何かの面積を例えるときに、「東京ドーム●個分の広さ」という表現を聞いたことが無いという人はいないだろう。もはや、「東京ドーム」という単位を新たに概念として生み出して、様々な物の面積をその単位で表現すれば?と思ったりもする。
だが、たぶん「東京ドーム」と聞いて具体的な広さがピンと来る人は相当に少ないと思う。恥ずかしげもなく言うが、私は全くイメージがつかめない。「東京ドーム10個分?いや、何平方キロメートルですか?」という感じだ。
ということで、この記事では、「東京ドーム面積学」を考えてみたいと思う。
1.そもそも東京ドームの「どの部分」の面積を指すのか?
人々が東京ドームの面積をイメージする前に、その面積は東京ドームのどの部分を指しているのか分からない。そもそも言う人によって別々の部分を指しているのでは・・・?という懸念すら生じる。
どの部分の面積か?を考えたときに思い浮かぶのは、以下の4つくらいだろうか。
①グラウンドの部分だけ?
②観客席まで含む?
③入口や通路なども含め、建物を指す?
④建物外の一帯まで含む?
このように、「東京ドームの面積」について、そもそも人々の共通の認識がない。だから、何個分と言われても困るのだ・・・。
それで、気になる答えは、どれが近いかというと「③」である。
東京ドームの公式ページで言及されているとおり、「東京ドーム何個分の面積」で言われる東京ドームの面積は、「建築面積」が採用されているとのことだ。この「建築面積」が何者かというと、Wikipedia君によると、「建築物の外壁、柱の中心線で囲まれた部分の面積」とのことだ。まあざっくり建物が建っている分の土地面積ということだろう。
そして、その東京ドームの建築面積は「46,755平方メートル」だ。これは、216メートル四方の正方形の面積くらいだ。ただ、この数字をベースとして東京ドーム何個分と言われても、やっぱり良く分からなくないだろうか・・・。ということで、次はいくつか例を考えていきたいと思う。
2.「東京ドーム」●個分の例
●東京都文京区=約241東京ドーム
まず、東京ドームが位置している東京都文京区だが、11.29平方キロメートル=約241東京ドームだ。
ちなみに、東京都文京区を地図で見ると、東京ドームよりも、東大の植物園の方がはるかに大きいことに気づく。(この植物園は確か数百円で入場できて、植物だけでなく、明治期の医学系の校舎?があったりと、それなりに楽しめる。行ったことが無い人にはおすすめできる。)
●東京ディズニーランド=約10東京ドーム
典型的なアミューズメントパークとして東京ディズニーランドを考えてみる。
東京ディズニーランド=0.465平方キロメートル=約10東京ドーム
ということで、ディズニーランドは東京ドーム10個分ということになった。まあ大体そのようなものかな、という感じだろうか。
というか、ふと思うのが、「東京ドーム何個分」という表現より、「ディズニーランド何個分」という表現の方が分かりやすくないだろうか・・・?理由としては、ディズニーランドの方が行ったことがある人が多いと思われるし、何よりサイズ感がイメージしやすい。自分自身で歩くので広さが分かりやすいし、東京ドームのように「どの部分を指すの?」という疑問も生じにくい。
ちなみに、ディズニーランドでは私は一番奥の方にあるアトラクション「イッツアスモールワールド」が何とも好きだ。一番奥の方にあるのでいつも最後の方に行くのだが、あの塩素の匂いとそこまで混んでいない感じと、何とも平和な感じが好きだ。(最後にディズニーランドに行ったのはいつだったかなあ・・・。)
●琵琶湖
日本で代表的な面積と言ってすぐ思い浮かぶのは琵琶湖だろう。
琵琶湖=670.4平方キロメートル=約14,339東京ドーム
このくらいの広さになると、全く東京ドームという単位ではピンと来ない。広すぎる。
●沖縄県竹富島
石垣島からすぐ行ける、竹富島を考えてみる。私の感覚としては、サイクリングで1周できるくらいのサイズだ。
竹富島=5.43平方キロメートル=約116東京ドーム
ただ、100東京ドームと言われても、何ともピンと来ない・・・。(本当はオリックス縁の宮古島にしようと思ったのだが、あまりに広かったので竹富島にした。)
●ギザの大ピラミッド
ギザの大ピラミッド=約53,000平方メートル=約1.13東京ドーム
ようやく東京ドームと同サイズの建造物だ!ピラミッドを思い浮かべたければ、東京ドームくらいの面積に、高さ140メートルの四角錐が建っていることをイメージすればよい。(私は実際に行ったことがあるが、確かにそれくらいだったように思う。)
3.おさらい
・東京ドームの広さとは、建物としての面積で、おおよそ200メートル×200メートル。
・東京ドーム1個分=ピラミッド
・東京ドーム10個分=東京ディズニーランド
・東京ドーム100個分=竹富島
こんな記事を投稿した私が言うのもなんだが、「東京ドーム●個分」という表現はやっぱり分かりづらい。ディズニーランド●個分の方がいいのではないかなあ。
(雑談)
面積でも長さでも重さでも何でもいいのだが、「単位」というのは非常に重要な概念だ。この単位があるからこそ、複数のものを比較したり、他者に正確に伝えることが可能になる。
もしあなたが原始人で、何も重さを表現する術を知らなかったら、今日自分が狩ったイノシシがどれくらいの重さであるかを、正確に他者に伝えることは難しい。
また、もし単位が存在していても、ある村は「グラム」、ある村は「ポンド」、ある村は「斤」を使っていたら、別の村の住人にどれだけの大物を狩ったかを自慢するのは難しい。同じ単位を共通的に使うことも大事だ。