないと思っていて、センター前・ライト前の単打を専ら狙うスタイルで継続するなら良いと思うのだが、これが引っ張りに入ったり、長打を意識してしまうと一気に調子を落とすのではないかと見ている。
あとは、ゴンザレスの打撃も、現状OPS .680程度とはいえ、期待以上ではないか。ここまで長打が打てるとは思っていなかった。だが、打席での脆さは想像通り。ただ、守備は本当にうまい。守備範囲の打球を、確実にファーストの胸元に取りやすく送球してくれる安心感は、私がこれまで野球を見て来た中で圧倒的に優れていると思う。
茶野も、そもそも規定打席に立っている時点で嬉しい誤算だろう。私はオープン戦でインコース寄りの真っ直ぐを、茶野がしっかり引っ張って強めのファーストゴロを打った打席を見て、「これはある程度行けるな」とした。今も、しっかり強い打球を引っ張れるかが調子のバロメーターだと思っている。
ここからは嬉しくない誤算。
私にとってのその筆頭はシュウィンデル。怪我の影響もあるのかもしれないが、ここまで1軍の戦力になっておらず、苦しいものがある。最近は2軍でコンスタントに出ているので、調子・コンディションが上がってくると良いのだが。
次は宗。今シーズンが始まる前から、吉田がいなくなった分、森が加入したわけではあるが、打つ方の穴は完全には埋まらないと思っていた。そこで、紅林と宗の底上げが欠かせないと思っており、両名がOPS .700オーバーをコンスタントに打ってくれればと思っていたが、宗はこれに遠く届かない(規定打席到達者の中で最低OPSだ)。本当に、このままのフォームで行くのか・・・、私はちょっと理解できない。
●併殺打が多い。
このブログを過去読んで来た方ならご存じかと思うが、私はとにかく併殺打が嫌い。併殺打はしょうがないと思うが、1球で2アウトを取られるのは本当に苦々しい。
そんな私からすると、今シーズンはかなり辛い。リーグ1位の併殺打52個を記録している。やはり右打者が多く、どうしても併殺打が多い。(中川、頓宮、杉本、紅林、若月など)
ちなみに、かつて左打者と右打者の併殺打の割合を比較したことがある。
→野球において左打ちは右打ちに比べてどれだけ優位か?(2018年8月18日)
この結果からも、同じ能力なら迷わず左打者を起用すべきという考えを持たずにはいられない。今年の打線は、内野安打も少ないなあと感じる。
●今の位置は、ほぼ先発投手のおかげ
リーグ1位のチームOPSを目下記録しており、打つ方もこれまで非常に良い評価ができるのだが、それ以上に先発投手陣が安定していることが一番の強みだ。
山本、宮城、山岡、福也、山下、田嶋とおり、これ以上何を望むのか、というレベルだ。左肘の違和感で抹消になっていた田嶋も先日2軍戦で2イニングを投げたし、この6人でローテーションを回せれば相当に良い。(なお、私はまだ山下は中10日ローテで良いと思っている。)
何より中継ぎ陣が不安定な中で、先発が安定しているからしっかり勝ちを拾えている。
●山本の新フォーム
交流戦最後の阪神戦は、良い感じだなと思った。(足を上げて少し遊びがあり、その足を下ろすタイミングが様々でタイミングも取りにくいし、ゆとりがあって無理のない投げ方に見えた。)
ただ、直近のソフトバンク戦ではまた元に戻ってしまっていて、「まだフォームのことを考える段階にあるのか」とちょっと不満に感じた。本人の中ではアジャストの範囲なのだろうが、私からするとシーズン中にそこまでの模索はしないでほしい(そういうのはシーズン前に終えていてほしい)、というのが正直な感想。
今年の山本のフォームは、フォークがいまいち。腕の振りも変わって、どうにも「落ちるフォーク」から「落とすフォーク」になっているように見える。(それならそれで、フォークを投げないで曲がり球だけで勝負してくれればそれでいいのだが、私がずっと言っているスライダーを主体にした投球は今シーズン全く見れていない。)
●宮城の腕の振り
特にシーズン当初の、宮城の腕の振りの速さはすごかった。あれだけ腕が振れた中で制球もできて、今年は一体どんなシーズンを送るのかと期待したものだ。最近は良いとき(の方が多いが)もあれば悪いときもあり、少し不安定ではあるが、基本素晴らしいピッチングをしてくれる。
チェンジアップがかなり有効な球種になっていて、幅が広がったと思う。
●山岡、福也も非常に良い。
制球も良いし、変化球もしっかり変化する。ここ最近になるまで、この2名を降ろすタイミングが特に早く、非常に不満に思っていた。100球行かない中で降板させることばかりで、シーズン当初は中継ぎが今よりも不安定であったので、訳の分からない采配だと思っていた。(先発陣の厚さという強みを使わずどうするの?という。)
●舜平大のピッチング
あれだけ真っすぐの威力があると、まあ簡単には打たれない。怪我なく、大きく育ってほしいので、私はやはり中10日派だ。せいぜい、2回に1回は中10日にしてほしいと思っている。今シーズン、順位のために舜平大を予定以上に起用することだけは絶対にまずいと思っている。
●中継ぎの展望
宇田川とワゲスパックの復調待ちなのだが、ちょっと時間がかかりそうかな・・・というのが今のところの感想。
ふたりとも、腕の振りが良かった頃のそれになかなか戻らない。これから夏になってきて、どんどん腕が振れるようになるといいのだけれど。一番良いボールは真っ直ぐなので、とにかくそれを磨くことに期待したい。
颯一郎は全く心配していないが、平野と阿部も基本大丈夫だろうと思う。平野はWHIP 1.57で防御率 1.17という不思議な成績だが、今後も安定した投球をしてくれるのではないかと思う。阿部も、真っ直ぐの強さがある程度戻ってきたように思い、ある程度安心してみている。(阿部も、困ったらフォークではなく、困ったらまっすぐの原点を思い出してほしい。)
特に今年心配しているのが、颯一郎への負担だ。リーグトップクラスの30登板(現時点で68試合消化)ということで、かなりまずい数字だ。起用も固まってきたので、これからは大分良くなると思うのだが、どうなるか。
あとは、先発陣が足りている今、黒木がリリーフ陣に加わって安定的なピッチングをしてくれたら見違えると思うので、期待したい。
●今シーズンの優勝のために
今年は、昨年の大混戦とは異なり、上位と下位がある程度ハッキリと別れていて、よくあるペナントレースの様相だ。
私としては、ロッテは投手陣の調子が段々と落ちてきている様子なので、やはりソフトバンクを睨むべきだと思う。となるとソフトバンクにしっかり勝ち越したいという話になるが、今年の山本が絶対的な存在でない以上、なかなかに難しい(計算できない)ところがある。
だから、下位チームとの対戦でしっかり稼ぎ、中位チームには確実に勝ち越す、という安定した戦いができるかどうかが大事だと思っている。そういう目標を見据えたときに、先発陣が安定しているのは非常に助かる要素だと思う。
打つ方は、常に調子の良い選手を使っていきたいところだが、なかなか起爆剤も見えてこない。現状の調子から突き破って復調の兆しがなければ、宗は思い切って調整のために抹消し、安達・大城で回すのもありではないかと思う。(安達は体調がどういう状態か分からないが。)
実は私が個人的に「あったらいいな」と期待?しているのが、筒香の獲得。レフトとサードが守備位置で、今のチームに不足しがちな左打者で、これ以上ないドンピシャ。(レフトを守る際は杉本がライトに回る。)・・・まあ、こういう妄想は楽しいものだ。