オリックス投手陣の捕手別成績データ(2018年全体)

バッテリー毎の成績

2018年シーズンのバッテリー毎の成績をまとめてみた。シーズン当初からこのデータはまとめてきており、それぞれ以下のタイミングで記事にも投稿してきたが、とうとうここまでたどり着いた。

●「伊藤・若月論争」についての考察と検討(2018年オープン戦比較)
● 2018年4月22日時点でのオリックス投手陣の捕手別の成績指標
● オリックス投手陣の捕手別成績(2018年5月19日まで)
● オリックス投手陣の捕手別成績(2018年6月9日まで)
● オリックス先発陣の捕手別成績を考える(2018前半戦データ)
● オリックスの中継ぎ投手陣の捕手別成績を考える(2018前半戦データ)
● オリックス投手陣の捕手別成績(2018年9月2日まで)「若月・山崎の比較と来シーズンに向けて」

これまでのまとめと異なるのは、<先発投手>と<それ以外>という分析軸を用意したことである。(2.先発とリリーフの比較)

1.チーム全体

2018年シーズンの捕手ごとの成績

チーム全体の被OPSは .702という結果になった。(オリックス攻撃陣のチームOPSは .673(12球団最下位)であるから、勝てないチームであることは明確だ。)また、オリックス野手陣と対戦しないでこの成績は、立派であると言える。

・捕手毎の割合はイニングで言うと、若月64%、山崎26%、伏見5%、伊藤4%、飯田1%である。若月と山崎のふたりで90%と考えると、確かに今シーズンはそれくらいこの二人がマスクを被ることが多かった。

・若月、山崎で比べると、被OPSは若月のほうが優秀だが、防御率では数値が逆で山崎のほうが優秀である。

・WHIPはほぼ同等であることからも、山崎のほうが長打を浴びる割合が高いのだろう。事実、若月は11.5イニングに1被ホームランというペースだが、山崎の場合は8.7イニングである。

・しかし防御率は山崎のほうが優秀であるという事実が示すのは、大事な場面(ピンチ)で長打を浴びるかどうか、の差だろう。その点では山崎のほうが優秀なキャッチャーであると言える。

2.先発投手とリリーフ投手の比較

次に、先発投手のみと、リリーフ投手のみとで、成績を分解してみよう。

先発投手の平均被OPSは .711、リリーフ投手の平均被OPSは .685と、リリーフ投手の方が優秀である。このことからも、リリーフ投手への負担が大きかったことが頷ける。

先発陣との成績で言うと、若月が圧倒的に優秀である。山崎は、今年不調であった山岡と金子とのバッテリーで約160イニングを組んだので、成績が低くなりがちなのは理解できる要素がある。しかし、西やディクソンと組んだときの成績の悪さ(以下にデータあり)は無視できない。

・若月は西、アルバース、ディクソンと組んだとき、勝てる投手としての水準を残したと言える。しかし、全体的に被OPSに対して、防御率が高いようだ。特にディクソンは防御率が1点台でもおかしくない。まだ「勝てるキャッチャー」とは言えない。

リリーフ投手と組んだときは、山崎のほうが圧倒的に優秀である。(特に、防御率やWHIPが雲泥の差である。)

・山崎がリリーフ投手をリードした際の被OPS .602は、常に勝ちパターンと組んでいるようなものだ。この事実からも、ピンチ(点をやれない緊迫した場面)でのリードは、山崎の方がクオリティが高いことが推測される。

・若月は、先発と組んでも、リリーフと組んでも被OPSが一定であるということは、勝ちパターンのリリーフ投手を上手くリードできていないということになると思う。この点を見つめ直すことで、来季以降のリード時のパフォーマンスを向上できるかもしれない。

3.先発陣

・若月の方が好相性: 西、ディクソン
・山崎の方が好相性: 山岡
・そもそも若月としか組んでいない: アルバース、田嶋、ローチ、東明、榊原
・そもそも(ほぼ)山崎としか組んでいない: 金子

こうして見てみると、若月が上手くリードできている先発投手が多いことが分かる。そうであるからこそ、若月がリリーフ陣をうまくリードできていない結果なのが、非常に惜しい。

4.リリーフ陣

・若月の方が好相性: 比嘉
・山崎の方が好相性: 増井、吉田、近藤、山本、澤田、岸田
・大きな差なし:黒木

かなり顕著に差が出た通り、リリーフ陣は山崎の方が圧倒的に相性が良いというデータになった。考えられる仮説はいくつかある。

・山崎は途中交代からの出場が多く、リリーフ陣のリードに集中できている。
・若月は速球で押すリードがあまり得意でない。
・若月は先発投手のリードで疲れてしまい、中継ぎ投手以降のリードのクオリティが落ちる。
・若月は緊迫した場面のリードが得意でない。

それぞれの要因がどの程度のウエイトで働いているのか分からないが、少なくとも、若月をフル出場させることは避けたほうがよいと言える。来季以降も、若月のフル出場を前提としたチームではなく、公平な競争に基づいた起用をすべきだろう。

5.リリーフ陣のオールスター前と後での比較

オールスターの前後で比べて、リリーフ陣の成績が大幅に悪化しているのが分かる。シーズン前半の酷使のせいで、調子を落とした投手が多いことがここからも分かる。

 


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