アデルリン・ロドリゲスとタイラー・ヒギンスの成績を予測する(2019年12月30日)

さて、12月23日に正式に獲得が発表された2名の新外国人選手:アデルリン・ロドリゲス(Aderling Rodriguez)とタイラー・ヒギンス(Tyler Higgins)について、主にマイナーでの成績から、日本での活躍がどの程度のものになるかを考えていきたい。

また、これで外国人はディクソン、アルバース、モヤ、ジョーンズ、ロドリゲス、ヒギンズの6名体制になるわけだが、一体どのようにして外国人4枠を使っていくことになるだろうか。全体的な起用方法についても考察したい。

1.基本情報

アデルリン・ロドリゲス(Aderlin Rodriguez)
生年月日: 1991年11月18日
身長・体重: 191cm・95kg
投打: 右投右打
出身: ドミニカ共和国
ポジション: ファースト

タイラー・ヒギンス(Tyler Higgins)
生年月日: 1991年4月22日
身長・体重: 190cm・97kg
投打: 右投右打
出身: アメリカ・ミシガン州
ポジション: 投手

ふたりとも、2020年シーズンで29歳になる。選手としてのピークに近い年齢でやってくることは、オリックスにとっては良いことだ。

2.ロドリゲスの成績を予測する

2−1.マイナーでの通算成績

まずは、マイナーの通算成績の表を貼り付ける。

2019年AAA(PCLリーグ)の数字を見てみると、OPS .997という破壊的な数字を残した。これは打者としては一流と言われる数字であり、ロドリゲス獲得の報せを聞いた方の多くは、「マイナーの強打者がオリックスにやってくる!」と期待に胸を膨らませたに違いない。ちなみに参考として、ロメロが日本にやってくる前年の2016年にPCLで残したOPSは .902である。

しかし、本当に主軸を打てるほどの、または、パ・リーグでも有数の強打者となるほどの数字を残すことができるだろうか?

この問いに答えるべく、いくつかの客観的な分析によって、彼に対する期待値をどの程度にして持つべきかを明らかにしていきたい。

2−2.PCLは打高リーグである

次の画像は、PCLでの2019シーズンの打撃成績ランキング(OPS順)である。
元ページはこちら: http://www.milb.com/milb/stats/stats.jsp?sid=milb&t=l_bat&lid=112

2019年PCLでの打撃(OPS)ランキング

さて、ロドリゲスはこの表には名前が出てこない。彼の打席数265は規定打席に届いていないからだ。調べたところ、どうやら怪我のために欠場していたらしい。4月4日に7日間の故障者リストに入ったことは分かったが、怪我の詳細情報は分からなかった。(また、本格的に復帰したのは6月15日だったから、約2ヶ月の怪我だったようだ。)

さて、表からみても圧倒的に打高リーグではあるものの、OPS .997という数字を上の表に当てはめるとリーグ7位に相当するので、ロドリゲスの評価としては「AAA(PCL)有数の強打者である」と言うことができる気がするが、本当にそうだろうか?

別途調べてみたところ、PCLで100打席以上に立った選手で抽出してみると、なんとロドリゲスのOPSはリーグ35位であった。途中でメジャーに昇格した有望選手や、調整のためAAAでプレーしたメジャーの選手もいるだろうが、35位という数字は途端に自信を失わせてくる。

また、PCLにおけるチームごとの打撃成績は以下のようなものである。これを見ても、ロドリゲスの打撃はリーグ屈指というわけではない事がわかる。

<2019年PCLでのチームごとの打撃成績(一番上のチームがロドリゲスとハギンスの所属したチーム)>

ちなみにこれも参考までだが、ロメロがOPS .902という数字を残した年のPCLは、チームごとのOPSが上表(2019年)と比べておよそ .100くらい低かった。

したがって、相対的に見れば、2019ロドリゲス(OPS .997)と2016ロメロ(OPS .902)は同じくらいの打撃期待度ということになる。

2−3.ロドリゲスがAAAで数字を残したのは1年のみ

ロドリゲスは2018年までの数シーズンはAAで過ごし、2018年にAA(EAS)で残したOPS .813はリーグ10位の成績であった。つまりはAAの3番、4番クラスであった。

彼がAAAに昇格した2019年に残したOPS .997という数字は確かに立派に見える。ただ、上述の通り、リーグ内で相対的に見れば、5番や6番を打つレベルの成績であることをまず忘れてはいけない。

つまりは、順当にリーグをステップアップした(AAAにも適応した)というだけであり、本人の打撃技術が大きく向上したという可能性は低いだろうと私は思っている。

ただし、2019年にロドリゲスは、打率・長打力をともに上昇させることに成功した。2018年まで、彼の放つヒットの約3分の2は単打という年がほとんどだったが、2019年はヒットのうち単打が占める割合は半分弱にまで減らした。これはモデルチェンジである可能性がある。

より細かく見ると、打率は上がったが四球は減り、出塁率はそこまで大きく変わっていない。大きく伸びたのは長打率である。

このことを素朴に捉えれば、打席における積極性を高め、同時に芯で捉える打席が増えたということになる。(フライ率も上昇しているので、角度を付けるようにしたとも言える。)

ただし、「PCLという超打高のリーグに移籍したからだ。」と言ってしまえば、それまでだ。

2−4.ロドリゲスの成績予測

ロメロがオリックス初年度に残したOPSは .838であり、これがモデルになる。ただし、AAAやメジャーでの実績を比較すれば、ロメロ以上の成績を残すことは考えにくいと思う。

あとは本人の対応力や、タイミングのとり方が合うか、という問題になってくるわけだが、これは完全に未知数で、分かりようがない。動画を見た感じは右打ちもできそうだし、構えも問題無さそうに思うが、打ってるシーンだけを切り出してもしょうがない。

ということで、私の予想は、OPS .790 である。(標準偏差 .035くらい)

また、対左右で成績はほとんど変わらないようなので、目立った弱点というのはそこまで無いのかもしれないと思う。安定感にも期待したい。

3.ヒギンスのマイナーでの成績について

3−1.通算成績と特徴

まずは通算成績のキャプチャを貼り付けよう。

彼の成績で特徴的な点としては、

  • 奪三振が多い(イニング以上の三振)
  • 四球は多くはない
  • 被本塁打はやや多い(2019年は特に多い)
  • フライアウトが多い

が挙げられる。各種ウェブページを見て調べたその他の情報としては、

  • 速球は150キロくらい出る
  • 2019年に盲腸の手術を受けた
  • 持ち球は、チェンジアップ、カーブ、スライダーだろうか

というくらいだ。あと、奪三振率が2018シーズンから急に伸びているのは、おそらく何か新球種をマスターした結果だろう。

ちなみに、彼の肉声インタビューを以下で聞くことができる。穏やかなアメリカ人という感じだ。
https://krod.com/the-kennel-tyler-higgins/

3−2.被ホームランについて

2019年は被HRが非常に増加しているが、これは打高のリーグ・球場に移籍したことを考慮してあげる必要があるだろう。上記のインタビューでも、フライを打たせないようにカーブやスライダーを改良したいというようなことを言っているが、あまり上手く行かなかったようだ。

もともとフライボールピッチャーのようなので、打者有利のリーグに移籍し、被ホームランが大幅に増えてしまったものと推測する。被打率はそこまで悪化していない。

2019年より前は、それほど被ホームランが多いということはない。何より、マイナーから日本に移籍した選手は、ある程度被ホームランが減る傾向にあるので、成績の良化が期待できる。

また、防御率についても、2019年のPCLは圧倒的な打高だったので、ある程度は差し引いて考えてあげる必要がある。

3−3.成績予測

日本のボールを投げているところを見るまでは、何ともわからない。奪三振が多いのは我々ファンからするととても良いポイントだが、日本のボールでどのように変化球が曲がるかを見ないことには、評価をしようがない。

もちろん速球の質も非常に大事であるし、蓋を開けてみるまで何も言えない。せめて、メジャーで登板していれば、もうちょっと色々な指標やデータが残ってくるのだが・・・。

→ 成績予測は保留

4.外国人枠と起用法を考える

4−1.個人的な期待度の順番

ごくごく個人的な予測として、貢献度のイメージは以下のように思う。

AJ > ディクソン > ロドリゲス > アルバース、ヒギンス >> モヤ

アルバースは、身体が万全ならばエースクラスの投球だが、あまり期待できないだろう。モヤは守備も良くない上に、一塁でOPS .700を切る打撃では、助っ人として非常に厳しい。あまりホームランを狙わないほうが良いのではないかと思う。

4−2.起用方法

ということで、AJとディクソンは常に一軍に居てくれないと困る。ロドリゲスとアルバースとヒギンスが彼らに続いて外国人枠を埋める。モヤは1ランク落ちるかなというところだ。

おそらくは、

打者:AJ+ロドリゲス
投手:ディクソン+{アルバースとヒギンスの調子の良い方1名}

という形で4枠を運用していくことになると思う。モヤが化けてくれれば、一気にいい感じの厚みになるのだけどなあ。

 

 

4件のコメント

  1. 管理人さん今年も記事を楽しみにお待ちしております。

    ロドリゲスはOPS800弱でしょうか・・・
    出塁率 330 長打率450くらいとすると、
    270 25本80打点くらいになるのでしょうか。そのくらいやってくれれば、なんとか軸にはなるのでしょうか。松田選手くらいの成績を残してくれれば御の字ですね。
    去年のメネセスがまさかの大不振からの薬物だったので、なんとか一年間軸になってもらいたいところです。

    5番としては少し寂しいところはあるので、なんとか6番、7番に好打者を置きたいところでしょうか。
    モヤが化けるか、宗、中川、西村、頓宮あたりが大きく飛躍してくれれば面白いのですが・・・
    中川も2年目だけに、同じドラフト下位組の西野や小田のように伸び悩んでしまうと、打線が一気に苦しくなりますね・・・・なんとかOPS750くらいの日本人が2人くらいは出てほしいものです。

    ヒギンスはどこまで当てになるのかは全く未知数ですね。ウエストくらいの可能性も・・・
    奪三振については、メジャーでのフライボール革命と、四球優先の影響もあるかもしれませんね。
    (個人的には、安打より四球を重視する野球、全体的にホームランを狙う野球が見ていて面白いのか?
    という疑問はありますが・・・これからのメジャーではイチローのような、球場で魅せる選手は減っていくかもしれませんね・・・)

    やはりたら、ればが多い時点で苦しい予感もしますが、Tの復活とかサプライズに期待して応援したいですね!

    1. ピジョンさん、今年もよろしくおねがいします。

      ロドリゲス、いい意味で予想を裏切ってくれればと思っていますが、実際どうなるでしょうね。
      メネセスにはめちゃくちゃ期待してしまっていた分、まさかのドーピングは非常にショックでした。
      (正直その分、ロドリゲスに期待しなくなっているように身構えていることは否めません。)

      打線は何だかんだで計算できない部分が多いですね。
      クリーンアップの破壊力を求めるよりは、全体的な層で勝負できるよう、底上げを期待したいです。
      個人的には、Tが復活し、宗・頓宮が数字を伸ばし、中川が順調に行けば十分に勝負できると思います。

      ヒギンスは読めませんね。あのウエストにだって、AAAで成績が良かった年がありましたからね。
      (あと、ウエストは日本に来てから怪我もしてましたっけ。)
      私もホームランありきの野球は嫌いです。ベースボールがそうなっても、野球はそうならないでほしいものです。

      何だかんだで打線は苦しい感じもしますが、成績を残せば給料を上げる姿勢をフロントが見せましたから、
      あとは選手たちに期待ですね。

  2. いつも更新ありがとうございます。
    キャンプが待ち遠しいです。
    ピジョン様も触れてる通り、メセネスは期待していただけに薬物はショックでした…。
    AJの守備力次第ですが、ロドリゲスには打つだけでなく守備もそつなくこなしてほしいです。
    AJの守備力次第ではセンターの守備負担がかなり大きくなりそうですので、吉田をDHで起用する為にもロドリゲスがDH専になるのは勘弁頂きたい…。

    1. ブラジさん、

      そうですね、キャンプ待ち遠しいですね!もう来月ですもんね。
      メネセスのピークは、メキシコ代表と日本代表の試合でしたねえ・・・。
      モノが違うと思っていましたが、ドーピングはただ残念でした。若かったですし。

      ロドリゲスのファーストの守備は非常に大事ですね。
      マイナーの数字を見た限り、守備率は良さそうです。(ちなみに、サードは壊滅的ですね・・・。)

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