記事の投稿が遅くなってしまったが、7月7日に新外国人投手ドン・ローチの獲得が発表されたことについて考えたい。
1.なぜ野手でなかったのか?
まず、獲得したのが野手でなく投手であったのは、個人的には、若干の驚きはあったものの納得できる。というのも、オリックスの2018シーズンにおいて、他球団より大きく劣っていると思われるポジション(=新外国人獲得により補強すべきポジション)は、
- キャッチャー
- ショート
- センター
である。大城、西野、福田の(比較的)好調により、セカンド、サードを考えずに済むのはありがたい。また、ファーストも物足りないが、ロメロ、マレーロ、中島と役者はいる。(うち2名は現在怪我で離脱しているが・・・。)
したがって、上記3ポジション(センターライン)に良い外国人野手がいればぜひ獲得したい・・・ということになるが、キャッチャーは論外なことはもちろん、ショートとセンターにもなかなか強打の選手は見つかりにくいだろう。
したがって、現実的に獲得を検討できる野手がいないのであれば、投手を取ることに反対する理由がない。
2.ローチのAAAでの成績を考える
簡単に箇条書きで。
- グラウンドボーラーである。AAA通算で、ゴロアウトがフライアウトの2.1倍である。これは、ディクソンのAAAでの時代よりも遥かに多い。
- コントロールが良い。AAA通算で、BB/9 〜 2.2。(9イニングあたりの四球が2.2個ということ。)
- 三振は少ない。AAA通算で、9イニングあたり4.8個。
- したがって、K/BB(三振と四球の比)は、2.2程度。
- 打席あたりの投球数が少ない。AAA通算で3.4球であり、被出塁率も考えると、1イニングあたりの投球数(3アウトを取るのに要する投球数)は15.2球で済んでいる。
- 球種は3つで、ツーシーム(65%)、カーブ(20%)、スプリット(15%)である。(フォーシームはほとんど投げない。)
- 球速はおおよそ、ツーシーム:144k/h、カーブ:123km/h、スプリット:137km/hである。
- 空振りが非常に少ない。スイング空振り率は6%程度しかない。
- 被ホームランは非常に少ない。AAA通算で、HR/9 〜 0.42。つまり、22イニングに1本程度の割合でしかホームランを打たれない。
- 引っかけた方向のゴロアウトが非常に多い。
- 対左打者が苦手。(メジャー通算で、対左OPS . 1.002、対右OPS .779)
特徴を簡単に言い表すとすると、「ツーシーム主体でゴロアウトが更に多く、ホームランを打たれにくくなったディクソン」である。
3.成績予想
被OPS .720、防御率4.20、P/Inning = 16.5、WHIP = 1.30
ストライクゾーンでどんどん打たせていくタイプだが、カーブ、スプリットは特に秀でていることはなく、すべてツーシーム次第。日本のボールで良い変化をしてくれれば良いが、球速がそこまで出ない分、厳しいか。
また、コントロールが良い投手なので、捕手のリードの影響が大きいと思われるが、残念ながらオリックスの現在の一軍の捕手陣に、まともなリードが出来る選手はいない。
4.起用方法と外国人枠
ローチは基本は先発ということになると思うが、全力で投げれば球速が出るのであれば、中継ぎも面白いかもしれない。
現状、アルバース、ディクソン、ロメロ、マレーロで外国人枠4名が埋まっているが、正直、ロメロとマレーロはOPS的に言って、日本人選手でも代わりが務まらないこともないレベルだ。(OPS .720くらい。)したがって、アルバース、ディクソン、ローチ、{ロメロ、マレーロのいずれか}の4人体制になるだろう。
Tや中島が復帰して、ファーストの競合相手が増えれば、マレーロが二軍ということになるだろう。マレーロは遅いボールを打てるようになれば、ロメロより数字を残しそうなものだけどなあ。(それでロメロは遅いボールを打つのは上手いんだよなあ。。。)
「新外国人投手ドン・ローチの獲得について考える(成績予測)(2018年7月9日)」への22件のフィードバック