ほぼすべてのオリックスファンがモヤモヤしている。
「山本はどうしてしまったのだ。」
「山本はこんなものではないはず。」
私も、ここ数試合の山本の投球は非常にもどかしい。日本のエースとしてタイトル総なめレベルの投球を期待しているだけに、非常にショックが大きい。
山本の不調がどこから来たのか?そして、どうしたら復調するのか?
この記事ではこれらに対する答えを探し出し、オリックスファンのモヤモヤを解消し、何かしらの心の安らぎとなることを目標とする。(宗教チックな言い方になったが、オリックスファンが精神的にキツイ状態にあるのは私にはよく分かる。私がそうだ。だから、何とかしてそれを癒やしたいのだ。)
0.ここ数試合の成績
ここ5試合の登板は、
7月12日 9回1失点
7月19日 7回3失点(被本塁打1)
7月26日 6回4失点
8月 4日 6回5失点(被本塁打1)
8月11日 5回5失点(被本塁打2)
という推移だ。7月12日の試合でパ・リーグ初完投勝利を成し遂げ、エンジンがかかったと思いきや、7月19日の試合からコンスタントに失点を重ねている。特に、シーズン初被本塁打となった7月19日の試合以降、被本塁打が非常に目立つ。
1.不調の原因
見ていて、フォームが全く安定していない。シーズン開幕前の練習試合の頃から安定していなかったので心配していたが、ここに来てフォームが完全にバラバラになっている。見ていてびっくりするくらい、フォームが安定しない。
足を上げてタメをつくる間もバラバラだし、腕の振り方もバラバラで、手投げになっている場面が非常に目立つ。結果、コントロールは安定せず、変化球は思うように曲がらず、真っすぐはシュート回転する。これではさすがの山本でも抑えられるわけがない。
例えるなら、国際試合で国際球に慣れず、不安定な投球を繰り返す投手のようだ。
開幕してしばらくは、フォームが不安定になりながらも次の登板ではフォームを戻してきて、一定の状態を保ってきたが、どうしてこうなってしまったのだろうか。
続いて、データから、考察を進めていきたい。
2.登板日別の球種割合
(※このデータは、某サイトの一球速報から機械的に取ってきたものであるため、精度等は保証できない。球種名も、そこから機械的にカウントしている。私としてはシュートではなく、ツーシームと言いたくてしょうがない・・・。)
成績が良かった登板を赤字、悪かった登板を青字にしている。ただ、この数字だけ見ても一向にピンと来ないので、球種割合のグラフを次に示す。
このグラフを眺めていると、ひとつ気づく点がある。それは、「カットボールが多いと打たれるのではないか?」ということだ。確かに被OPSが .700以上打たれた登板(6/28、7/26、8/4、8/11)ではカットボールの投球割合が20%を超えている。
そこで、カットボールの投球割合と被OPSの相関をグラフにしてみる。
横軸がカットボールの投球割合で、縦軸が投球全体の被OPSだ。確かに、カットボールの投球割合が高いと打たれるという相関関係が明らかに読み取れる。(点線の直線は数学的に引いたもので、私の意識の介在の余地はない。)
3.それでは、カットボールが不調の原因なのか?
それでは、カットボールの投球割合を減らせば、すぐに成績は改善するのだろうか?私はそれには「No」と考える。別の言い方をすると、カットボールの投球割合が多くなっていることは、不調の「結果」であって、「原因」では無いと考える。その詳細を以下に述べる。
まず、上述の球種の割合グラフを見ていただくと、速球系(ストレート、シュート、カットボール)を合計した割合は、だいたい60%前後で一定であることが分かる。つまり、カットボールが増えているということは、ストレートとシュートの割合を減らして、その分カットボールを増やしているだけなのである。
つまり、カットボールが多いときというのは、ストレートとシュートがいまいちで、カットボールに頼っている状態なのだ。
実際の投球を見ていても、カットボールが少ない日は「カットボールを投げる必要がない」投球をしていると感じていたので、これは私の直感とも完全に合致する。
それでは、困ったときに頼りがちなカットボールだが、それほど信頼に足る球なのだろうか?以下では、全球種の被OPSや投球コースを図示する。
4.球種ごとの被OPSと投球コース
まず、球種ごとの被OPSをまとめてみた。(念のため補足すると、各打席の最後のボールとその結果を抜き出して算出した数字である。)
これを見ると、カットボールが特に優れた球種では無いことが分かる。
また、フォークはそもそもボールゾーンに投げる球種だから被OPSが低くなるのは当然なのだが、カーブが非常に優秀であることに気づく。山本のカーブはストライクゾーンの中にも多く投球しているボールであり、もっと比率を増やしてもいいのではないかと思われる。(これは私の直感と完全に合致。)
次に、球種ごとの投球コースを示す。左側が右バッター相手、右側が左バッター相手である。(ピッチャーから見たストライクゾーンでプロットしている。中の四角がストライクゾーンだ。)
→左バッター相手に甘いコースが多い。
→全体的にコントロールがいまいち。特に左打者相手。
→左打者相手には多投。右打者相手にも、もっと投げて良いと思われる。
→右打者相手に全然投げていない。(データを見るまで、あまりそう思ったことはなかったので、意外に感じた。)右打者の外に投げられるコントロールが必要では。
→全体的にボールに行き過ぎか。
→全体的に右打者相手に、アウトロー偏重で、高めがうまく使えていない。
5.分析
ということで、現状の山本を分析するならば、
- フォームが崩れる
- 真っ直ぐ(フォーシーム、ツーシーム)が来なくなる
- カットボールに頼る
- 打たれる
という悪循環になっていると私は結論する。
また、どこからフォームが崩れるかというと、私はフォークの連投にあると見ている。フォークを連投するとき、特にファールで粘られているときには、いつも以上に落とそうとして投げ方が変になる。それが、他の球種にも悪影響を及ぼしていると思われる。
具体的には、7月19日のホークス戦で柳田にフォークを4連投して、フォームが変になったところを、次の中村晃にシュート回転したストレートをものの見事に打たれたところから、決定的にフォームがおかしくなってしまったと思う。先日の登板では、カーブの投げ方まで変になっていて、かなりの重症だと感じた。
また、カットボールも、リリースポイントを安定させる球種とは言い難く、これも曲げようとするあまり投げ方をおかしくする方向に拍車をかけているように見える。
6.結論:改善するにはどうしたらよいか
私は、山本の次の登板では
ストレート+ツーシーム:60%
カーブ:20%
フォーク:10%
その他:10%
という配分で投げることを提案したい。つまり、真っ直ぐ主体の投球で、真っ直ぐの投げ方を思い出すこと・真っ直ぐに自信を取り戻すことをテーマにしてはどうかと思う。ちゃんとした投げ方で投げられれば、こんなに打たれるボールでは到底ない。
カーブは被OPS的にも非常に優秀なボールなので、これをひとつの軸にして良い。フォークは、1イニングに1、2球の水準で良い。前述の通り、フォークを連投すると投球フォームが大きく崩れてしまう。(本当はフォークを1球も投げないのでもいいと思うのだが、それではピッチングにならないので、10%くらいはあってもいいと思う。)
また、特に右打者相手にカットボールに頼らない投球(配球)を思い出す必要がある。
7.おまけ(余談)
最近は、試合を見ていてもあまり中身を感じることが少ないので、試合の感想をこのブログに投稿するという努力よりも、本投稿で図示したようなデータをまとめるツールを作成することに力を注いでいた。実は前々からツールは作っていたのだが、細々とした部分が抜けており、この夏を利用して一気に完成させた。(というか山本の現状に、いてもたってもいられなくなった。)
長年、野球中継サイトからデータをまとめて、今回のような統計分析に使えないかと思っていたのだが、ようやく実現したので嬉しい!(というより、ようやく力を得たような、そんな感覚だ。)これから、試合の感想を投稿するときには、投球コースのグラフを作るなどして、データに基づいた感想を述べていきたい。
いつも、試合の感想を述べるとどうしても批判的な内容が多くなりがちなのだが(それは借金が多いチームを応援しているのでしょうがないはず・・・)、データに基づかない自分の主観的な批判になりがちなことを非常に苦々しく思っていた。
これからは、データ主義で行きたいと思う!
管理人さんお疲れ様です。
ツールを作られるとは凄いですね…!
OCRとRPAツールを組み合わせられたのでしょうか…。管理人さんの能力に脱帽です…
正直いうと、私は管理人さんがオリックスのフロントやベンチで戦略を担当されればどれほどよいか…。
といつも思って拝見しています。
(僅差で佐野を使わず代走小田で挙句盗塁死とかされるのを見せられるのはホントきついです…)
ピジョンさん、
ツールはせっかく作ったので、これから色々データをまとめていきたいです。(特にオリックスと他チームの比較で。)
> 管理人さんがオリックスのフロントやベンチで戦略を担当されればどれほどよいか…。
これは最高の褒め言葉をありがとうございます!私もオファーを待っているのですが、なかなか来ません。笑
佐野の代走は過小評価されていますよね。ここまで9盗塁で成功率100%ですし。
佐野スタメンは、適材適所に反していて、相手を楽にさせていると思います。