今こそ2014年オフのオリックスの「大補強」を振り返る(2018年10月23日)

大失敗に終わった大補強

2014年シーズンは、オリックスファンならば誰もが覚えているシーズンだろう。あんなに悔しく、また歯がゆかったシーズンはない。

そしてその雪辱をすべく2014年オフに大型補強を行ったが、結果は大失敗であった。このことが、2015〜2018年の低迷を招いている(少なくとも要因のひとつである)ことは紛れもない事実である。そこで今こそ、この大補強の大失敗を考えたい。

ちなみにこの記事を書く動機は、小谷野が引退した今、「小谷野が2015〜2018年にチームに在籍したことで、チームが得られたものは何であるか」を考えたことにある。

1.はじめに(補強リスト)

まず、あのオフに補強をした選手を並べてみたい。金額は記事に書いてあることをそのまま書いているのでいわゆる「推定」であり、正確ではない可能性がある。

<獲得>

中島(3年10.5億円+オプション1年)
ブランコ(2年5億円)
小谷野(3年3億円)
バリントン(1年1.5億円)

<残留>

金子(4年20億円)
平野(3年9億円)

<退団>

ペーニャ
バトラー

<トレード>

桑原←→白仁田

湯水のような金の使い方とはこのことだろう。ちなみに当時、自分が獲得に賛成だった選手は中島、バリントンの2名のみだった。(平野と金子はもちろん残留してほしかった。)ブランコと小谷野は果たして戦力になるのかという考えでいたが、小谷野は代打の切り札になるならばいいか、くらいに思っていた。

果たしてこの補強がどれだけの失敗であったのかを考えるべく、以下では新規獲得した選手の活躍を考えていきたい。

2.中島裕之(宏之)(3年10.5億円+オプション1年)

2015年:483打席 OPS. 699
2016年:347打席 OPS. 785
2017年:489打席 OPS. 752
2018年:251打席 OPS. 743

年俸に見合う活躍ではないものの、一軍としての戦力には十分になっている。しかし、DHや一塁での起用が目立ち、年俸を考えれば三塁や二塁を守ってくれないことを考えると、コスパは非常に低い。しかし、補強としては悪い補強だったとまでは言えない。

3.トニ・ブランコ(2年5億円)

2015年:189打席 OPS. 649
2016年: 94打席 OPS. 699

2014年に572打席でOPS .830を残したペーニャを切ってまで獲得したのがこのブランコであるが、全く戦力にならなかった。補弱に終わり、大失敗である。年齢的にも、2015年4月時点でブランコ35歳、ペーニャ33歳とペーニャのほうが若かった。しかも、ペーニャは2015年シーズンは楽天で492打席 OPS .845という数字を残した。

ブランコがオリックスに在籍していたことなど、忘却の彼方という人が多いだろうが、かの有名なハーフスイングで肉離れは個人的に忘れられない。

4.小谷野栄一(3年3億円)

2015年:206打席 OPS. 758
2016年:189打席 OPS. 615
2017年:506打席 OPS. 669
2018年:258打席 OPS. 544

2018年で引退。戦力になったのは1年目のみで、2年目以降は戦力と呼べないレベルの貢献度であった。特に、晩年は守備でも動きの悪さが目立った。2016年あたりから代打に専念させていれば、ここまで怪我に苦しむことも無かっただろうし、まだ現役を続けられていた可能性もある。

小谷野を獲得したことで、2016年〜2018年に若手を起用する機会が少なくなり、長期的な目線でもチームとしてはデメリットが大きかった

しかも引退試合をした翌日に楽天がコーチとして招聘を検討しているという記事が出るなど、花道も用意したのに、早々に同リーグの別チームでのコーチへ切り替えられる顛末だ。これは本人の仕事の話だから、一ファンがどうこう言う問題ではないことは理解している。しかしながら、オリックスファンとしてみれば、2014年オフに小谷野獲得がもたらした恩恵は、現時点で皆無と言える。したがって、小谷野の獲得は現状、大失敗(獲得すべきでなかった)ということになる。

しかし、より長期的な目線に立てば、いつかコーチとしてオリックスに来るのかもしれない。そうなったときに初めて2014年オフに小谷野を獲得した意味が生まれたことになる。しかし、そもそも在籍したことがなくても、十分な待遇を用意すればコーチとして獲得することができる可能性が高いわけであり、やはり選手としての晩年の小谷野を獲得したこと、加えて多くの出場機会を与えたことにはクエスチョンマークがいくつもつく。

5.ブライアン・バリントン(1年1.5億円)

14先発 73 2/3回 防御率3.30 5勝3敗

怪我が多かったものの、投げればそれなりに抑えてくれていた印象。コスパは良くないものの補強としては悪くない

6.2014年オフの補強は確かに大失敗であったが、何が失敗だったのか。

選手を獲得すること自体は悪いことではない。実際、「補弱」になってしまったのは、ペーニャを解雇し、ブランコを獲得したことくらいである。小谷野はその後2018年までチームへの貢献は低かったものの、獲得しないよりはマシであり、使い所や使う頻度を正しくコントロールできなかった首脳陣の責任が大きい。

ただ、使ったお金の量に対して、2015年以降それに見合った何かは全く得られなかった。ここでお金の使い所を間違えてしまった結果、その後のシーズンで必要となる補強資金を硬直化させてしまったことは否めないと思う。(例えば、糸井を阪神に取られてしまった。ただ、かなりマネーゲーム化してしまった気はするが。)

お金というのは使わずに貯めておくことができるので、使い所を間違えず適切なタイミングで資金を注ぎ込むことが肝要である。また、人件費を抑えられれば設備投資(補強)に回すことだってできる。

7.補強するにしても年齢は大事である

2014年オフで各選手の年齢は、

中島(1982-7-31) 32歳
ブランコ(1980-11-10) 34歳
小谷野(1980-10-10) 34歳
バリントン(1980-09-30) 34歳
金子(1983-11-8) 31歳
平野(1984-3-8) 30歳

であった。ここから学ぶべき教訓は、30代中盤に差し掛かってくるとパフォーマンスは一般に落ち、選手としての価値も下がるため、ベテランと複数年契約を結ぶことは非常にリスクが高いということである。特に、20代〜30代前半でバリバリプレーしていた選手は、それまでの疲労や怪我の蓄積の結果、怪我をしやすくなる。実際、中島、ブランコ、小谷野、バリントン、金子、平野の全員が2015年中に怪我で離脱した。

MLBとは異なり、NPBではFA選手の年齢は一般に高い。(しかも当時は全選手、9年の一軍登録が必要であった。なお、今は高卒で8年、大卒・社会人卒で7年だけで十分だ。)しかも、FAというのはマネーゲームに発展し、待遇の高騰を招く。年齢の高い選手と複数年契約を結ぶ際は、特にこれまでの怪我の状況や成績の低下を注視しなければならない

8.結論:高卒FA選手にこそ資金を投入すべきである

だからこそ、高卒FA選手(20代後半でFA)にこそ資金を注力すべきであるという主張をしたい。今年2018年で言うと浅村(1990年11月生まれ)、丸(1989年4月生まれ)、西(1990年11月生まれ)がそうだ。しかも、20代後半でFA権を取得した高卒選手というのは、20歳そこそこから一軍で活躍しつづけており、故障が少なくチームに貢献してきた選手だ。当然、価値は高くなる。

オリックスの目標とすべきところは、西の残留に加え、浅村or丸の獲得である。

西には3年10億円+出来高、浅村には3年12億円+出来高くらいのベースでなんとか契約といきたいところだ。

 

 

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