※この記事を書いているときに、「西村監督辞任」の報道が発表された。中嶋2軍監督が代行を務めるとのこと。※
変則的なシーズンだが、8月20日終了時点で、既に53試合を消化した。シーズン120試合の折返しももうすぐだ。
オリックスの現在の勝率は、わずか .320だ。創設初年度の楽天の勝率が .281とのことなので、それに近い域に達しつつある。8月は体感的にも全然勝っていない。数えたところ8月は、現時点で2勝13敗1分だ。
5位にも既に7ゲーム差が開いている。借金も17ある。このままではいけないのは明らかだ。そこで、どうやったらもう少し勝てるようになるのか、一ファンとして考えていきたい。
1.はじめに:チーム打撃分析
何が他チームと比べて劣っているのか?投手陣が優れいているとはいい難いが、大きく水を開けられているのは打撃だ。以下は8月19日終了時点のチーム打撃成績だ。NPB公式ページから拝借している。
ちょっと数字詰まっていて見づらいが、得点が他チームより50点程度少ないことが分かる。つまり、各試合でもう1点取っていかないと、勝てるようにはならない。例えるならば、打力が同じチームが対戦したときに、片方のチームにハンデが課せられていて、
- 「マイナス1点」から試合が始まっている。
- 攻撃が7回までしかない。(リーグで平均得点4.5点くらいのところ、比べて1点少ないのは、1/4.5 = 2/9だけ攻撃が少ないようなもの。)
ようなものだ。こう考えると、「そりゃ勝てないわけだ」と思える。しかも最近は起用や采配が不可思議だし、明らかに打撃の調子が悪い選手も多いので、上記で挙げた例えよりも厳しい状況にある。
したがって、どうやったら得点力を向上させられるか?が大きな命題になる。
2.長打力が劣っている
データを見ると、パ・リーグの他チームと比べて、本塁打数や長打率が大きく劣っている。圧倒的負け越しの8月はここまで、16試合で4本しかホームランが出ていない。ホーム球場が違うので一概には言えないが、1試合1本以上のペースでホームランを打つチームが3チームもあるのに、これでは勝つことは難しい。
大きな改善ポイントと言える。したがって、長打力のある選手を特に2軍から昇格させるなど、長打力の向上の必要が高い。
3.選手の入れ替え
<抹消候補>
- AJ(195打席 OPS .675)
- 西浦(58打席 OPS.490)
<登録候補>
- 杉本(98打席 OPS 1.093)
- 西野(55打席 OPS. 865)
- 松井佑介(80打席 OPS .800)
- 太田(86打席 OPS.616) ※1軍で既に2HRの実績あり
※成績は2軍での成績。
これくらいの抹消と登録はしても良いと思われる。もちろん、2軍で打っているから1軍で打てるわけではないが、現状1軍で戦力になっていない選手は再調整等のためにも抹消し、2軍で相対的に打っている選手を登録するのはチームとして当然のこと。
特にAJはホームランを打つポテンシャルがある選手として、その潜在能力に期待したいところではある。現状は、体型も太り気味で守れないし、ずばり全く戦力になっていない。もっと言えばお荷物だ。2軍で打てるようになるまで、昇格させる必要はない。
これまで2軍で指揮を執っていた中嶋監督が1軍監督になるので、効果的な選手の入れ替えは期待したい。
4.進塁打を打て
オリックスというチームを応援していて、進塁打を殆ど見ない。よく見るのが、ノーアウト1塁のランナーがそのままで2アウトになり、そこからヒットが出るも後続続かず、結局0点というパターン。
本当に単純に考えて、進塁打は進塁1つ(あるいはランナーが複数いるときはそれ以上)を得ているわけだから、0.25点の価値がある。バントと違うのは、ヒットの可能性もあり、相手に与えるプレッシャーがあるということ。(もちろん一方で、併殺打のリスクも高い。)
点が入らないチームだからこそ、打てない選手はしっかりバントをし、バントをしない選手は進塁打を打つ意識を持つことで、とにかく塁を進める。価値のあるアウトを意識してほしい。
なお、思考停止でバントはいけない。そもそもオリックスはバントの成功率も低いし、成功しても1アウト2塁にしかならない。冒頭の分析で、今より1試合あたり1点多く取る必要があると述べたが、文字通り毎試合の得点を1点増やすのではなく、複数点を取るイニングを作っていき、トータルで見て試合あたり1点増やすのが大事だ。
バントはよほどの低打力(まあオリックスの場合はそういう選手もいるが)の場合を除いて、得点確率も得点期待値も下げると言われている。
ざっくりこんなところだろうか。今からAクラス入りして欲しいなどという無理は言わないから、せめて見ていて中身のある試合をしてほしい。