野球に「5塁打」を導入したらどうなる?(2021年8月11日)

本塁打を超える「5塁打」を考える!

 このタイトルを見て、「いきなり訳のわからないことを・・・」と思われた方も多いかもしれないが、ちょっと今回はこの突拍子もないアイディアについて考えてみたい。

 まず質問だが、打者が超特大ホームランを打っても、フェンスギリギリのホームランと別に価値が変わらないことについて、ちょっと気の毒や可哀そうに思ったことはないだろうか?
私はある。(T-岡田が超特大ホームランを打つといつも、2点分にしてくれ!と思う。)

 そこで、超特大ホームランのような完璧なあたりを打ったら、何かボーナスがあってもいいのでは?ということを考えてみたい。

 どのようなボーナスが良いかと考えてみたときに、「+1点」は行き過ぎであるから、「HRに加えて、1塁に出塁」でどうだろうかと思ったのだ。超特大ホームランを打ったら、通常のホームランのルールに加えて、打者が1塁に出塁するのだ。これを5塁打と呼びたい。

 例えば、初回先頭打者が超特大ホームランを打ったら、1点入るだけでなく1塁に出塁した状態で次の2番の打席が始まる!これは、なかなかにエキサイティングな試合の始まりだ。

1.はじめに:超特大ホームランの定義はどうする?

 実際このルールを導入しようとすると当然「超特大」の定義が必要になるが、これは具体的には考えないことにする。

 万が一このルールが導入されることがあったら、球場ごとに適当に決めてくれれば良い。私のイメージとしては、我らがオリックスの本拠地である京セラドームでいえば、3階席に着弾したホームランを超特大ホームランとする感じだ。

 まあ、この点は無視して先に進みたい。

2.5塁打導入のメリット

①パワーのある選手の価値が高まる

 超特大ホームランを打てる選手の価値が高まるので、コンタクト力は低いが芯で捉えたらどこまでも飛ばす、というような打者のニーズが今よりも高まる。

②パワーと走力が両立している選手の価値が高まる

 ホームランを打つとベースに出ないので、走塁のうまい選手がホームランを打ってもその走塁能力をアピールする機会が得られない。この5塁打(超特大ホームラン)を打てば、長打力と走塁の両方をアピールすることができる。(また、本塁打と盗塁という2つの通常は両立しない個人記録の双方が追い求めやすくなる。)

5塁打を打って直後に盗塁を決めれば実質的に6塁打になる!と思うと、ちょっとワクワクする。

③ホームランが次の得点の可能性につながる

 現状だと、ホームランを打っても次の1点が入るかどうかは後続の打者に委ねられる。しかし、この5塁打のルールがあれば、ランナーなしからのホームランでも最大2点を生み出す可能性を1人の打者が創出することができる。試合の展開もより読みにくくなるし、競技として面白くなる(面がある)と思われる。

④早いカウントで、より積極的に、また大振りになる

 5塁打を狙って、ファーストストライクなどの若いカウントでは強振が増える傾向になると思う。ここで着目したいのは、スイング率の上昇により早いカウントで決着がつくケースが増え、試合展開がスピーディーになることだ。

3.5塁打導入のデメリット

①長打力(遠くに飛ばす能力)偏重の野球になりかねない

 野球というのはボールを遠くに飛ばすだけのスポーツではないが、この5塁打の導入によりパワー至上主義になりかねない。

 また、OPS(=出塁率+長打率)が得点と強い相関関係を持つことが知られている(詳細は私のかつての投稿:チームOPSと得点数の関係 〜「2.43乗」について〜 を読んでいただきたい)が、この得点とより強い相関関係を持つ指標としてNOIが知られている。

 NOIには様々な流儀があるが、基本的なコンセプトは出塁率と長打率を1:1で足し合わせるのではなく、出塁率に重きを置くということだ。5塁打の導入はこのコンセプトとは反対になる。なぜかというと、5塁打はその名の通り「塁打数5」の安打として扱われるので、より長打率のウエイトを高めて考えることになるからだ。

 つまり、NOIの考えからすると出塁率の方が重視されるべきなのに、5塁打の導入により長打率を重視する方向に”ミスリード”してしまう可能性がある。が、超特大ホームランはそんなに頻繁にあるものでもないし、そこまで深く考えなくてもよい気がする。

②僅差の試合などで、パワーのある打者には外角が増える傾向になる

 どれだけパワーのある打者でも、外角いっぱいの球を超特大ホームランにするのは至難の業だろう。

 となると、5塁打だけは打たれなくない!という場面(9回2点リードで2アウト走者なしの場面など)でバッテリーとして外角いっぱいの球を選択する確率が高まるはずである。

 別にこれは必ずしもデメリットではないが、外角いっぱいにコントロールできる投手の存在価値が高まることになる。

③超特大の線引きと判定が難しい

 京セラドームのように●階席がある球場だと超特大ホームランの基準を設けやすいが、そうでない球場の方が圧倒的に多いと思われる。その中で、超特大ホームランと認定する審判の労力が高まり、またその正確性の担保が困難に思われる。

4.最後に

 今回の「5塁打」であるが、検討の価値が全くないかというと、そんなことは無いように思う。メリット・デメリットを思うがままに書いてみたが、意外と面白いと言えるのではないか。いつか野球という競技が何か行き詰ってしまったら導入を考えても良いかもしれない。

 あるいは、この記事を読んでくれた方が、草野球とか少年野球などで導入を検討し、野球をより楽しむことに繋がるようなことがあれば良いな・・・と思って書いた。

 あと、このような突拍子もないことを思いついたのは正直久しぶりだ。どうやって思いついたかというと、最近のコロナ関連のニュースのひとつで、感染症分類上の2類相当から5類相当に変更をしようという動きがあるが、単純に「ごるい」という響きから思いついた。野球脳で良かった、と思った。

・・・

この2類相当、5類相当というのは専門家と政治家が議論して決めてくれれば良いのかなと思う。国民(感染者)がどのように適切に医療を受け、生命と健康の確保が果たされるのか、というゴールから考えれば良いだけの話なのだと思う。

個人的には、指定医療機関だけでなく普通の病院(開業医含む)でコロナを扱うことは、ちょっとまずいのでは?という気がする。地元の医療現場に感染が広がり診療を受けられなくなるケースが発生することや、病院での感染の不安を感じて受診をためらうこと、コロナを扱うことを敬遠する開業医も一定数いるのではないかと思われること(自身だけでなく家族等に感染させるリスク)を考えると、やはり難しいように思う。

それとも、感染しても別にOK!という空気にしていくのだろうか。コロナの致死率1%程度というのはかなり高いと思う(インフルだと0.01~0.1%程度らしい)ので、なかなかそうはならないと思うのだが・・・。ワクチンで致死率や重症化率を抑えられるという事実はあるが、未知のことも多すぎる。(ワクチンの有効期間、新たな変異株への有効性など)

最近、コロナとオリンピックブログになってしまっていると自覚しているので、今日はここらへんで。。

 

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