「3密」が標榜されてから久しくなったが、改めてこの「3密」を理解しておこうと思う。
さてまず、「3密」の元となった熟語3つは何であっただろうか?
答えは、「密閉・密集・密接」である。当然、ほとんどの人が答えられるだろう。
さて、「密閉」はいいとして、「密集」と「密接」の違いは少し分かりにくい。辞書(三省堂)の説明では以下のようになっている。
「密集」・・・「すき間なくびっしりと集まること。」
「密接」・・・「すき間もなく、ぴったりとくっついていること。」
日本語としての違いは、「密集」は密度が非常に高いこと(集まりの数も大きい)を指し、「密接」は距離が限りなく近いこと(集まりの数は小さい)を指すイメージだろう。
ここまでで、私の感じている気持ち悪さが伝わっているだろうか?
何が言いたいかと言うと、「密接」を避けていれば、「密集」は避けることが出来ていないだろうか?というようなことなのだ。(距離を取れていれば、密度も低くなるはず。)
だから、「密集」はナシで、「密閉」と「密接」の「2密」でいいのではないか?と思えてくるのだ。
それで結局、オフィシャルな「3密」の意味はなんだったかというと、
「密閉」・・・換気が悪いこと
「密集」・・・多数の人が高密度で集まること
「密接」・・・近接した距離で会話や発声をすること
なのだが、「密接」だけは、辞書的な意味以上のニュアンスがある。(「密閉」も辞書的な意味とは異なるが、明らかな繋がりがある。)
そもそも、「3密」はどこから来たのだろうか?私が調べた範囲だと、2020年3月9日の『新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 「新型コロナウイルス感染症対策の見解」』が由来のようだ。この見解では、以下のように述べられている。(原文まま)
これまで集団感染が確認された場に共通するのは、①換気の悪い密閉空間であった、②多くの人が密集していた、③近距離(互いに手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声が行われたという 3 つの条件が同時に重なった場です。こうした場ではより多くの人が感染していたと考えられます。そのため、市民のみなさまは、これらの3つの条件ができるだけ同時に揃う場所や場面を予測し、避ける行動をとってください。
これが派生して、「3密」というフレーズになったのだ。ただ、やはり「密接」は誤解の素だと思う。(「密接しなきゃいいんでしょ?」のような。)
長くなったが、「3密」という言葉はすっかり浸透したし、大きな役割を果たしたと思うが、この字面だけが浸透するのではいけない。正しく意味を理解する必要がある。
巷で使われている「閉」・「集」・「近」の方が遥かにニュアンス的に正確だと思う。ただ、それでも「閉」・「近」だけでも十分ではないか?と言う気もする。
そこで私は、「閉」・「近」・「秘」はどうかなあと思う。つまり、自身の体調不良などの異変を「秘密」にしないということだ。(これから社会が動きを取り戻して行かざるを得ない中、体調不良を申告しやすい世の中である必要があると思う。)
はぁ、それにしても、私の好きなプロ野球もどうなることかなあ。。。
「「3密」を改めて理解する(2020年5月4日)」への7件のフィードバック