WBC決勝戦感想(2023年3月22日)

まずは日本代表の優勝おめでとうございます。

私個人はあまり日本代表を応援するというよりは、個々の選手と単純に良い内容・試合を見たいという想いで見ていたので、優勝しても「おお、おめでとー。」くらいで特にテンションは変わらないが、それでも準決勝・決勝とさすがに面白かった。

以下、簡単に、主に決勝戦の感想を述べていきたい。

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●先発今永はグッドチョイス。

 相手の情報が少なく、マークが薄い選手で、かつ調子が良かったということで、今永先発はベストな選択だったと思う。

●村上は私だったら起用していない。

 私が監督だったら、間違いなく、全体的な状態を見たら準決勝以降は村上を起用していない。結果的に村上は大事なところで打ったので、「恐れ入りました」と述べるのが普通のオチだが、相手がちゃんとした対策と配球をしていたら打てていなかったと思うので、本当に結果オーライだというのが私の理解。(ただ、メキシコ戦の9回は、相手もあまりに切羽詰まった状態だった。)

●その村上に初球まっすぐの配球でかなりチャンスがあると思った。

 どう考えても、今の村上に、ストライクゾーンのまっすぐで入る投球はない。(一応述べておくと、インコースに構えていたのが中に入ったが、あれくらいの投げミスは普通に勘定に入れるべきなので無視して考える。)
 村上の状態を分析できていたら、あの入り方は絶対にない。あのボールが来たことで、アメリカは日本の打者を全然分析できてないと分かったので、大いに勝機があると感じた。(スコアラーはどれくらいいたのだろうか。)
 ただし、その後の打席ではアメリカバッテリーがしっかりと反省をしたのか、村上にはあまりチャンスが無かった打席が続いたように思う。結局は、最初で最後のチャンスを最高の結果にした村上がやはり一筋縄ではいかないということか。

●5回表のシュワーバーの打席。

 ここも勝負の分かれ目だった。2アウトランナー1、2塁で、3ボール0ストライクになった。アメリカは2点ビハインドの状況だったので、3ランで逆転になることを考えれば、絶対に真っ直ぐに張って、振ってくると思った。ここで高橋宏斗の投げた真っ直ぐが、真ん中低めいっぱいの球で、シュワーバーはセンターフライに終わった。
 しっかり腕を振って、ボールの勢いが良かったからこそ打ち取れたと思うが、ひとつ間違えばホームランや長打になっていた可能性もあった。この場面が大きなポイントだったかなと思う。特に、8回にダルビッシュが投じた同じようなコースの真っ直ぐを完璧に捉えてホームランにしたシュワーバーを見て、さらにその思いを強くした。

●7回表の大勢がゴールドシュミットから取ったゲッツー。

 ゲッツーが欲しかったところで、絵に描いたようなゲッツーが取れた。試合が始まる前から、大勢とダルビッシュは心配だなあと思っていたが、その大勢が1イニングを無失点で投げ切れたことで、相当に良い流れだと感じた。
(7回に大勢が1〜2失点する可能性が十分にあり、その後8回にダルビッシュが1点差もしくは同点で投げる展開は非常にまずいだろうと思っていた。)

●マクニールがスタメンで出ていたら、また違った気がする。

 さすが、という打撃内容だった。やっぱり技術の高い選手は手強い。

●トラウトを2番に置いているからこそ、最終回に回ってくる。

 日本でまだあるような、2番にバント要員を置くような野球をしていると、こうはならない。

 なお、私は2番最強打者説は、十分にありだと思っている。(結局はラインナップ次第で、何でもかんでも無条件に最強打者を2番に置けば良いとは思っていない。)

●全体的な感想

 試合としては非常に面白かったが、アメリカの野球が全体的に雑な印象を受けた。もっと、チームとして洗練された状態で見たかった気もした。

 あとは、WBC全体として試合数が少ない気がちょっとした。最大で7試合かな?そもそも野球は、確率のスポーツとも度々形容されるように、1試合だけ見れば、弱いチームでも強いチームに勝つことが大いにありえる。だから、決勝が1試合だけというのは、本来のあり方からすると物足りなくも感じる。(ワールドシリーズも日本シリーズも、4勝先取だ。)

準決勝は2勝先取、決勝は3勝先取くらいのWBCもいつか見てみたいものだ。

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