イチローの引退について思うこと(2019年3月21日)

こんな日がやってくるとは。。

初めてブログに書くが、自分が野球を観るようになった(というよりも興味を持つようになった)きっかけは、イチローだ。そんなイチローの引退がとうとう本人の口から発表され、非常に感慨深い気持ちになった。

1.衰え

私は公言通り50歳まで現役を続けるイチローを信じていた。しかし、特にここ2年くらいは衰えを見る側としても感じていたので、カウントダウンの問題だと思ってはいた。スイングが衰え、差し込まれるシーンが非常に目立っていたと思う。特に目の衰えがあったのではないか、と言われているが、それもあるとは思うのだが、やはり年齢による筋肉や神経の能力の低下が一番大きかったと思う。

筋肉で言えば筋繊維の密度と瞬発性、神経で言うと伝達速度、そういったものがやはり大きいのだと思う。私が一番感じていたのはお尻と太ももの筋肉量の低下だ。お尻周りのユニフォームがダブついている感じがしていた。盗塁の数が減ったのは、なんだかんだで脚力(瞬発力)の低下が一番の原因だろう。

あとは、関節の強度も重要なところだろう。野球は回転動作が多いスポーツなので(打つ、投げるに回転が必要だ)、回転を生み出す元となる関節の衰えも影響は大きかったろう。

と、ここまではただの素人の考えだ。(まあ当然のことを言ったのだと思う。)

2.会見

会見もフルでテレビで見た。変わらないイチローを見て安心した気持ちが強いが、いくつか印象的な応答があった。

  • ニューヨークに移籍してから、人のために頑張ることが増えた。
    →これには、ある意味驚いた。私の解釈は、「レギュラーとしての地位が確約されていない状況で、ベンチに座る時間も多い中、それまで自分のプレーと向き合い続けてきた分のエネルギーが空いた。そこで、他人のためにプレーするという動機づけを行った。」ということである。イチローほどの選手であっても、どんな状況でも自分自身のことだけを考えて純粋にストイックに過ごせるわけではなく、状況によっては心の持ちようを変える必要があったということだ。以上は私個人の解釈であるので、注意されたし。
    また、非常に個人的な考えになるが、「人のために」と考えるようになる時点で、一流の成績は残すことができなくなると思うので、その点で合点がいった。
  • 近年、野球が頭で考えなくても良いスポーツになっている。
    →これは、ただ速いボールを投げて、ただ大きいのを打って、という大味な野球(ビッグベースボール)への警鐘だろうが、ここまではっきりと言うとは思わなかった。また、データ分析が進んだ時代において、自分の頭で考えずに、アナリストやデータの言うとおりにプレーすることについても含まれているのかもしれない。
    私も野球本来の魅力は走塁を絡めた攻撃にあると思っているので、ただ投げて打っての野球は見たくない。ちなみに、私がいま興味があるのは、野球選手の成績とIQの相関関係である。(そんなもの調べようがないが。)

また、会見を通じて、「メジャーに来てからがスタートだった。」というニュアンスを感じた。NPB時代は、ひとりだけレベルの違う中で存在し続けるのはつまらなかった、ということであり、これはどの世界にも言える真理なのだと思う。私も、世の中にある天才や才能というものに対する、世の中の扱いや組織の仕組みは非常に稚拙であり、ある種野蛮であると感じる。天才は退屈させてはいけない。
じゃあどうしたらいいのか?という質問にはまた別の機会に私の答えを書きたい。

3.東京ドームという違和感

イチローの引退試合が東京ドーム、このことについて違和感があるのは私だけだろうか。イチローが日本で引退試合をするならば神戸。それがしっくりくるのは私が生きている時代が古いからだろうか。

しかし実際問題、メジャーの試合をわざわざ神戸でやるのは現実的ではない。雨天中止になる可能性が危惧されるのが大きいが、何よりの理由は、オリックスのサブ球場という立ち位置になり地方球場としての設備しかない神戸の球場だろう。オリックスという球団は、合併により神戸を半ば捨てたような形となり、イチローの引退試合を神戸で提供するという機会を失ってしまったのだ。

仕方ないことではあるが、残念なことである。

4.最後に

私がイチローのプレーで特に好きだったのは、

  • 左殺しの投手の投げる外角スライダーをセンター前に持っていくバッティング
  • 外野フライ捕球時の送球前の助走と投げ方

かなあ。走り方もすごい好きだった。

イチローの現役と同じ時代に生まれて良かった、そう思わせてくれてありがとう。

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