最近、「一塁への盗塁」をできるようにする新ルールがアメリカの独立リーグ:Atlantic Leagueで導入されるというニュースを見た。
色々調べてみたところ、一塁への盗塁以外にも、様々なルールが試行されるということで、自分なりに影響を考えてみた。(日本語で、一塁への盗塁以外についても触れた記事を見かけなかったので、割とちゃんと調べてみた。)
主に参照したのは、以下のページである。
・http://www.atlanticleague.com/about/press-releases/?article_id=1237
・https://www.espn.com/mlb/story/_/id/27168526/stealing-first-gets-tryout-atlantic-league
・https://www.ydr.com/story/sports/2019/07/11/mlb-more-rule-changes-tested-like-stealing-first-base/1707809001/
1.「一塁への盗塁」について
一塁への盗塁というよりも、どのカウントでも、直接捕球されなかったら一塁に走って良い、というルールだ。
つまり、0ストライクや1ストライクからであっても、さらには別にスイングをしていなくても、キャッチャーがボールを逸らしたら一塁に走ることができるのだ。(そして、走った結果、アウトになることもある。)
現在のルールでは、どのカウントからも走れるのは塁に出ているランナーだけで、打者は振り逃げでしか走れないから、これは大きな違いだ。
私もはじめ聞いたときは「何それ!?」と思ったが、よく考えてみると1球1球の重みが増すので、プレーする方も見る方もよりエキサイティングになるかもしれない。また、ランナーはいつでも走れるのに打者は2ストライクからしか走れないというのは、不自然といえば不自然ではある。
その他に思ったこと
- 捕手の捕球能力がより重要になる。
- 俊足の左バッターが有利になる。
- フォークを投げる投手以上に、ナックルボーラーにとって非常に大きなルール変更ではないだろうか。(NPBには全くいないが。)
- 打者の打席結果はどうなるのだろうか?(2ストライク以外からは、三振にはならないのだと思う。また、個人成績への影響が気になる。)
- 時短につながると思う。より正確に言うと、配球がストライク主体になり、サクサク進むことになると思う。
- ピッチャーが落差の大きいフォークを投げる場合、フォークを投げると思ったら、投球の瞬間に一塁に走り出す打者が出始めるかもしれない。(それは何ともシュールだ。)
2.2ストライクから、1度まではファウルバントOK
いわゆるスリーバント失敗まで、もう1回だけチャンスがあるということだ。これも、もし実現したら大きな変更だ。
2ストライクからのセーフティーバントも増えるし、投手の打席等での送りバント成功の確率がかなり高まる。
ただ、仮に野手が初めからファウルにするつもりでバントをしたら、投手がアウトを取るまでに余計に1球ボールを投げることになるし、私個人はこのルールには賛成ではない。
3.牽制球を投げるとき、必ずプレートを外さないといけない
つまり、プレートに軸足を残したままの牽制が不可になる。これも実現したら非常に大きい。
特に左ピッチャーが1塁に牽制するとき、右足を上げ走者を見て牽制球を投げることができなくなるので、左ピッチャーの被盗塁が増えるのではないだろうか。
4.ハーフスイングを、より打者有利に
どれだけ有利になるかは具体的に述べられてはいないが、ハーフスイングの基準を緩くしてみるらしい。私個人は「ハーフスイングの基準は打者にとって厳しい方がよい派」である。
5.まとめ
全体を見て、打者有利のルール改正ばかりだ。特にスモールベースボースを有利にする方向でのルール変更が目立つ。
MLBとしては、以下のような考えなのだろう。
- 打者有利の野球(点がたくさん入る野球)の方が良い。
- 長打をこれ以上増やす方向ではなく、スモールベースボールの拡充をしたい。
だから、試験的に独立リーグでいくつか新ルールを導入し、その是非を検討したいのだろう。
個人的に賛成する(可能性がある)のは「1塁への盗塁」くらいだろうか。(ただ、個人成績への影響はやはり気になる;出塁率、打席数など。)
また、MLBでは機械によるストライクボールの判定も試験されているなど、どんどんbaseballが発展しているのが羨ましい。オールスターを見ても思ってしまったが、NPBはもうちょっと頑張れないものかなぁ。。(「じゃあ見るな」とは言わないで欲しい。)
「アメリカでの新ルール(一塁盗塁、2ストライクからのバントなど)の試行について(2019年7月14日)」への15件のフィードバック