アダム・ジョーンズの成績を予測する(2019年12月23日)

もう年末だ・・・。今年は1年があっという間だったように思う。ブログもなかなかサボりがちになってしまった・・・。

さて、今日は題名の通り、アダム・ジョーンズ(AJ)のNPBでの成績を考えてみたい。長らくオリオールズの主軸として活躍しており、オールスターにも5度出場した名プレーヤーだ。2019年シーズンはダイヤモンドバックスで平野ともプレーした。

しかし、アダム・ジョーンズ(AJ)についてよく知っている人がどれだけいるだろうか?私はほとんど知らない。そこで、各種指標から読み取れる情報から、AJのプレースタイルを理解することをまずは目的としたい。

年齢は2020年シーズンで35歳になる。年齢によるパフォーマンスの低下は予測するのは困難だが、これまでのMLBでの成績とその推移から、オリックスでの活躍がどの程度になるかについても考えていきたい。

1.アダム・ジョーンズの成績

自分でデータをまとめるのは大変なので、いつものように、サボってWikipediaのスクショを貼ろう。(小さくて見づらかったら申し訳ない。)

アダム・ジョーンズの年度別打撃成績


彼の成績で特徴的な点を述べていこう

  • 良くない意味で、圧倒的なK/BBを誇る。四球の4倍以上の三振をする。非常に淡白な打席が多いことは十分に理解しておく必要がある。これは、どれくらいかと言うとオリックス時代の後藤光尊を思い出すと丁度いい。ここまでの極端な数字を残す選手は逆に見つからない。ただし、レベルの差により、この数字はNPBでは改善することが大きく期待される。

  • 一方で、安打の3分の1程度が長打であり、長打を残す力は見込める。

  • 個人的には、日本で似たような成績の選手と言われると、ソフトバンクの松田宣浩を思い浮かべる。松田のK/BBは3.1くらいなので、MLBのAJほど淡白ではないが。

  • MLB時代の成績で比較すると、中日のビシエドが非常に近い。ビシエドのMLB通算の成績、K/BB〜4.0程度はAJの通算と、OPS .722はAJの2019年シーズンとほぼ同じである。ということで、後でビシエドとよく比較しよう。

  • 近年の成績は下降気味にある。特に、2019年は三振の多さ(増加)が気になる。4.8打席に1三振するというのは、いくらなんでも多すぎる。

2.打撃の特徴

  • 2019年シーズンの彼のホームラン動画等を見ると、まだ90後半マイルの速球を打ち返している。速球に対する目の衰えというよりも、全体的な身体のパフォーマンスの低下が打撃指標の低下をもたらしているものと思ったほうがよさそうだ。

  • 1打席をフルで見れる動画が無かったので何とも言えないが、懐に入ってくる甘いボールには非常に強いが、逆にそれ以外のボールには脆そうである。

  • 対右投手のほうがやや得意。対左投手が苦手というほどではない。

  • P/PA(1打席あたりの被投球数)はMLB通算で3.60程度である。これはMLBイチローと同じくらいだ。それでいて三振も多いということは、「早打ちではあるが、若いカウントから厳しいボールには手を出さない。追い込まれてからファールで粘る能力は低い」ということが言えると思う。

  • ストライク先行もしくは並行カウントでは、ほぼ自動アウトレベルのOPSになる。つまり、ボール臭いところに手を出しているものと思われる。これはビシエドもそうだった。

  • 空振り率は通算で13.6%。つまり、高いということ。

  • 球種別のOPSと空振り率は以下の通り。曲がり球に弱いことが分かる。ちなみに、ビシエドも似たような傾向にあった。フォークへの対応も課題。

    フォーシーム: .857(10.6%)
    シンキングファスト: .788(6.7%)
    カッター: .756(12.8%)
    チェンジアップ: .754(19.4%)
    スライダー: .707(19.6%)
    カーブ: .676(20.0%)
    スプリット: .563(24.3%)

3.守備を考える

かつてゴールドグラブ賞を4度も取ったAJだが、その守備は全盛期時から過大評価と言われていたようである。事実、ゴールドグラブ賞を取った年でも守備の貢献度は「平均的」な数字を残している。(dWAR=0.0前後)

さらに、2019年は長年の定位置であったセンターを離れ、全試合でライトを守った。(センターの守備についたのは1試合のみ。)

オリックスでの守備位置は、おそらくライトになり、守備指標はNPBでも平均よりちょっと下クラスになるだろう。(あるいはDHかも・・・。)

4.過去の選手たちのNPB、MLBの打撃成績の推移

AJの2019年のOPSは .728である。このレベルの数字は、NPBに換算するとどのくらいになるのだろうか?何人か、MLB移籍前後の成績を書いてみたい。(なるべくAJに近い選手で)

①李大浩:2015年ソフトバンク OPS .892 → 2016年マリナーズ OPS. 740

②アンドリュー・ジョーンズ:2012年ヤンキース OPS. 701 → 2013年楽天 OPS. 845

③城島健司:2009年マリナーズ OPS. 702 → 2010年阪神 OPS. 859

④ビシエド:MLB通算(5年間)OPS. 722 → NPB通算(4年)OPS. 874

この傾向を単純に当てはめると、OPS .850〜 .880くらいが予想値になるだろうか。ただし、K/BBの悪さという懸念点は残る。日本人投手のボールの出し入れに対する対応力が無ければ、成績はもっと下がるだろう。

5.AJ(2019年シーズン)とビシエド(MLB通算)の比較

  AJ(MLB 2019年) ビシエド(MLB通算) ビシエド(NPB通算)
OPS .728 .722 .874
三振率(SO/AB) 20.8% 23.2% 15.0%
三振/四球(K/BB) 3.26(通算 4.10) 4.08 1.63
出塁率(OBP) .313 .298 .372
長打率(SLG) .414 .424 .502
ボール球スイング率 41.4% 38.0%
空振り率 13.8% 12.4%
平均被投球数(P/PA) 3.64 3.70

この表からも分かる通り、ビシエドクラスの成績を想定してよいだろう。ただし、ビシエドが来日したのは27歳前後のときだった点、およびビシエドの対応力を過小評価している可能性については注意する必要がある。

6.まとめ:オリックスでの成績を考える

ビシエドクラスの打撃が期待できるが、年齢による成績下降の影響は心配である。普通にいけば、OPS .850は期待できる。AJが5番を打つようなチームになってくれれば最高である。

また、各種サイト(baseball-referenceやFangraphsなど)を見ると、2019年のAJのWARは−0.4〜−0.1程度らしい。これの意味するところは、AJの貢献度は、ほぼMLB平均か少し劣るレベルというわけである。

ただ、見方を変えれば、MLB平均クラスの選手がこれから日本に来るということであり、これは結構楽しみなことだと私は思っている。

しかし、打撃指標が2018→2019で急落(三振数の大幅増)していること、環境の変化を考えると、そこまで楽観的になれるものでもない。

守備はライトに専念、DHでの出場も織り交ぜる。このような起用をしていきつつ、ある程度打撃に集中できるようにすれば、OPS .850はやはり狙えるのではないかと思う。

 

 

5件のコメント

  1. 管理人さんお疲れ様です。
    記事を楽しく拝見しました。来日が楽しみですね!

    わたしはなんとなく、出塁率が低いのが気になるな、とか、過去のメジャーと日本の移籍例をみると、
    期待OPS850くらいかな、と予想していますが、管理人さんの予想はデータが精緻に分析されていて、
    本当に読み応えがありいつも楽しませていただいています。

    さて、OPS850のAJが打線に入るわけですが、OPS890のロメロが抜けたので、打線としては
    トントン、というところでしょうか・・・
    といっても、ロメロと違ってフルシーズン出ることは問題なさそうですし、確実に
    チームの戦力にはなってくれそうですね!

    ロメロに関しては、脇腹、肉離れ等、防げる故障で4度も離脱したという点で自由契約は
    やむなしだったのかな・・・と思います。
    いっぽう、OPSでいうと本当に立派な成績を残したので、来年本当に優勝を狙うのであれば
    OPS6割台で底の見えたモヤを残すのではなく、多少高額でもロメロを残留させてほしかった気もします。
    これは今度来るロドリゲス次第ですが・・・

    なにはともあれ、選手獲得のうえで、FAではチーム人気等、補強に大きなハンデを抱えている中、
    お金でなんとかできる外国人にしっかりお金をかけて、実力者を引っ張ってきたことは大いに
    評価したいです!(個人的にはDH要員でロメロを2億くらいで残してほしかったですが・・・)

    DHの欄で記事にされていましたが、DH制を最大限に使って最強チームを作り上げたソフトバンクも、
    今年の成績で外国人打者がいなければ、
    3番 今宮選手 OPS720
    4番 柳田選手 OPS950
    5番 松田選手 OPS800
    6番 内川選手 OPS670
    ここまで打線が落ちるわけですからね・・・。(それでも5割以上は勝つでしょうが・・・)

    来年は
    吉田正、ジョーンズ、ロドリゲス この3人でなんとか軸を作ってほしいです!
    軸ができれば、周りの中川、宗、大城あたりのそこそこの打力がある選手も
    輝きを一層増すはずです!

    1. ピジョンさん、
      いつも読んでいただいて、ありがとうございます。お久しぶりになってしまい、すみません。

      さて、AJ獲得の裏話的な記事を先日読んだのですが、ロメロは9月の段階で契約更新しない方針で決まっていたらしいですね。
      https://www.daily.co.jp/opinion-d/2019/12/25/0012987067.shtml

      そういった経緯もあり、私もAJはロメロと比較して考えがちになりますが、おそらくAJの方がシーズン通しての貢献度は高いだろうと思います。
      ロメロは、とにかく怪我で離脱ばかりでしたよね。2018シーズンは成績も悪かったですし。
      あとは最悪、AJにはリーダーシップやネームバリューという武器がありますからね。。

      さて、近日中に、ロドリゲス、ハギンズのことも記事にしたいと思っているのですが、個人的な現時点の感想は、もう1ランク上の外国人はいなかったのかな、という感じです。
      と考えると、AJとロメロのふたりで、DHとライトを回すような形が理想だったのかなあと思います。

      ロドリゲス、T-岡田、頓宮このあたりの中軸を打てる選手の活躍を願って年越ししたいと思います!

  2. 初めてコメントしますが、楽しみに読ませてもらってます
    個人的にはこういうタイプは日本では四球でも良いから際どい所を攻めるのが鉄則で、AJはそれを我慢出来ない可能性が高そうなので、正尚の前(3番)に置く方が良いと思います
    守備も見ないと分かりませんがライトがメインとは思います。が、左腕時の外野手候補・松井Y,杉本がセンター無理なので、その時だけでもセンターをそれなりき守れると助かりますね
    更に希望としてはモヤが率の面で成長してく2番で使えたら… 1番の周平,宗がモヤの苦手インコース攻めなら盗塁成功率Up! 盗塁警戒で内角が甘くor外角ならモヤが打つ,警戒し過ぎたら四球の好循環に期待したい
    ⑴周平or宗,⑵モヤ,⑶AJ,⑷正尚,⑸A.ロッドor(右腕時=T岡田or左腕時=杉本),⑹中川or宗の流れになれば楽しみ

    1. コメントありがとうございます。また、いつも読んでくださってありがとうございます。

      3番・AJ、4番・正尚の構想、面白いですね。
      首脳陣は、3番・正尚、4番・AJを考えているようですが、シーズン中(オープン戦でも)は色々な組み合わせを見る機会がありそうですね。
      AJは2018年まではセンター専門でしたが、日本に来たらどこを守るのでしょうね。年齢的にもそろそろセンターラインはキツイと思いますが、それなりにセンターを守れるとありがたいですね。

      モヤの2番は私も実はアリだな、と思って見ていましたが、いかんせんもう少しコンタクト性を高めないとですね・・・。
      宗も真のレギュラー定着がようやく見えてきましたし、打線の厚みは増しそうですね。

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