ウィズコロナとはなにか?その在り方を考える(2020年8月1日)

最近書きたいと思っていたテーマが2つあって、ひとつがこの「ウィズコロナ」である。(ちなみにもうひとつは「自殺」。近いうちに何かしら書こうかな、と思う。)

新型コロナウイルス感染症の封じ込めについては、既に人類は完全に失敗している。(というか、その選択肢はとうの前に放棄されている。)また将来的に、最終的なゴールがどこにあって、いつになるのか、誰も見通しが立てられない状況にある。

ちなみに、3月にこのウイルスについては以下の記事を書いた。書きぶりから見るに、ソーシャルディスタンスの考え方が一般的になり始めたくらいの頃のようだ。
新型コロナウイルス(COVID-19)から人類とウイルスの戦いについて思うこと(2020年3月20日)

で、題名にもした「ウィズコロナ」だが、私からすれば「何それ?」状態である。何がウィズなのか。どうウィズなのか。全く具体的なビジョンが見えない。多くの人がそう感じているのではないか。

私は、今日本が取り組むべきことは、「集団免疫という戦略を示し、集団免疫が獲得されるまでのタイムスケールを示し、日々の感染者数を一定数にコントロールすること。特に、緩和と抑制を繰り返しながら、集団免疫を獲得する時間的目標を達成すること。」であると思う。
(※ワクチンが流通するまでの見込み時間とそれまでの感染者数のコントロールをする方針であってもいいと思うが、私は遺伝子変異も考えてワクチンはそこまであてにしていない。)

世界を見渡しても、既に人口の10%以上が抗体を獲得している都市も多く報告されている(ロンドン、ニューヨーク、ジュネーブ、サンパウロ)状況であり、様々な意味で、いつまでも閉じこもっているわけにはいかない。

これは私の考えなので、実際は別の方針であっても構わないと思うが、いずれにせよ「ウィズコロナ」におけるあるべき状態が示されない現状では、例えば感染者数が全国的に急増している目下の状況でも、何を以って行動を変容させたらよいのか、皆目見当がつかない。

最近始まった「Go To トラベル」キャンペーンも、感染者数を増やすことにつながる政策であることは間違いない。それはそれで全く構わないのだが、どれだけの感染者数増ならば問題ないのか、その基準が示されないから困ってしまうのだ。

ということで、私が今政府にやってほしいことを以下にまとめる。

  • ウィズコロナの具体的中身を示すこと。
  • ウィズコロナと言うからには、感染者の発生と向き合う方針であるはず。どの程度の人数で感染者数をコントロールしていくのか、具体的な数値を示すこと。
  • 抗体保有率の調査を定期的に行うこと。(どれだけ集団免疫を獲得しているのか、定期的に調査すること。)

※別に政府が「ウィズコロナ」という言葉を積極的に使っているわけではないが、このウイルスと向き合っていく生活様式を推し進めているのは明らかだ。

なおこの感染症は、感染したからといって必ず抗体ができるものでもないらしい。つまり、抗体ができるまでもなく撃退しているか、あるいは別の何かで撃退しているパターンもどうやらあるらしい。しかし、抗体保有率を調べれば、諸外国との比較もできるし、一定の評価になる。

あと、日に1,000人の陽性反応者という人数は、現実的に妥当な水準なのではないかと思う。

・重症化するのが4分の1程度として、1日に250人程度(かつ入院期間が2週間程度)であれば、医療体制は崩壊しないレベルではないだろうか。

・集団免疫獲得の意味でも、陽性にならないレベルの感染者も倍程度いるものとすれば、日に3,000人程度が感染している。とすると、月に10万人程度の感染者になる。

・感染者がそれだけいれば、感染しないレベルでウイルスを体内に取り込んだ人数もかなりのものとなる。PCR検査で陽性にならないレベルでも、少しずつウイルスに対する免疫を獲得していることが期待できる。

 

 

ウィズコロナとはなにか?その在り方を考える(2020年8月1日)」への20件のフィードバック

  1. 管理人さんお疲れさまです。
    コロナウイルスの記事ありがとうございます。
    改めて、管理人さんの分析力に舌を巻く思いで拝見しました。

    管理人さんのおっしゃるとおり、コロナウイルスとの関わり方ははっきりと
    ビジョンを示すことが必要だと思います。

    最終形は、はしかのように、幼少期に皆がかかって、かかっても一定は治療法が
    確立している、というのがゴールで、その治療法確立までは医療崩壊を
    抑えるために、感染者数をコントロールする、というのがロードマップだと思います。

    経済との両立を目指しながら、うまく、症状が出ないように薄く感染するという
    コントロールが必要だと思いますが、現状では「コロナが〇〇人出た」
    という報道だけが先立っていて、だからどうする?というのが見えていないと思います。
    このあたり、政治の力でグラウドデザインを示せればよいのですが。
    結局、パニック気味に、感染者が出たどうしよう、で終わってしまっている気がしますね・・・・

    感染拡大によっては、プロ野球の開催も中止になるかもしれませんし、
    今後も注意が必要ですね・・・

    1. ピジョンさん、お疲れ様です。コメント返信遅くなり、申し訳ないです。

      いつもの野球に関する内容とは違いますが、読んでくださってありがとうございます!
      この記事は正に、

      > 現状では「コロナが〇〇人出た」という報道だけが先立っていて、
      > だからどうする?というのが見えていないと思います。

      と思い、国に対する不満から書きました。

      プロ野球選手からも感染者が発生しましたね。(オリックスからは球団職員等も)
      これだけの陽性者数(日に1,000人超)ですし、遅かれ早かれ必ず発生していたわけなので、
      ここからどう対応できるかがマネジメント上、重要になってきますね。

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