NHK問題について考える(2019年8月7日)

 

私はこの投稿で、放送法とか、契約における支払の義務とか、そういうことを論じたいわけではない。

NHKに1世帯が支払う受信料(衛星放送契約)は、月額2,000円程度であるらしい。私が問いかけたいのは、NHKの存在にそれだけの意義や価値があるのか?ということだ。たぶん、人によっては安いと答えるだろうし、高いと答える人もいるだろう。そのバランスは真に適正だろうか?

昨今問題が表面化している以上、そのバランスは適正ではないと感じている人が多いのではないか。(私もその一人だ。)

そして、こんな記事をわざわざ書くくらいだから、私はもっと良いやり方があるのではないかと思っている。以下、具体的に書いていきたい。

1.公共放送は重要である

まず、私はNHK(公共放送)の存在は重要であると思っている。

民法は利益を追求するものだから、何を放送しようが、スポンサーや(一部の)国民が望んでさえいれば、それまでのことである。(もちろん、法律の範囲の中での話だが。)

公共放送として求められているNHKの役割は、一般に、国民の知識や感性を豊かにすることだろう。もちろん細かな問題は有ると思うが、NHKはそういった番組を作っていると思うし、ある程度のレベルで信頼できると私は思っている。

国民全体にとって有益・有用な情報を常に放送している媒体、すなわち公共放送が有るのと無いのでは、全く安心感が異なる。だから、私はNHKの存在はありがたいと思うし、これからも存続してほしいと強く思っている。

不可欠なものならば、国民から徴収された税金をもとに運営されれば良いのだが、テレビを持っていない(持とうとしない)人も当然いるわけで、国民全体の税金からNHKを運営することは極めて困難だ。

そして、更に問題を複雑にしているのが、テレビは持っているが、別にNHKを見るために買ったわけではない、という人が多いことだ。テレビを買う動機として、NHKの存在の寄与が圧倒的に大きいというのは、ちょっと想像しにくい。

2.テレビはNHKを見るためだけの道具ではないのに

テレビというのは、世の中にある様々な放送を受信するための道具だ。ゲームの画面を映し出したり、ディスプレイ的な使い方もできる。

そして、世の中にはどうやらNHKを受信できないテレビ、というものは存在しないらしい。

つまり、全く見るつもりもない(そして、実際に見ない)NHKに対して、テレビを持っているからという理由だけで受信料を払うのは、当然意味のないことであり、そういう人々は不満に思うはずである。

ましてや、車のカーナビや携帯電話のワンセグなどもNHK受信契約の対象になっていることを考えると、このNHK問題は一刻も早く解決策を見つけるべきとしか思えない。「NHKから国民を守る党」が1議席を獲得したのは、とうとう世の中にあるNHK不満が、国会の場にまで膨らんでしまっただけの話だ。

3.問題の本質は何か;NHKの受信料という制度には「無駄」が多い

あらかじめ断っておくと、世の中には必要な無駄があることを私は知っているつもりだ。無駄=悪いこと、の図式は必ずしもない。

だが、安くない受信料を負担する側からすると、その無駄は不必要なものに見えがちである。そして最早実際に、不必要な無駄になりつつあると思う。

無駄①:NHKを全く見ないのに受信料を支払わなければいけない状況は、ただの無駄にしか見えない。

特に昨今はネットで情報を瞬時に収集できるようになり、テレビへの依存度が低くなっている傾向にあるはずだ。そんな中で、様々なチャンネルで放送を流し続け、その事実を掲げてテレビ保有者に受信料の支払いを求めるのは、時代遅れになってはいないだろうか。

NHKを見ず、民放のバラエティしか見ない人からすれば、これはただの無駄である。

お金や労力の流れで言えば、その人が支払った受信料をもとにNHKは一生懸命(かどうかは分からないが)番組を作るが、その人はその番組を見ない。これはお互いにとって、と言うか社会にとって無駄である。

無駄②:受信料の回収コストは無駄

受信料を回収するという業務は、本来は無いほうが良い。払おうとしない人から払ってもらうのは、本当に骨が折れるに違いないし、そういう回収コストが受信料負担を圧迫することになるからだ。

支払率が絶対に100%であれば、回収コストは発生しないし、受信料の値下げもできるだろう。しかし、個々に契約を結んで月々の支払いを行って・・・というやり方をしている現状では、支払率は100%にはならないし、回収コストも発生し続ける。これは本来は無駄である。

4.私からの提案

はじめに:受信設備を保有=受信料の支払義務 はやめるべきだが・・・

私は強く思う。「良い放送をしていれば受信料収入が増え、放送の質が下がれば受信料収入が下がる」という基本原理がNHKに対して働くべきである。

普通の市場だと上記の原理が働くわけだが、テレビの場合はそうではない。NHKの放送がつまらないからテレビを捨てよう、とは最早ならない。「NHKの放送がいくらつまらなくても、民放や衛星放送があるからテレビは見る」のだ。そうなるとテレビは保有しつづけるわけだから、NHKの受信料を払い続けることになるわけだ。この人は、さぞかし不幸な気持ちだろう。

ただし、「最低限の公共的な内容のみ」を提供し続けるならば、これを税金でカバーするのは致し方ないのではないか?大事なのは、「日本国民全体」を対象にしているかどうか、だろう。

そこで公共的な内容を放送する基本チャンネル(税金で運営)と、オプション的な内容を放送する有料チャンネル(希望者が受信料を負担して視聴可になる)に分割するのはどうだろうか。

提案:基本チャンネルと有料チャンネルを設定せよ

■基本チャンネル

公共放送として社会に欠かせないと思われる部分(基本チャンネル)は、税金により放送する。

内容については、『ニュース、総合、教養・教育』といったものだろうか。(現在、地上波で放送されている内容のイメージだ。)そして大事なのは、地上放送だけでなく、ネット放送も行い、可能な限り多くの人が見れるようにすることだ。

税金の投入も、金額と期間を十分に保証する。こうすれば、公共放送としてのNHKの存在価値は損なわれないし、役割も果たすことができる。(特に、作成するのにコストがかかるが必要な情報を積極的に放送すべきである。なぜなら民放では手が出にくいからだ。)

どこまでを基本チャンネルの内容に含めるかは議論が有ると思うが、このやり方は有力な考えだと思う。

■有料チャンネル

娯楽や趣味の範囲と言えるものは、有料チャンネル(お金を払わないと見れない)として放送する。

内容は、『映画・ドラマ、スポーツ、ドキュメンタリー、自然、旅、バラエティ』のような感じだろうか。ただ、これらの中でもある程度の内容は、教養として基本チャンネルに含めるべきだろう。

テーマごとにチャンネルを別々に設定するのではなく、大きく括ったほうが良いだろう。

■この方式のメリット

公共放送として国民全体が享受すべきものは、税金により公平に負担される。NHKとしても、公共放送としての金銭的収入が保証される。これは非常に納得感があるのではないだろうか。

そして、オプション的な内容については、見たい人だけがお金を払って見る。その結果、もし誰も見なければ、そのオプション的なチャンネルは潰れるだろう。それはそれで良いのだ。なぜならば、需要が無いのだから。

5.まとめ

私の思うNHKのあり方を提案してみたが、いかがだっただろうか?日本全体で色々なアイディアがあると思うので、それらを良く取り入れて、良い仕組みに変えていってもらいたい。

さて、NHK問題を簡単に言ってしまうと、テレビ放送だけでなく、世の中の娯楽そのものが多様化する中で、NHKが安いとは言えない受信料を回収し、種々多様な番組を放送するのは最早時代に合っていないのではないか、ということに尽きると思う。

そもそもNHKに求められる役割も変わっており、最低限の公共放送だけをしていれば十分と考える人が多いのに、受信料はそれなりの価格で、NHK職員の待遇は充実している(と言われている)。となると、NHK自体そもそも不要と考える人がいてもおかしくはない。

言い方は極端だが、不必要に番組を作り、不必要に電波を流し、その番組を作った対価としてNHK職員に給与が支払われる、そしてそのために受信料を国民が負担するという構図は、ただの無駄だと思う人がいて仕方ないだろう。

私自身も、この投稿内でも何度も強調したとおり、どうしてもそう思ってしまう部分がある。公共放送として必要な部分は税金で負担するのでいいから、それ以外の部分は視聴者の意思を尊重して欲しい。

また、完全スクランブルになったとして、全くNHKを見ない人、つまり、NHKに全く受信料を支払わないことを選択する人がいたとして、月に2,200円(衛星放送契約)も浮くのだ。これは、月々の支出が10万円の人がいたとして、その人が負担する消費税の増額分(8%→10%)に相当する。

6.その他に思うこと

いつも私は、「まとめ」の後に、自分が本心から思っていることを書いている。このスタイルはズルいと分かっていつつ、今日も書いてしまった。

  • NHKが受信料を回収し、そのリソースで頑張って番組を作るのであれば、民放は少なくて良いのでは無いか?つまり、民放がたくさんあって視聴者の選択が分散するから、NHKの存在意義が薄れてしまうのだ。

  • 地方で、民放(地上波)が少ないところもあるだろう。そういった地域のためにも公共放送としてのNHKは欠かせない。

  • 年金生活をしているようなお年寄りからも、テレビがあるからという理由で月千円とか二千円とかの受信料を徴収するのは、私にはどうしても違和感がある。やはりある程度は公共の存在として、税金でカバーした方がいいのではないか。

 

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