6月14日に一軍に昇格してから、鬼神のような働きをしていた中島がなんと太もも肉離れで離脱・・・。これは、チームにとって痛すぎるマイナスだ。復帰してからの中島は、オリックスというチームにおいて、吉田と並んで数少ない「お金を払ってでもバッティングを見たい」と言えるレベルの打撃をしていただけに、ショックが非常に大きい。
この記事では、中島がどれだけ貢献していたかということと、中島のロスを埋めるためにはどうすればよいかを考えたい。
成績
以下のグラフは、赤がOPS(左の縦軸)、青が打席あたりの被投球数(右の縦軸)で、成績の推移をプロットしたものである。一軍に復帰してきた6月14日(45打席目)から、数字の右肩上がりっぷりが著しい。
6月14日に復帰してからの35打席(=45打席目〜79打席目)の平均OPSを計算してみたところ、なんと1.086という数字を叩き出していた!この選手の離脱の影響が小さいわけがなく、戦力ダウンはどうしても避けられない。
マレーロがいるが・・・
中島が抹消され、代わりに昇格してきたのがマレーロだ。マレーロが2017年シーズン並の活躍をしてくれれば、OPS .930程度が期待でき、中島の穴がだいぶ埋まると思われる。
しかし、中島の成績でさらに着目してもらいたいのが、打席あたりの被投球数(P/PA ※)である。計算したところ、今シーズンは平均して4.57球を投げさせていて、これは非常に高い数字である。どれくらい凄いかというと、2016年シーズンで最も「粘っこかった」日ハムの中島(P/PA = 4.53)をも凌ぐ数字である。
※ P/PA = pitch per plate appearences(打席毎の投球数) でググると色々な記事があるので、ぜひ読まれたし。
したがって、相手投手に与えるダメージを考えると、中島と並ぶような選手は到底見つけることができない。(ちなみに、マレーロのP/PAは現時点で3.86だ。)
P/PAに代わるP/OUTを考える
P/PAが低い(いわゆる早打ちの)打者が並ぶと、相手投手は非常に楽になる。そこで、中島がいなくなった分、ある程度粘れる打者を意図して起用する必要が高いと言える。したがって、主要選手のP/PAを考えてみたいと思うが、少し工夫をしたいと思う。
というのも、早打ちであっても出塁率が高い(打率が高い)選手は、自分の打席で相手に投げさせる球数は少ないかもしれないが、アウトになっていない分、更に球数を投げさせることができる。
したがって、私はP/OUT (=pitch per outs)を利用する。この指標は私が自分で考えた指標であり、その選手から1アウトを取るのに必要な投球数と定義する。(世の中に既にあるかもしれないが、そのあたりはよく把握していない。)2018年6月29日までの数字は以下の通りである。すべて私調べなので、間違っていても責任は負わない。。
選手はP/OUTの順で並べ、怪我等で離脱している選手はグレーで表示した。(エクセルのフィルターがかっこ悪いが、ご容赦いただきたい。)
OPSも考えると、センター宮崎、サード西野、セカンド大城は優先して起用すべき選手と結論できると思う。(宮崎は打席数が少ないが、そもそも不当に少ないと思う。)
また、捕手が非常に頭の痛いところである。若月、山崎とも、低OPSかつ楽にアウトを与えてしまい、正に「相手を楽にする打者」と言える。
このブログでも何度も言っているように、なぜ伊藤は二軍に閉じ込められているのだろうか。伊藤か伏見の出場機会を増やさないと、その他の部分でいくら工面しても、チームとしての大幅な打力の向上は見込めない。
提案するスタメン
P/OUTとOPSのバランスを考え、以下のようなスタメンを提案する。
- 宮崎 センター
- 西野 サード
- 吉田 レフト
- マレーロ DH
- T−岡田 ファースト
- ロメロ ライト
- 大城 セカンド
- 安達、福田 ショート
- 伊藤、若月、伏見 キャッチャー
特にポイントとしたのは以下の点だ。
- キャッチャーは伊藤と伏見の出番を大幅に増やす。
- ショートは守備を考えると圧倒的に安達がメインだが、休養も考えて福田も起用する。
- 本当は吉田は2番としたいが、下位打線(8、9番)が弱すぎるので、よりランナーが溜まって打席が回るよう3番にした。
「中島宏之の離脱による戦力ダウンとチーム打力を考える(2018年6月30日)」への13件のフィードバック